30代ファミリーの住まい観の変化を探る

今回、「30代で住宅を取得するにはどんなことに気を付ければいいのか」というお題をいただき、改めてこの機会に私なりに考えました。震災後だからこそ、これから長く人生を重ねていく30代ファミリーはどんなことを念頭に「住まい」を考えればいいのだろうか、と。

子育て

震災後、子育て住宅のポイントも変化している…・

震災前でしたら「子育てしやすい」とか「家事がラク」だとか、「頭のよくなる家づくり」など一般的によく言われていたと思いますが、私はあえて各テーマを「震災後」と絡めながらお話したいと思います。なぜなら「家づくりの考え方」が震災を皮切りに大きく転換し、間取りや資金、子育ての各テーマも変化していると思うからです。

震災後の住宅業界は、昨夏の節電や原発問題などエネルギー問題が大きく取沙汰されたこともあり、大手ハウスメーカーやディベロッパーをはじめ、あらゆる住宅会社が「耐震性」と「エネルギー自給」の大きく2点に軸足を置いて訴求してきています。

地震

東日本大震災で再び関心の高まっている耐震性。いかに被害を小さくするかという性能が問われている(写真はイメージ)

住宅の「耐震性」については、17年前に起きた1995年の阪神大震災以降、住宅各社が耐震・免震の高い技術や商品を競うように開発してきました。

2000年に施行された住宅品質確保促進法で新築の住宅性能表示が義務付けられ、耐震性については地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを等級1~3で表示し、数百年に一度程度(たとえば東京を想定した場合、震度6強から7程度に相当し、関東大震災時の東京、阪神淡路大震災時の神戸で観測された地震の揺れに相当する)きわめて稀に発生する地震力に耐えられるものを等級1とし、今回の震災前でもすでにほとんどの住宅企業が等級1レベルをクリアする耐震性のある住宅を建築する傾向にあります。

震災で耐震性よりもクローズアップされたのは

大手メーカーなどでは、実棟モデルを震度7クラスの実際の揺れでどこまで被害を小さくできるかという実物実験を繰り返して検証を行ってきました。建物倒壊しないのはもちろん、家具や食器棚の内容物の飛び出しや、内装クロスのひび割れもいかに最小限にとどめるか、というところまで耐震性レベルは来ています。

HEMS

スマートハウスの心臓部「HEMS」イメージ

今回の東日本大震災では、むしろ後者の「エネルギー自給」つまり「省エネ+創エネ・蓄エネ」の必要性が、節電や停電を体験する中でクローズアップされました。震災後の夏以降に住宅各社から競うように開発リリースされたのが、いわゆる家庭内のエネルギーインフラを管理するスマートハウスです。

スマートハウスはここでは詳しくは述べませんが、そもそもは1990年代にITを使った“賢い住宅”を意味していた時期もあり、その後、インターネットや携帯電話などで住宅機器や家電などを遠隔操作するHEMS(Home Energy Management systemの略)の実証実験とともに歩んできました。さらに昨今のエコブームに沿い、太陽光発電システムなどのエネルギー機器を含めてトータルに家庭内エネルギーをマネジメントし最適化する住宅として、「エネルギー管理制御」に主軸を置いた内容に進化してきています。

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