住友林業は木造住宅の最大手。これまでその耐震面でも業界を大きくリードしてきました。大きく三つの商品体系があり、その主力は木造軸組工法の住宅ですが、ほかにツーバイフォー構法、ビッグフレーム構造(梁勝ちラーメン構造)の商品も用意しています。これにより、敷地の条件や施主のニーズに適した様々なタイプの木造住宅の供給を可能としています。

住友林業 「耐震」のポイント
  • マルチバランス構法(木造軸組)
  • ツーバイフォー構法
  • ビッグフレーム構法

進化した木造軸組工法、「マルチバランス構法」

3つの構造があるのは、それぞれに特徴があるためです。木造軸組工法は我が国の伝統的な構法で、柱と梁、筋交いが全て木材で構成され、間取りの取り方など設計プランの自由度の高さが魅力のひとつです。ただ、阪神淡路大震災で、木造軸組住宅が数多く被災したため、耐震上の工夫が施されるようになってきました。

きづれパネル

マルチバランス構法に採用される「きづれパネル」。格子状のパネルを壁に取り付けることで、地震などの力に「面」で耐えることが可能となり、耐震性を高めている(クリックすると拡大します)

住友林業では耐震性の向上のため、独自の技術「マルチバランス構法」というシステムを導入しています。これは高品質の集成材「スーパー檜」、面として力を発揮する「きづれパネル」(もしくは「Dパネル」)、地震エネルギーを吸収する「地震エネルギー吸収パネル」などを用いることで、構造強度を高めるものです。

住宅に使われる木材は十分に乾燥させることが必要ですが、住友林業ではその品質管理もしっかりと行った上で、主要構造材には集成材を用いることで、さらに高い強度を確保。構造材は専用の接合金物でしっかりと組み上げられます。

木造軸組工法は柱と梁などの接合部分、つまり点で力を支えるのが基本的な考え方ですが、壁面に「きづれパネル」を採用することでツーバイフォー構法のように、地震などの力を面で分散して支えることができるのが特徴です。

このほか、地震のエネルギーによる建物の変形を最大約70%まで和らげる「地震エネルギー吸収パネル」や、ボールベアリングや天然ゴムを採用し、地面と建物の間に挟み込んで地盤の揺れを吸収する免震システムも用意されています。

大空間などを可能とするビッグフレーム構法

ツーバイフォー構法は、壁と床、天井で支える6面体の箱形構造。これにより、前述したように地震などの大きな力に面で耐えるという構造です。住友林業では、独自に外張り断熱と全館空調によって快適性の向上を図っています。

ビッグコラム

ビッグフレーム構造に用いられる「ビッグコラム」。大断面の集成材による柱であり、梁とは専用の金物で強固に接合される(クリックすると拡大します)

また、ファイヤーストップ構造を採用しているのも特徴です。火災時に火の通り道となりやすい壁の裏や屋根裏を構造的に閉じており、上下階間や各部屋間に燃え広がりにくい構造。大地震の際、火災の発生も危惧されますから、この点でも安心感があります。

ビッグフレーム構造は、簡単にいうと重量鉄骨造の木造版。柱や梁に独自に開発した「ビッグコラム」(大断面集成柱)を使用することで強度を高めた工法です。梁勝ちラーメンと呼ばれる構造であり、これは1階から2階(あるいは3階)まで、通し柱を必要としません。

つまり、1階と2階の柱の位置が同じ場所になくてもいいということ。ただ、そのためには構造材を強固に組み合わせるための技術が必要になります。ビッグフレーム構造の建物では、専用の接合金具を用いることで、その点の配慮を十分に行っています。

これにより、大きな開口部(窓など)をとったり、柱や壁が少ない大空間とすることが可能になります。特に建築に条件が多い都市部の敷地において、自由度の高いプランが実現できるのが特徴です。なお、この構造は2012年10月に「Newビッグフレーム構法」としてさらにバーションアップが図られました。

接合金物の改良による強度向上に加え、ビッグコラムの耐力壁としての性能は壁倍率に換算すると22.4相当を実現しており、従来の16.2に比べて約4割アップ。これにより、大空間や大開口といった設計の自由度、さらに二世帯や賃貸併用といった居住ニーズにも対応しやすくなっています。


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