歯周病/歯周病(歯槽膿漏)の原因・症状

こんな歯の使い方は歯周病が進行しやすい!

歯周病は歯磨きが予防の基本です。でも漫然と歯磨きをするだけでは、歯周病を防ぐのはけっこう大変。そこで歯周病が進行する傾向から歯周病予防に役立つ情報をお伝えします。

丸山 和弘

執筆者:丸山 和弘

歯科医 / 歯の健康ガイド

歯周病が進行しやすい場所について

歯周病は口の中のどこでも同じように進行するわけではありません。臨床的によく見かけるのは、多くの人が同じような場所から歯周病が悪化しているということです。次のような場所を重点的に対策することは、効率的な歯周病予防に役立ちます。

奥歯の部分入れ歯

このような奥歯の入れ歯が最初になるケースが多い

■奥歯はハイリスク
年齢と共にだんだんと奥歯から失われていくケース。奥歯は前歯に比較して、磨きにくいため歯石などが堆積しやすい、噛み合わせの力が負担になりやすく、虫歯や歯周病の進行を早めることなどが原因と考えられます。

■歯並びが悪い
歯並びが悪い場所も歯ブラシが届きにくいことが多くなるため、歯周病だけでなく虫歯も進行しやすくなります。

これらの対策として、日頃から歯ブラシだけでなくデンタルフロスや歯間ブラシなどを利用して、磨きにくい場所のプラークを完全に除去することで、歯周病の予防効果は飛躍的に高まります。


歯周病が進行しやすい間違った歯の使い方

ちょっとした勘違いから、歯周病の進行を早めてしまっている場合があります。

■噛み過ぎ
歯周病を悪化させる2大要素は、歯の周囲に付着するプラークと、噛み合わせた際の歯にかかる力の負担です。歯は筋肉と違い、負荷をかけることで、強くて丈夫になるわけではありません。むしろ許容以上の負荷は歯のグラつきを拡大させたり、歯周病の進行する促進する原因となるのです。

確かによく噛んで食べることは、消化や脳の刺激のためにとても大切です。でも噛みこむ力には注意が必要です。「よく噛む=強く噛み切る」のではなく適度な力で噛む回数を多くすることを心がけましょう。噛む行為を無意識ではなく、ある程度意識的に行なうことで、歯の寿命を延ばすことに役立つと思います。

■入れ歯を使わない
奥歯の入れ歯を作ったけれど、使いにくいし、反対側の歯で噛めるから使わずに外してしまうケース。このように使いにくい入れ歯があるのは事実です。しかし歯の本数が減少してくると、よく噛めると感じている歯ほど、次にダメになり抜歯につながるのも良く見かけます。

入れ歯は、残っている歯にかかる力を分散して負担を軽減する効果があるので、使うことで残りの歯の寿命を延ばす効果が期待できます。日常的な使用が困難であれば、食事の時だけでも利用してみましょう。またインプラントなどは、このような場合に違和感が軽減され、負担も分散しやすくなります。

歯周病は自然には治らない

「歯ぐきが腫れてしばらくして治った」こんな経験はありませんか? 一度でも歯ぐきが腫れたのであれば、たとえ腫れが収まったとしても、それは体の抵抗力が回復したため。歯の周囲に歯石を取り除かなければいずれ再発します。

これとは別に歯磨きをしっかり行なえば治すことの出来る状態を「歯肉炎」といいます。この場合は、腫れるよりも赤く充血して出血する程度です。もし腫れた部分を指で押して白い膿が出るような場合は、歯周病になっていると考えて間違いありません。痛みや腫れが落ち着いたとしても、一度は病院でチェックすることをおススメします。


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