今回はいよいよスマートハウスの心臓部、家庭内エネルギーマネジメントを最適化する「HEMS」(ヘムス、Home Energy Management Systemの略)にフォーカスして紹介します。

「HEMS」制御でエネルギーを無駄なく使う

スマートハウスが話題になる中、その心臓機能として注目されるのが「HEMS」(家庭用エネルギー管理システム)。HEMSモニターで家庭内の電力消費量・蓄電量などを「見える化」することで、省エネ意識を喚起することができ、事実、大手ハウスメーカー試算によると、HEMSモニターを設置することで消費エネルギーを1割程度軽減する効果もあるといいます。
ダイワハウス「D-HEMS」による家庭内エネルギー制御

ダイワハウス「D-HEMS」による家庭内エネルギー制御(同社報道資料より)

HEMSの現段階の基本的な仕組みを簡単に説明すると、

(1)家庭内の家電、太陽光発電システム、蓄電池などをネットワークでつなぐ。
(2)分電盤につないだ電力計測ユニットで、家電の電力消費量と、太陽光発電システムなどによる発電量、蓄電量などを計測。
(2)HEMSのコントローラー(コントロールパネル、ホームサーバーなど各社で名称が異なる)でデータを収集。
(3)収集したデータをコントローラーがわかりやすい情報に加工、送信。
(4)居住者はコントローラーから送られる電力消費量や発電量などの情報を、テレビ、パソコン、専用モニターなどで確認。
(5)コントローラーが外部のセンターサーバーと繋がることで、よりきめ細かいサービスを受けることも可能に(スマフォでの情報確認、家電スイッチの遠隔操作、見守りサービスなど)。

iPad2を使って情報を”見える化”

ダイワハウス「スマ・エコ・オリジナル」ではiPad2を使って情報を”見える化”

「見える化」する情報は、家庭の消費電力、太陽光発電システム発電量や売電量、蓄電池充電量、電気代の収支など。それらのデータをもとに、HEMSが節電や電気代節約に最適なアドバイスをしてくれるケースも。アドバイスに従って居住者自身がエアコンの設定温度を変えたりと家電を操作することもできます。

現時点(2012年2月執筆時点)でのHEMSの基本機能は、家庭の電力使用実態の「ネットワーク化」「見える化」にとどまっており、コンピューターによる完全自動制御までいくにはまだもう少し開発の時間がかかるとみられています。

今後、「見える化」から、家電や蓄電池などを自動制御して電気使用の最適化を目指す方向へ進化していくことが考えられ、HEMSに対応した家電のスマート化も待たれるところ。エアコンも、温湿度情報に加え電気の供給・消費情報まで計算に入れて自動制御するようになるなど、家電の進化がHEMSの機能を拡張させていきそうです。

2011年12月、家電、住宅、自動車など約680社が、HEMSと各機器間で基本的なデータを送受信する方式を統一することで合意しました。この方式統一により、今夏頃からHEMS対応の家電が各社から次々と登場してくると予想されます。