姫という字を名前に使うのは良いのか

姫という字の名前はOK?

姫という字の名前はOK?

Q:
女の子の名前に「姫」の字を使いたいのですが、庶民がそんな字を使ってはいけないと周囲から言われました。本当にいけないのでしょうか?
   

 庶民の名づけという基準はない……姫の字の成り立ちと名前一例

A:
「姫」の字を使うこと自体は問題ありません。まず姫の字の成り立ちですが、この字は女と臣を合わせて、臣下(部下)をもつ女性という意味だとされています。ただし古代のいくつかの象形文字の中には、女性と櫛(クシ)を描いた絵もあり、生活のよい女性をあらわしています。おそらく古代では櫛を持っていること自体が生活のよさを意味したのでしょう。

姫の字は姫花、姫華、姫果、姫香、姫奈、姫菜、姫那、姫乃などの名前で使われるほか、キと読むため沙姫、紗姫、美姫、由姫、友姫、優姫、麻姫、茉姫、真姫などの名前も作れます。有名な人としてはフィギュアスケートの安藤美姫選手がいます。とくに女の子のユキという名前を漢字にする時、気をつけないとユウキという読み方も出て、男女わからない名前になることがよくあります。その場合、下の字に「姫」を使えば女の子の名であることが見た目でわかり、その意味でも便利な字です。
 

姫、媛の字は名前にさしつかえない

ついでながら同じヒメと読む字に「媛」があります。この字の右側の「爰」は、もとは両手でものをほぐす絵になっていて、「ゆるめる」「楽にする」という意味をもっています。援(楽にしてあげる)、暖(日光であたたかくなる)、緩(ゆるむ)などの字に入っています。女と爰を合わせた「媛」の字は、ゆとりのある楽な生活をしている女性を意味します。こちらの字はどういうわけかあまり名前に使われることはありませんが、もちろん姫も媛も、名前に入れてさしつかえない字です。
 

名前に使用されるものでも、地位に関する字は多い

現在名前に使われる字の中で、たとえば介、輔、臣、亮、夫、作、典、守、将などは、江戸時代以前には地位を表した字でした。もちろん天、姫、妃、媛の字も、特殊な立場を意味しました。ただしこれらの字のもとの意味をたどれば、地位と関係のない字もあります。たとえば天はもとの意味は「そら」であり、介は「間に入る」、臣は「下を向く」、亮は「背の高い人」、作は「衣服を作る」、典は「ととのえる」、守は「滞在する」、将は「中指」という意味です。たまたまこれらが官職をあらわす字として使われていたということです。

明治以後は、高い地位に対するあこがれからか、これらの字を一般人が遠慮なく名前に使うようになり、現在ではそうした字が人の名前に入っていたからといって誰も不自然には感じません。野球の松坂大輔、田中将大両投手の名前にも使われています。

ただし今でも王とか皇という字を使ったり、高貴、賢人、聖人、偉人などの熟語を名前にしたりしますと、他人を見下しているような印象を与える恐れはあります。

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