太陽や風だけでなく地熱も活用したパッシブ・エコ

地中深くの熱を利用

地中熱を利用した住宅事例は増えている(写真はSXL平沼展示場モデルハウスでガイド撮影)

震災後の家づくりで見直されている点の一つは、目の前にある自然エネルギーを最大限に活用していこうというパッシブ・エコの流れが強まっていることです。今回は、地上の寒暖に左右されず、ほぼ一定の温度を保つ「地中熱」を活用した企業の取り組み事例を紹介します。

まず、なぜ今「地熱」かについて考えたいと思います。自然エネルギーを活用する省エネ手法として太陽、風、光、水などがすぐ挙げられると思いますが、意外に盲点だったのが「土」のもつチカラです。ある調査によると、太陽光発電システムの認知度は90%と高いものの、地熱(地中熱)を使った省エネ手法の認知度は50%とまだ低いのが現実です。

地熱を活用した様々な住宅スタイル

地中の温度(大地熱)は一年を通して15度と一定であることがわかっており(井戸水と同じ)、この快適な大地熱が家の中に取こめられれば冷暖房費がより少なくてすみます。ガイドが見聞した現時点では以下の地熱利用方法があるようです。

1.床下大地熱利用システム(空気利用法)
床下大地熱利用システム

「床下大地熱利用システム」しくみ図(SXL報道資料より)

地中に採熱ホールのようなパイプ(SXLでは地下17メートル×3か所)を通して夏は地中の冷気を、冬は地中の暖気を引っ張り上げて床下に取り込み、家全体に空気の流れをつくる。(採用メーカー:SXLなど)

2.地熱利用ヒートポンプシステム
(お湯利用法)
地中に差した採熱管(SXLでは地下12メートル×8か所)の地熱を汲み上げ、ヒートポンプでパワーアップさせることで、冬の0度に近い冷水からであってもより少ないエネルギーで湯沸しできる。太陽熱温水の地下版といったところでしょうか。(SXLなど)

3.輻射冷暖房(壁パネル利用法)
フィアス

2011年12月リリースのフィアスホーム地中熱住宅イメージ

上記2で汲み上げた冷温水を住宅の放熱パネルに循環させ、そこから放熱させる。壁からの輻射冷熱により、人体に感じる空気を冷やしたり温めたりできる。(SXLなど)

4.地中熱エアコン(エアコン利用法)
夏冷たく冬暖かい地中熱を回収し、エアコンの熱源に連動させることで、より少ないエネルギーで冷暖房が可能。これにより冷暖房費が一般エアコンの1/3になるというメーカーシミュレーションも。(LIXILなど)

5.地熱活用換気システム
換気システムで外気を直接取り込むのでなく、1に同じく地熱を床下(ベース空間)に取り込み、その空気換気を季節によって自動制御し、熱ロスを抑えて換気および冷暖房コストの節約に貢献する。(パナホーム「エコナビ搭載換気システム」)

では次から具体的に地熱を活用した住宅についてみていきましょう。