スペシャルなミニのスペシャルなクーペ

ミニクーペ

量産モデルとしてブランド初の2シーター。ハッチバックより全高が50mm低くAピラーの角度が13度倒 れている、スポーティなスタイルに。全長3740mm×全幅1685mm×全高1380mm。NAエンジンを積むクーパー(MT 297万円、AT 310万円)、ターボエンジンのクーパーS(MT 339万円、AT 352万円)、スポーツモデルのJCW(MT 426万円)をラインナップ

現代に蘇ったミニは、ファッショナブルで個性的なデザインの2ドアモデルであることから、人生において楽しめるステージが限られていた。だからこそ逆に、価格ヒエラルキーから脱し、高くはないけれどもプレミアムでスペシャルなモデルとして、世界中の人気を博したわけだ。

ところが昨今、クロスオーバーなる“家族向け”ミニが登場してしまい、案の定、大人気を博すに至って、現代版ミニにあったファッショナブルな魅力が、いくらか損なわれつつあるように思えてならなかった。世の中、いろんなクルマがあっていいわけで、特別であることが嬉しいクルマがいっぱいあった方が楽しいはず。なのに、ハードルを自ら下げてどうするんだ?
ミニクーペ

バルブトロニックを備える直噴1.6リッターエンジンを搭載。クーパーは最高出力122psを発生するNA、クーパーSは184psのターボ、JCWは211psのターボとされた。ステップトロニック付き6ATと6MTを組み合わせる

そんな風に思っていたところへ、ファッショナブルなデザインの2シーター・クーペが登場した。中身は、多少のアシ回り専用チューニングこそあれ、ミニクーパー&クーパーS、JCWのまんまと言っていい。

けれども、ノーマルのハッチバックモデルより車高を50mmも下げ、13度も寝かしたAピラーをあたえて、まるでチョップドルーフクーペのようなシルエットとノッチ付きのハッチゲートをもたせた。さらに、80km/hでせり上がり、60km/h以下でもとに戻る仕掛けのリアスポイラーも装備。もともとスペシャルな存在であるミニの、さらにまたスペシャルなモデル。ミニのバリエーションはこうでなきゃいけない。

実際に近寄って見れば、ほとんどハードトップを被せたロードスターのように映る。流れるルーフラインやその内側のデザイン処置を見て、ひょっとして外れるんじゃないかと思ったほど。頭では“コイツはクーペだクーペだクーペなんだ~”、と言い聞かせつつも、ふと頭上を見渡してラッチかなんかを探してしまう始末。あとからロードスターモデルの正式発表を知り、“なるほどなぁ”と思ったものだ。