起業コンサルタント(R)、税理士として、多くの起業家のサポートをしてきた中で、様々な起業の失敗も見てきました。後で振り返れば、起業の失敗にはパターンがあること、それらが難しくて不可避なものではなく、あらかじめ勉強して気を付けておけば防げるものばかりだということに気づきます。これからはじめて起業する方がそうした同じ失敗をしないように、起業家が陥りやすい7つの典型的な失敗パターンを解説していきます。

商品・サービスの失敗

起業の失敗で多いのは想定したよりも売上が上がらないケース

起業の失敗で多いのは想定したよりも売上が上がらないケース

起業したら売上が上がらなければ会社を維持することはできません。当然ですよね。ただ、起業の失敗で最も多いのが想定していたよりも売上が上がらないケース。その原因は様々ですが、特に多いのは提供する商品・サービスが世間の人々から見て魅力的ではない場合です。内容、クオリティ、価格など、どこか世間のニーズと合っていないのです。起業準備段階でニーズに関するリサーチ、検討が不足していたことが原因だと思われます。

そうならないためにも、起業の計画準備段階でターゲット層に近い人達に協力してもらい、徹底的にリサーチをしておきたいものです。ニーズや悩みを聞き出し、お世辞抜きで商品・サービスの改善するべき点を指摘してもらいましょう。友達など厳しい意見を言いにくい人達ではなく、関係性の遠い人達に協力してもらうのがオススメです。

また、世間のニーズと合っている商品・サービスだとしても、売っても売っても利益が少ししか上がらないという失敗パターンもあります。利益の薄い集客用のフロントエンドの商品・サービスばかりで 、きっちりと利益を確保するための高付加価値なバックエンドの商品・サービスを用意していないのです。起業準備段階で、商品・サービスのラインナップをよく検討し、価格競争に巻き込まれずに利益を出せるものを用意できるか、全体のどこで利益を出すのかなど、戦略をしっかりと練っておきたいですね。

広告の失敗

準備段階で徹底的にリサーチして起業し、商品・サービス自体には問題がないはずなのになかなか売上が上がらないとすれば、その原因の多くは広告不足です。量的にも質的にも広告が足りていなくて、スタートダッシュ時の数ヶ月、計画していたよりも売上が上がらないというケースが多々あります。集客に関する戦略の検討が欠けていたというケースです。

会社を作ったら勝手にお客様がわんさか寄ってくるなんてことは、当然ながらありません。通常は、全くネームバリューが無いところから始めるわけですから、まずは世間に認知してもらう必要があるのです。まずはそのことをしっかりと認識したいものです。その上で、事業計画を練る際には、必ずある程度の広告予算を確保しておきましょう。そして限られた広告予算を効率的に使ってどのような媒体でどんな風に広告するのか、じっくりと検討しましょう。

方向転換の失敗

あれこれ検討してようやく完成した事業計画書。それに書かれたとおりに進めたいというのが起業家の素直な気持ちです。ただ、多くの起業事例に接していて感じることは、現実には全てのことが事業計画書の想定通りには進まないということです。通常は、起業後も微調整を繰り返しながら成功ゾーンを探し当てる作業が必要となるのです。また、大きく外していると感じたら、原因を早めに探し当てたうえで大胆な方向転換をすることも必要になります。

失敗パターンとしては、起業してしばらく成果が出なくても、頑固なまでに最初に決めた方向性を変えないで突っ走ってしまうケースです。起業家が自分の商品・サービスに惚れ込みすぎているか、売れない原因を景気や環境のせいにしてしまうケースが大半です。

うまくいかなかったら、一度立ち止まって周りに意見を求めましょう。そして、原因を認識して素直に改善していきましょう。朝令暮改は経営においては必ずしも悪いことではなく、必要ですらあります。方向性の間違いを間違いのまま進めることの方が余程危険なのです。

起業の際には3種類の商品・サービスをそれぞれ7つの方法で売れという格言があります。3×7=21で21通りのビジネスモデルが展開でき、それだけ試せばどれかが当たるだろうという例えです。そのくらい柔軟に、文字通り手を変え品を変え柔軟にチャレンジしたいものです。