ストレス、交感神経、冷え性

ストレスを受けると、交感神経の緊張から冷え性が進みます

ストレスを受けると、なぜ元気が出ないのでしょうか?体がだるく、調子が悪くなるのでしょうか?反対に、ストレスの原因が解消されると、全身状態は回復していきます。今日は、ストレスと、体の影響についてお話します。

人はストレスを感じると、2つの経路が反応します。一つは、脳の視床下部(ししょうかぶ)と下垂体(かすいたい)から副腎皮質(ふくじんひしつ)経路。そして、もう一つが自律神経系の交感神経経路です。

視床下部―下垂体―副腎皮質経路

まずは、視床下部―下垂体―副腎皮質経路についてお話します。この経路は、最終的にグルココルチコイドというステロイドホルモンを分泌させます。このホルモンは、全身に影響し、骨、筋肉、脂肪組織、粘膜、生殖機能、精神状態、そして記憶にまで影響します。

長期間ストレスでこの経路が刺激されると、常にグルココルチコイドが高い状態になります。すると、以下の病気が出てきます。

・糖尿病
・肥満症
・血管の動脈硬化
・胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・免疫力低下に伴う風邪などの感染症
・骨粗鬆症
・生殖機能低下による不妊
・うつ病
・健忘症や記憶障害

ストレス、うつ病、原因、記憶力低下

ストレスから、心筋梗塞、記憶力低下やうつ病発症も

ストレスを感じると、何となく元気が出ないとか、やる気が出ない、ということは、決して気のせいではありません。過量のグルココルチコイドによって、感染症から発熱、だるさや食欲不振からくる体の不調を感じ取っているのです。他にもグルココルチコイドは、脳の記憶中枢である海馬(かいば)にも、有害な影響を与えます。ストレスで海馬の働きが悪化すると、物忘れがひどくなります。また、ストレスによる過食は有名ですが、グルココルチコイドの作用で、太りやすくなっていることも事実なのです。

自律神経系の交感神経経路

自律神経系の交感神経経路は、急性ストレスと深い関係があります。この経路は、「闘争か逃走か」、即座に反応する体の準備をします。

交感神経系は、ほとんどすべての組織や器官に影響し、以下の作用を起こします。

・血管を収縮させ、血圧を上げる
・骨格筋の収縮特性を変化させる
・皮膚の痛み受容器などの痛み反応を増強する
・免疫反応の低下

腰痛、ストレス、慢性腰痛症

ストレスから筋肉の緊張が高まり、腰痛を起こすことがあります

慢性的な血管の過剰収縮は、冷え性を引き起こします。血圧の上昇は、狭心症や心筋梗塞の可能性をアップさせます。交感神経の刺激はカテコールアミンを分泌させ、神経だけではなく、筋肉も緊張した状態を作ります。この結果、筋疲労や首こり、肩こり、腰痛症などにも関与します。また、ストレスで、交感神経の興奮により、痛みに過敏になることも分かっています。

痛みが消えれば、冷え性は治る

「先生。頭痛がなくなって、生活しやすいです。吐いたり、寝込むこともすっかり無くなって。本当に楽になりました。」と、おっしゃる患者さん。そこで、私はいつも尋ねてみます。「ところで、今年は冷え性が軽いと思いませんか?」

すると、みなさん声をそろえておっしゃいます。「そういえば、冷え性がとても軽くなっています。毎年、しもやけができるくらい、ひどかったのに。それに、風邪もひきにくくなりました。なぜだかわからないけど、全身の調子が良い感じです。」

痛みは、ストレスです。長い間、頭痛というストレスによって、この患者さんは上記2経路が刺激されていたのです。頭痛という痛み刺激がなくなったおかげで、ホルモンと神経のバランスが回復し、冷え性や体のだるさが解消しました。もちろん免疫力もアップして、体調が180度改善したのです。

ストレス解消から冷え性を治す

冷え性には、冷え性の原因があります。もしかしたら、それは対人関係、介護などの家族問題、痛みなどの病気からくるストレスが原因かもしれません。冷え性の原因を解消しなければ、いくらショウガを食べても、足が冷たいからといって厚い靴下をはいても、辛い症状は改善しません。冷え性の症状対策にばかり目を向けるのではなく、根本的なストレス解消、または体質改善や環境整備を図ることで、冷え性は解決するのです。

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