年金

国民年金基金ってどんな年金なの?(2ページ目)

会社員に比べると、自営業者やフリーランスの公的年金は支給額が低めになります。自分で公的年金の上乗せを準備するとき、自営業者やフリーランスに有利な制度である国民年金基金についてご案内します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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「国民年金基金」という制度

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自分で年金の2階部分を準備

国民年金基金は、会社員に比べて老齢年金が少ない自営業者やフリーランスの老後の所得保障を目的に、平成3年4月、法律によって導入された制度です。地域型・職能型のどちらの制度に加入しても同じ掛金を納付し、同じ給付を受けることができますが、国民年金基金に加入できるのは国民年金の第1号被保険者のみです。なお、学生も20歳以上で国民年金の第1号被保険者であれば国民年金基金に加入することができますが、保険料の納付猶予特例を利用している場合は加入できません。また、卒業後、会社員として就職すると厚生年金に加入する第2号被保険者となるので、国民年金基金の加入資格を喪失します。

国民年金基金の加入は、以下のような年金給付の型を「口数」で選択して組み合わせ、自分で将来の年金額を決めることができます。

【1口目】
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【2口目以降】
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(「1口目」「2口目以降」とも図は国民年金基金ホームページより)

ただし、1口目は必ず終身年金であるA型(保証期間あり)かB型(保証期間なし)を選択しなければなりません(「保証期間」の解説は、「自分で年金を増やす!国民年金基金(1)」をご覧ください)。なお、それぞれの年金給付の型1口当たりの掛金は性別と加入時の年齢で決定し、60歳の満期まで掛金は変わりません(1口当たりの掛金は国民年金基金のホームページでご確認ください)。

また、国民年金基金の年金給付は確定給付型で、公的年金のように物価や賃金の変動による調整もないので、将来の年金額は加入時に決められた金額が支給されることになります。
 

国民年金基金の年金給付の型と口数を選択する

国民年金基金に加入し、年金給付の型と口数を選択する場合、以下の点にも留意する必要があります。

■1.掛金の上限は1ヵ月68,000円まで
掛金の上限は原則1ヵ月で68,000円です。ただし、個人型の確定拠出年金に加入している場合は、確定拠出年金の掛金と合算して1ヵ月68,000円までとなります。

■2.終身年金の支給額が確定年金の支給額を上回ること
年金給付の型を組み合わせる場合、終身年金であるA・B型の年金支給額の合計が、確定年金であるI~V型の年金支給額を上回る組み合わせとなるとようにしなければなりません(「確定年金」についての解説は、国民年金基金のホームページをご覧ください)。

■3.掛金の変更はできるが、制約あり
加入後、掛金を口数単位で増額したり減額したりすることができますが、増口は1年度内に1回のみとなります。また、1口目を減額して掛金を0にすることはできません。

国民年金基金に加入する場合、地域型に加入したいときは住んでいる都道府県の国民年金基金、職能型に加入したいときは各職能型基金に申し出て手続きをします。それぞれの基金の連絡先は国民年金基金のホームページで確認することができます。
 

国民年金基金の税制メリット

なお、国民年金基金には税制上のメリットがあります。国民年金基金の掛金は、公的年金と同様、負担した全額が社会保険料控除として所得控除を受けることができます。

民間の個人年金保険の保険料は、最大で5万円(平成24年1月以降に契約した個人年金保険は最大で4万円)が所得控除の対象となるため、この点では国民年金基金のほうが高い節税効果があります。また、国民年金基金から支給される老齢給付も、公的年金と同様、公的年金等控除を差し引いた金額が雑所得として課税されます。

実際に、これらの節税効果がどの程度のものなのか、事例を使って確認してみましょう。
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