給湯器・床暖房・空調/給湯器・給湯システム

ガス給湯器の種類と特徴&知っておきたい基礎知識

快適な暮らしのために、欠かせない設備機器のひとつが給湯器(給湯システム)。ここでは、馴染みのあるガス給湯器の種類と特徴、選ぶ前に知っておきたい基礎知識をまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

給湯器(システム)にはさまざまな種類がある

お湯を快適に使用できることは重要なポイント

お湯を快適に使うことができるように、暮らしに適した機器を選ぶことは、住まいづくりの中でも重要なポイント

キッチンや洗面、バスルームなどで毎日使うお湯。お湯が出なければ、快適な暮らしを営むことは難しいでしょう。お湯をつくりだすために欠かせない設備機器である給湯器(給湯システム)には、さまざまな種類があります。

電気を熱源としたエコキュートや電気温水器、石油を用いる商品としてはエコフィールなど。ガスを用いたタイプには、スタンダードなガス給湯器、高効率なガス給湯器であるエコジョーズ、ガス発電・給湯暖房システムのエコウィル、家庭用燃料電池のエネファームなどが揃っています。

馴染みのあるガスの給湯器にも、機能や性能によって、いくつかの種類があり、それぞれ特徴があるので、家族構成やライフスタイルに適したタイプを取り入れることが大切でしょう。

ガス給湯器は、暖房風呂給湯器、風呂給湯器、給湯器などに分けられる

給湯器(給湯システム)の給湯方式には、瞬間式と貯湯式がありますが、一般的なガス給湯器は瞬間式。水栓をあけると同時にバーナーが着火、燃焼し、水を熱して、瞬間的にお湯を作り出す方式です。使う時に必要な量のお湯を沸かすタイプなので、本体そのものが比較的小さく、設置スペースをあまり必要としないのがメリットでしょう。

ガス給湯器の種類には、暖房風呂給湯器、風呂給湯器、給湯(専用)器などがあります。

■暖房風呂給湯器(給湯暖房熱源機)
1台で給湯とお風呂沸かし、追い焚きの機能だけでなく、ガス温水床暖房や浴室暖房乾燥機、ミストサウナなどを取り付けることができるタイプ。お風呂を使用していても、キッチンや洗面に給湯が可能です。

■風呂給湯器
1台で給湯とお風呂沸かし、追い焚きの機能を備えたタイプのこと。お風呂を使用していても、キッチンや洗面に給湯することができます。

■給湯(専用)器
1台でキッチンや洗面に給湯可能、浴槽にお湯を貯めることもできますが追い焚きはできません。設定したお湯の量で止める機能の付いたタイプもあります。

■風呂がま

浴槽に貯めた水から沸かすものです。

設置方法でもいくつかのタイプが揃う

設置の方法によっても分類することができます。一戸建てと集合住宅などに合わせたタイプがありますが、一戸建ての場合の屋外設置では、壁掛式や床置(据え置き)式、浴槽に隣接させて設置するタイプなども。また、屋内では、壁掛けや浴室内設置のものなどがあります。

敷地条件や間取りプランなどに合わせて選択することになりますが、住まい全体のプランニングと同時に早めに検討することが大切です。

省エネルギー、環境にも優しい高効率のエコジョーズも一般的に

undefined壁掛け式のエコジョーズ。限られたスペースでもすっきりと設置可能

壁掛け式のエコジョーズ。限られたスペースでもすっきりと設置可能

暮らしや住まいづくりの中で、エコロジーは重要なキーワードです。暖房風呂給湯器や風呂給湯器、給湯器も環境に配慮した機器の開発は進んでおり、スタンダードな給湯器のほかに、潜熱回収型で熱効率を高めた省エネルギータイプ(エコジョーズ)が揃っています。

エコジョーズの特徴は、従来のガス給湯器では排気ロスとなっていた潜熱(水蒸気として大気に放出されていた熱)を回収できるため、約80%が限界だった給湯熱効率を95%までに高めることが可能なこと。高効率のため使用するガスの量が減少し、CO2の排出量も削減、環境にもやさしいこと。また、ガス代の節約にもなることも魅力でしょう。

省エネルギーに貢献するエコジョーズの設置に対して、自治体の中には、補助金制度を設けているところもあるので、事前に設置する自治体に、条件などの確認すること。また、エコジョーズを設置すると、ガス会社によっては「家庭用高効率給湯器契約」など、ガス料金がお得なプランを用意しているケースも。契約予定のガス会社に問い合わせてみるといいでしょう。

その他、湯温の安定や湯量の調節、静音などの品質基準を満たした給湯器には、「Q21(クオリティ21)」マークが付いているので、合わせて確認しておきましょう。

給湯の能力は号数で表現される。4人家族な24号で

ガス給湯器は、給湯能力によってお湯を貯める時間やシャワーの圧力に違いが出ます。給湯能力は号数で表され、1号は「1リットルの水の水温を、1分間に25度上昇させる能力」のこと。たとえば、20リットルの水の水温を、1分間に25度上昇できる20号であれば、キッチンと浴室など2カ所同時に給湯が可能ですが、寒い時期は少しお湯の出が細くなる場合も。24号は、水温が低い時期でも2~3カ所同時に使うことができるでしょう。

ライフスタイルにもよりますが、一般的に、ふたり家族であれば20号、4人家族であれば24号が目安といえるでしょう。

全自動(フルオート)と自動(オート)など給湯機能がポイント

暖房風呂給湯器や風呂給湯器には、キッチンや洗面室などへの給湯に加え、お風呂の自動お湯はり、自動保温、自動足し湯、追い焚き機能など、さまざまな機能があります。

搭載機能によって、自動(オート・セミオート)、全自動(フルオート)タイプなどに分かれ、一般的に自動タイプは、自動的にお湯をはり、設定した水位(湯量)で停止、自動追い焚き、設定温度で保温。全自動タイプは、これらに自動足し湯機能がついたものです。排水の際に配管をきれいにする機能などがついている商品もみられます。

操作リモコンの使い勝手も高まり多機能に

操作するリモコンの使い勝手やデザイン性もアップしています。運転の入切はもちろん、お湯はりや追い焚きの自動スイッチなどが分かりやすく表示されているタイプが増えています。

また、便利な機能としては、メロディと音声で知らせる機能、予約タイマーや呼び出し機能、キッチンと浴室間の通話が可能なものも。半身浴に合わせた水位や温度、BGMなどを聞くことができるタイプ、エネルギーの使節約状況などを示してくれるタイプもあります。

ランニングコストも考慮して検討を

一般的に給湯能力や機能が高いタイプほど価格は高めですが、給湯器は快適な毎日に大きく関わる大切な設備機器。予算やライフスタイル、使用するお湯の量や使い方などトータルに考えて選ぶようにしたいものです。選ぶ際には、組み合わせる設備機器(床暖房やミストサウナなど)、取り入れたい機能や性能など優先順位も明確にしておくこと。現在だけでなく、ある程度、将来の生活パター ンを予測しておくことも必要でしょう。また、エコジョーズに限ったことではありませんが、給湯器や給湯システムを選ぶ場合には、イニシャルコストだけでなくランニングコストを含めて、トータルで検討することが重要なポイントです。

新築やリフォームの際、給湯器(システム)のプランニングは、設計担当者の提案された商品から、決定する場合が多くみらますが、可能であれば、事前にガス会社や水まわりメーカーのショールームなどで、実物を確認し、リモコンの操作方法や性能、機能について説明を受けておくことをおすすめします。


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