低迷する!? 都心のマンション市場

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震災後も即日完売している物件が現れ、また初月契約率が急降下もしていないことから、新築マンション市場は好調だとする見方がある。事実に基づいた意見で間違ってはいないだろう。たしかに震災の影響を受けていない、もっといえば震災前より来場が増えたような現場が実際あるとも聞く。

しかし、それはいろんな現況をすべて加味した見方だというふうには捉えがたい。というのも、目に見えて好調な物件には、「高台」、「低層」、「免震」など震災の影響を受けにくい要素が集まったものが多いと思うからだ。さらに分譲マンションの売り方はある程度見込み客がたまった段階で登録スケジュールを設定することが少なくなく、「震災後も集客が衰えなかった物件群だからこそ」の高い契約率だと推測することができる。

問題はこれから1~2年、どの物件もこれまで同様に売れていくかどうかである。震災を受けて、防災の仕様を見直したデベロッパーも少なくないが、その施策が顧客に受け入れられるかどうか、不安を解消することができるかどうか。その答えが出るのはもうしばらく時間を要する。

液状化被害の認定基準が改定に

液状化被害

液状化被害

ここ数年、都心のマンション市場を牽引してきたなかのひとつに、湾岸エリアのタワーマンションが挙げられる。都心近接の割には価格がリーズナブルで、部屋からの眺望も素晴らしい。新しいライフスタイルの提案である。しかし、これがいま、地震の不安に押されてしまっているようだ。

支持層まで基礎杭を打つ鉄筋コンクリート造のマンションは液状化による不同沈下などで傾くことが考え難く、一戸建てよりも被害を受けにくいとされている。しかし、建物は大丈夫でも地域のライフラインの寸断などがこの度の震災ではクローズアップされた。

東京都では「液状化予測マップ」を来年度中に作り直すとしており、また液状化対策もこれから方針と具体策を策定していくと「東京緊急対策2011」で宣言。つまり、液状化不安への解消は、いまのところ物件を販売するデベロッパーだけではどうにもならない段階なのである。

今回の未曾有の被害への対処が、まだ試行錯誤の過程にあることを象徴したのは「地震保険における液状化被害の認定基準の見直し」である。これまで全損の基準だった3度の傾きが1度に。基準の定まっていなかった沈下は30cmと決められたのだが、この発表があったのは6月24日。震災からじつに3ヵ月半を経過したあとだった。