女性の薄毛・抜け毛/女性の抜け毛・薄毛の原因

汗が薄毛や抜け毛を進行? 猛暑を乗りきるヘアケア

暑い夏、汗をかきやすい女性は薄毛・抜け毛を進行させる可能性が高いことをご存知でしょうか。今回は、汗が出る汗孔(かんこう)と毛穴の違い、汗が髪と頭皮に与える悪影響について解説します。猛暑を乗り切るヘアケア法も紹介しますので是非参考にしてみてくださいね。

執筆者:All About 編集部

汗かきは薄毛や抜け毛を進行させる? ヘアケア対策

汗が薄毛や抜け毛を進行する?

暑い時期に気になる汗が薄毛を進行させる……?

暑い夏、汗をかきやすい女性は薄毛を進行させる可能性が高いことをご存知でしょうか。「えっ? 毛穴から汗が出て、髪がするっと抜けてしまうの!?」──いえいえ、そうではありません。

今回は、汗が出る汗孔(かんこう)と毛穴の違い、汗が髪と頭皮に与える悪影響について解説します。猛暑を乗り切るヘアケア法も紹介。
 
<目次>

汗は毛穴から出ない!

ご存知の通り、ヒトは汗をかくことで体温を一定に保っています。当然、頭皮からも汗が出ます。勘違いしている方が多いのですが、汗は毛穴から出ているわけではなく、汗孔という別の場所から出ています。よく「脂っこいものを食べると、毛穴から脂汗が出る」と言われますが、これはウソ。汗は汗孔から、皮脂は毛穴から出ています。
毛穴と汗孔の違いについて

毛穴と汗孔の違いについて

汗孔は毛穴よりも高い位置(皮丘)にあるため、汗は毛穴に向かって流れて、毛穴にどんどんたまっていきます。皮膚表面の角質層が汗でふやけて汗孔や毛穴をふさぎ、汗が皮膚の表面に出にくくなって、皮膚の中にたまってしまいます。それが原因で皮膚の内部で炎症を起こし、湿疹やかゆみを引き起こす原因となります。いわゆる「あせも」もこれに該当します。これらの症状は、ふやけた角質層を水で洗い流すことで予防できます。

皮膚は正常な場合、ph5.2~5.8の弱酸性に保たれていて、細菌や真菌、緑膿菌などの繁殖を防いでいます。汗をかくことで酸性が薄まり、菌が繁殖しやすい環境になります。また、汗は水溶性ですが、毛穴から出た皮脂と混ざり合い、水分のみが蒸発して脂性の汚れに変化します。さらに、ほこりなどと混ざり合って酸化して固くなり、角栓様物質に変化して毛穴が詰まってしまいます。すると皮脂が毛穴にたまり、抜け毛・薄毛の原因となる、頭皮トラブルを引き起こします。

このように、汗をかきやすい女性が薄毛を進行させる可能性が高い理由は、汗によって頭皮が炎症を起こしたり、菌が繁殖したりして、抜け毛を引き起こす原因となっているというわけです。汗と一緒に毛髪がするっと抜けるわけではありません。
 

頭皮のにおい、汗のせいではない!?

汗をかくと、頭皮のにおいが気になる女性も多いことと思います。実はこれ、汗そのものがにおうわけではなく、皮脂が細菌により分解されて、においを発しています。頭皮には、皮脂が出る皮脂腺が多いのが原因です。1平方センチメートル当たり、頭皮は144~192個、小鼻は96~102個、わきの下は19~55個といわれています。頭皮には小鼻の1.5~2倍もの皮脂腺があるのですから、においが気になるのは当然ですね。また、頭皮は外気にさらされていて、太陽光線に当たって酸化することで、においが倍増します。

とはいえ、ヒトは汗をかいて体温を調整するため、汗が出るのは仕方がないこと。大切なのは、汗をかいた後の対処です。次ページでは、汗をかいた後の対処法について紹介します。

猛暑を乗り切るためのヘアケアのコツも合わせて紹介。
 

頭皮の汗への対処法

猛暑を乗り切るためのヘアケアのヒントを紹介

猛暑を乗り切るためのヘアケアのヒントを紹介

では、頭皮に汗をかいた後、どのように対処すればよいのでしょうか。次のようなことを試してみてください。
 

首の回りを冷やす

汗は体温調節のための身体の反応ですので、無理に抑えるのは身体によくありません。「わきの下などに利用する制汗スプレーを頭部に使っても良いでしょうか?」という質問を受けますが、「使わないほうがよいでしょう」と答えています。ただし、首の回りは体温が高いため、ここを冷やせば汗を抑えられるでしょう。熱中症対策として発売されている、首を冷やすタオルやバンダナなどを使うのがおすすめです。
 

できるだけ早く汗を流

シャンプーは1日1回。それ以外はお湯で流しましょう

シャンプーは1日1回。それ以外はお湯で流しましょう

汗をかいた後は、できるだけ早く洗い流してください。そのままにしておくと水分だけが蒸発し、汗の塩分や皮脂汚れがそのまま頭皮に残ってしまいます。

とはいえ、1日に何度もシャンプーを使うと頭皮に必要な皮脂を洗い流してしまいます。シャンプーを使うのは1日1回にして、それ以外に頭部を洗いたい場合はお湯で流すだけにしましょう。

ちなみに、男性用の涼感シャンプーを女性が使っても問題ありません。暑い時期は、メントールやミント、ハッカなどが入った涼感シャンプーを使うと、頭部がさわやかに感じます。ただ、涼感シャンプーは短時間で「洗った感」を感じやすいため、通常のシャンプー同様、しっかりと頭皮を洗うことが大切です。

参考記事:ヘアケアの基本「シャンプー」にこだわりを
 

ぬるま湯を使う

頭部を洗う場合は、いつもよりもぬるめのお湯にすると、頭皮の汗を抑えられるでしょう。「水の方が冷たくて気持ちいい」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、水だと温度が低すぎて、シャンプーや皮脂汚れをきれいに洗い流すことができません。
 

冷風でブローする

ドライヤーの冷風機能を使えば、暑くないうえ、節電効果も

ドライヤーの冷風機能を使えば、暑くないうえ、節電効果も

ドライヤーに冷風機能がある場合は、そちらを使うことをおすすめします。汗を抑えられるうえ、髪にツヤが戻ります。冷風は温風よりも消費電力が少ないため、節電にもつながります。

シャンプー後は、髪をタオルではさんで手のひらでトントンとたたくようにして、よくタオルドライします。ゴシゴシとこするようにするのはNG。髪の水気をよく切ってからドライヤーをかけるとドライヤーが短時間ですみます。
 

夏野菜を摂る

夏が旬の野菜(ナス、トマト、キュウリ、スイカなど)は、身体を冷やす効果があるといわれています。身体の熱をとるためには、それらの野菜を食べるのがおすすめです。
 

シャワーですませず、バスタブにつかる

バスタブにつかり、しっかり汗をかきましょう

バスタブにつかり、しっかり汗をかきましょう

バスタブにつかると「余計に汗が出るのでは?」と思われがちですが、身体にたまった熱をとるには効果的。40℃前後のお湯をはったバスタブにつかって身体を芯から温めて、しっかりと汗を流すことが大切です。

バスタブにつかることは、クーラーで冷えた身体を温める効果、衰えた(=うまく汗をかけない)汗腺を鍛える効果も期待できます。上手に汗をかけるようになれば、すばやく身体の熱を放出でき、ダラダラと汗をかくことはないそうです。
 

頭皮を徹底的にきれいにする

気になる頭皮のにおいを抑えるには、頭皮を徹底的にきれいにするのがおすすめ。月に1回程度、サロンで頭皮の状態をチェックし、きれいにしておくと、頭皮トラブルを未然に防ぐこともできるでしょう。

参考記事:スペシャルサロンで体験!夏髪ダメージケア

いかがでしょうか。猛暑を少しでもさわやかに乗り切るための、ヘアケアのヒントを紹介しました。ぜひ試してみてください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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