メジャー処女喪失

ガイド:
遂にこんな日がやって来るとは・・・アーバンギャルドがメジャーからデビュー! 苦節○○年、メジャーデビューする地方出身のアイドルにかけるような言葉ですが、おめでとうございます!

urbangarde

アーバンギャルド


浜崎:
せんせ~~ありがとうございますう~(涙)! 先生をはじめ、お世話になった方々にやっと少しだけ恩返しできたような気持ちです。

松永:
All Aboutでは浜崎加入時から取り上げて頂いてますから、遂に、という感じですよね。可愛かった娘がお嫁に行っちゃう感じでしょうか?メジャー処女を喪失し、代わりにかけがえのない何かを得たような、今日この頃です。

ガイド:
僕だけでなくインディー時代からのアーバンのファンが危惧しているかと思うのですが、メジャーデビューしてアーバンの批評性が弱まるのではないかと・・・嬉しいながらもちょっと心配です。あ、でも、僕のインタヴューを受けてもらえるくらいですから、大丈夫なのかと(笑)。

松永:
現アーバンギャルドが初めてリリースしたシングルのタイトルは『修正主義者』でした。例えモザイクで修正されようとも、血の赤さや思春期の痛さを伝えようとするのが我々の固持するスタンスです。見えそうで見えないスカートの向こう側みたいに、チラリズムする地獄の季節を描きたいんです。

浜崎:
先生のインタヴューは、先生が嫌だというまで受け続けます!
私、人の心はころころ変わっていってよいと思うのです。その中でインディーズであろうとメジャーであろうと絶対的に変わらない信念というのは「良い作品を作る」という事のみです。アーバンと言えば過激な表現、と良く言われますが我々は特別に過激派でもなんでもないし、その時々に挑戦してみたいという音楽や表現を作品にしていったつもりです。その結果、メジャーというフィールドに立たせて頂けると言うことはとても嬉しいことです。

ユニバーサルに行きたい!

ガイド:
ユニバーサルからデビューすることになった経緯をもし出来れば、ここだけの話として教えてください(笑)。

松永:
やはり、昨年の秋に開催した赤坂ブリッツワンマンがターニングポイントでしたね。アンコールでPV「セーラー服を脱がないで」を再現するかのごとく、セーラー服の浜崎と巨大キューピーが流血しながらの立ち回りを演じたんです。「おや?赤坂ブリッツで血まみれになりながらライヴをやっているバンドがいるぞ」そこでユニバーサルの担当にマークされた訳ですね。十年前ならいざ知らず、現代日本社会においては心の闇(病み)もカジュアルであり、或る意味ユニバーサル(普遍的)ですらあるということでしょう。

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赤坂ブリッツ・ライヴ


浜崎:
お話を頂いてから、本当に物事が進んでいくときはトントンといくのだな、と身をもって実感するぐらいにスピーディに色々な事が決定して現在に至ります。

ここだけの話ですが。実はユニバーサルさんには昔すこーしだけご縁がありまして、その時から個人的にユニバーサルに行きたい!と思っていたのでお話を頂いたときは本当に驚きました。

ガイド:
「ユニバーサルに行きたい」って、よこたんが言うとユニバーサルスタジオに聞こえます。

浜崎:
ユニバーサルさんは、それまで完全にノーマークだったので。長年の片思いが想い続けて遂に実ってしまったような気持ちです。

ガイド:
ユニバーサルと言えば、t.A.T.u.とレーベルメイトですね。あ、もう、解散しちゃいましたが。

松永:
しかしながらLady GagaやQueenがいます。バイクになった僕を浜崎が乗り回しながら歌い踊る日も遠くないでしょう。

浜崎:
想像しただけで鳥肌が立ちました。乗りたくない乗り物No.1に決定です。

イチゴが邪魔!
 

ガイド:
では、メジャーデビュー記念シングルとなった『スカート革命』(PV「スカート革命」)についてお聞きします。PVでは、よこたんのサーヴィス・ショットも多いですね。でも、イチゴが邪魔です。これは無修正版を出す予定はないのですか?

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スカート革命


松永:
無修正版を視聴する方法はひとつだけあって、各々頭の中のテレビのスイッチを入れる。

浜崎:
第三の目で見ることが出来ます!<●><●>カッ

松永:
ちなみに僕も普段、イチゴを透視しながら見ています。イチゴで隠されている場所は、いうなれば、魂の墓場ですね。

浜崎:
あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ、という意味ではイチゴは必要不可欠なのです。松永さんはそこのギザギザの石の上で正座して重い石を抱いていて下さい。

ガイド:
戦争反対、中絶反対(避妊反対は意味不明です)は分かりますが、メジャーデビュー反対のプラカードを掲げるところがやっぱりアーバンだなぁ~と(笑)。

urbangarde

アーバンギャルド


松永:
テクノポップというスタンスは政治的にも反体制であり続けるのです。産業ロックにも、J-ポップにもなりきれない、シニカルであり続ける存在。プラカードに書かれたプロパガンダは着床できなかった精子たちの嘆きであり、スカーレットの誓いを果たせなかったプロレタリアートたちの遺言です。我々が望むのは無血革命ならぬ夢精革命であり、概念の処女性を遅延させながら革命を遂行させることですが、ベルリンの壁は、ゴムの壁は、突き崩すしか術がない。そこに矛盾が生じ、革命は永久に失敗し続けるのです。

アーバンの処女性

ガイド:
テーマとしては、やはり少女の目線からの世界観。松永さんが作った世界はよこたんが歌う事で狂気には至らず、乙女の妄想化(よく言えば浄化)される。こんな構図が僕には見えるのですが、どうでしょう?

松永:
浄化は処女性に因るものでしょう。アーバンギャルドは美醜の価値を並列し、時に転倒させるのが我々のテーブルマナーですが、戦場に白い旗を立てる沖縄の少女のように、地獄の日常に一輪の花を咲かせる浜崎という存在によって、アーバンギャルドの音楽は音楽として成立できる。都市の雑踏が色づき、少女の夢想としてパッケージされるのです。

浜崎:
アーバンの世界観というものは、女性なら皆一度は体験するような葛藤や苦悩や、喜びや妄想の産物だと思っています。誰かに憧れてその人になりたいけど、なれないことは既に分かっている、それでもその人のことを思う時が幸せだったり…その矛盾が狂気に至らないギリギリの切ない感情を掻き立てていると思っています。その一部に成れているならば光栄です。

ガイド:
アーバンらしい混沌とした分裂気味なサウンドですが、芯はとってもポップですね。ちょっと大瀧詠一していたり。

松永:
イーーーーーチ、タイム!!! 実はシティポップスも結構好きなんです。湾岸系の風ですね。
アドバイザリープロデューサーであるホッピー神山さんの手によりストリングスや鐘の音が加えられたことで、桃色めいたサウンドにパリ革命前夜のような緊張感が一筋流れました。処女が初めて流す、一筋の血ですね。

浜崎:
先日別件のインタヴューを受けたときに「統合失調症のようなサウンド」と評されたのですが、まさにその通りだなと妙に納得してしまいました。全ての場面展開でまるで別人のようなサウンド構築がされているのにポップというのがアーバンらしさなのではないかと。

やっぱりテクノポップ

ガイド:
カップリングの「プラモデル」は“トラウマテクノポップ・バンド”の名前に恥じない少し懐かしげなテクノポップが織り込まれていますね。アーバンはおしゃれなエレクトロではなくやっぱりテクノポップだなぁと。はい、もちろん好きですけど。

浜崎:
ありがとうございます。今までYMO直系のような80’sテクノポップを意外にも作ってこなかったな、と。そういった挑戦をメジャー一作目でさせて頂けるのは本当に恵まれていると思います。「アーバンはおしゃれなエレクトロではなくやはりテクノポップ」は最高の褒め言葉です。

松永:
A面の「スカート革命」が今までのアーバンギャルドらしさを昇華した作品であるとすれば、B面は我々なりにヴィンテージ・テクノポップを昇華した作品となりました。イエローマジックが有効だった時代、極東アジアに吹きだまったハイテクノロジーかつオリエントな風を感じて下さい。

urbangarde

アーバンギャルド


少女の王国

ガイド:
この所のアーバンの公演は僕が行ったのだけでも、全部満員だったと思います。客層もほんとに若い子からいい大人まで。世の中がアーバンのような得体の知れないものを求めているのではないかと。

松永:
それこそ浜崎加入直後は僕の頭の中にしかなかった月の裏側にある「少女の王国」が、三次元化したというおぼろげな実感はありますね。時代は初音ミクで、三次元から二次元に吸い込まれていく音楽の潮流に逆らうかのように、どう考えても物語の中、二次元の紙の上にしかなかった世界が、今ではアーバンギャルドのライヴにおいて実現している。感慨深いです。

浜崎:
最近のライヴは、我々ステージの上の演者と、完全に「躁」状態のお客様達とのその得体の知れない悶々とした何かのぶつかり合いのようなものを感じます。そのうち超巨大な元気球が出来上がっちゃうんじゃないかと思うくらいに。

live

ライヴ


目指せジャパンエキスポ!

ガイド:
最近、いろんな国、特に音楽大国ではなく、音楽辺境地のポップミュージックを考察する事を僕は趣味にしているのですが、アーバンのようなバンドは日本にしかいません(断言)。他の国にも変なバンドやエキセントリックな人達はいるんですが、アーバンには日本独自の文化を感じます。フレンチ系を自負しているよこたんには悪いですけど(笑)。ガーリーですけど、アーバンは日本の真面目だけどちょっと歪んだ部分を象徴していると思います。

松永:
日本のポップさって、ちょっと過剰だったり病的だったりするんですよね。グロかわいいなんて言いますけど、奇形愛玩スレスレの美意識がある。アーバンギャルドが提示する美醜混ぜこぜの表現自体が、案外ジャパネスクなのかもしれませんね。
ユニバーサルさんの力で、我々アーバンギャルドも来年のジャパンエキスポには出席していることでしょう。

浜崎:
ぐすん。どんなにここをフランスだと思っても、やはり私は日本人であって、おそらくパリ症候群に一番にかかってしまうような女の子だけど、それがアーバンギャルドだと思うんですよね。あんまり上手な言葉で表現できないけど、そういった感情を誰しも持ち合わせていると信じてます。

鬱フェスと革命ツアー

ガイド:
では、最後にプロパガンダ的に今後の活動予定を教えてください。

松永:
8月に夏フェスならぬ鬱フェスを開催します。こちらはFLOPPYの小林写楽さんによる新バンド、野宮真貴さんの新ユニットなども登場する2DAYS企画ですね。

■アーバンギャルドの鬱フェス!
8月10日(水)・8月11日(木) (2DAYS公演)
場所:渋谷club asia

◇8/10 w/GalapagosS
DJ:RAVEMAN (from オーラルヴァンパイア)

◇8/11 w/Special guest:“LOOKER”野宮真貴(ex.ピチカート・ファイヴ)
DJ:Dr.Usui aka MOTOCOMPO

そして9月には、アーバンギャルドの革命ツアーも開催します。

■アーバンギャルドの革命ツアー
9/ 6(火)名古屋 ell.FITSALL(ワンマン)
9/ 7(水)大阪 RUIDO(ワンマン)
9/18(日)東京 Shibuya O-EAST
「革命ツアー~in ミュージックDNAトーキョー2011~」

くわしくはアーバンギャルドのホームページまで。
君と僕とで革命するぞ!


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