いち早くブランド化された由緒ある筆記具

ブランド名の由来にもなった、ペリカンの母子をモチーフにしたギュンター・ワグナー家の家紋
当初はインクを中心に展開し、1929年にようやく筆記具の製造を開始。後に「モデル100」と名付けられる初期型の万年筆は、“ピストン吸入式機構”、“14金ペン先”といった現在の「スーベレーン」シリーズの特徴をすでに網羅し、“安全万年筆”として知られることとなった。同じく1929年には、インクの残量が見やすい「透明ペリカン万年筆」も販売。技術的に先を行くことで、多くの人の支持を集めた。
1958年には「モデルP1」シリーズが登場。ペン先を完全に覆うサーマル・インク・フィードがインクのボタ落ち問題を飛躍的に改善した。そして1980年代に入ると、クラシックなモデルのデザインを踏襲しながらインクフィードやメカニズムを続々と投入。“ピストン吸入機構”を備えたクラシックな「スーべレーン」シリーズと並行して、“インクカートリッジシステム”を採用したモダンな万年筆もラインナップし、ペリカンの地位は揺るぎないものとなった。
次のページでは、フラッグシップモデルのボールペンを紹介する。
誰でも胸に挿したくなるバランスが圧巻
ペリカンを代表するシリーズが「スーべレーン」。そのネーミングはドイツ語で、“優れもの”、“卓越した”などといった意味を持つ。全4種類のサイズ展開で、カラーバリエーションも豊富に取り揃い、あらゆる用途や好みに応じて使い分けることができる。象徴ともいえるストライプ模様は手作りで作られるため、1本ごとに異なる個性や風合いを宿している。今回ピックアップした「K600」は、「スーべレーン」の中でもオールマイティなモデル。太さ、長さ、重さに加え、価格帯も多くの人に違和感なくフィットするバランスになっている。また、ペリカンのくちばしの形をしたクリップはデザイン的なポイントであるだけでなく、ポケットへの着脱がスムーズで衣類を傷めにくい構造。ポケットに差した際には、コーディネイトのアクセントとして輝きを放ちます。
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