万年筆だけでなくボールペンでも紡いできた歴史

創業者、ジョージ・サッフォード・パーカー
有名なのは1945年の出来事。ミズーリ号の甲板上で交わされた太平洋戦争終結文書の調印に、マッカーサー総司令官がパーカーの万年筆「デュオフォールド オレンジ」を使用している。さらに1992年には、アメリカとロシアの間で締結された第二次戦略兵器削減条約(START 2)の予備条約調印の際にも、両国大統領が「デュオフォールド オレンジ」を使用した。
一方、初めて発売したボールペンは1945年の「ジョッター ボールペン」。そしてそのDNAは、今日のジョッターシリーズや各コレクションへと受け継がれていく。さらに1991年に行われたロナルド・レーガン大統領図書館のオープン記念式典では、歴代アメリカ合衆国大統領の平和貢献に敬意を表した特別なボールペンを作製。英国王室御用達(ロイヤル・ワラント)に認定されたこともある品質は、ボールペンにおいても認められている。ブランドのアイコンであるアロー(矢羽)クリップが付属している限り、クオリティの高さはお墨付きと言って良いだろう。
次のページでは、現在を象徴するボールペンを紹介する。
女性のためのピンクゴールドは男性にもとっても魅惑的
パーカーのベストセラーシリーズとして知られる「ソネット」は、1993年に発売されて以来、時代性を問わない洗練されたデザインと確固たる品質で人気を集めてきた。実はそんな「ソネット」から、パーカーとしては初めての女性向けコレクションが発表された。大きな特徴は、可憐なピンクゴールド。ただし、その上品でソフトな煌めきは、男性の心も捉えそうだ。いずれにしても日本人の肌に馴染みやすいカラーであり、ピンクゴールド一色のタイプに加え、パールホワイトやメタリックカラーを組み合わせたタイプもラインナップされている。新しい「ソネット」の素材や加工には最新の製法技術が採り入れられているが、18金のペン先による滑らかな書き心地はパーカーが培ってきた伝統を継承。ひたむきなクラフトマンシップが注入されている。そんな品質や機能性に加え、時計やジュエリーと同じようにファッションとマッチするデザイン性もプラスされたということは、これからのパーカーはますます目が離せない存在となったということだ。
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