特許技術がもたらす老舗メーカーの機能性

創業者、アロンゾ・タウンゼント・クロス
そして1916年、創業者のアロンゾは自らの引退とともに、販売担当および機械技師を務めていたウォルター・R・ボスの一族へと会社を売却した。クロスはそれを機にさらに洗練されたデザインを開発するようになり、彩りが美しい「オルライト」ラインなど、数々の傑作を世に送り出し続けた。
創業100周年を記念した「センチュリー ペンシル」のエレガントな形状と円錐台のキャップトップはクロスを象徴するデザインとなり、1953年に発表された「センチュリー ボールペン」は繰り出し式のメカニズムを採用した初めてのボールペンであり、“アメリカの筆記具を代表するモデル”とまで評された。そして1949年には「機構上永久保証制度」を導入。妥協しない職人魂の象徴として受け継がれている。
次のページでは、クロスの定番的な名モデルも紹介する。
世界初の繰り出し式ボールペンを踏襲する名品
デイビッド・G・ウォーレンが社長兼CEOに就任してロゴまで変更すると、クロスはライフスタイルアクセサリーブランドとして発展。グリップが変形するボールペン「モーフ」、手のひらサイズのジェルインクボールペン「クロス アイオン」、万年筆付きの多機能ペン「クロス マトリックス」、折りたたみ式の2色ペン「クロス バイス」など、それまでの枠を超えた画期的な筆記具を提案し続けた。そんなアイテム群の中でも、クロスの創業100周年を記念して1946年に生まれた「クロス クラシック センチュリー」シリーズは、伝統を受け継ぐ逸品と言える。最初に発売されてから半世紀以上を経た今でも、シンプルでエレガントな普遍的なスタイルはかなりの人気。書き味の良さもあって、ロングセラーとして世界中から支持され続けている。とくに“14金張”タイプは、ソフトなローズゴールドの輝きがボールペンとは思えない美しさを発揮。名前やロゴを彫刻・印刷・エンブレムで入れることも可能なので、贈り物としても重宝されている。
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