保険料は、原則年1回見直し!

社会保険料が改定される仕組みをしっかり押さえましょう

社会保険料が改定される仕組みをしっかり押さえましょう

企業の役員、従業員が加入している社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、入社時の報酬、給与によって保険料が決定されます。その他介護保険もありますが、健康保険の枠組みの中で保険料を徴収することになっています。

保険料は入社時に決定されたら以後変更がないのでしょうか。そんなことはありませんね。報酬、給与は、昇給(降給)等があるのが通常ですから、変動に応じて保険料が改定されます。

保険料は、原則年1回見直しをすることになっています。手続きは、給与計算と連動していますから、経営者、給与実務担当者が直接行っていることでしょう。会社を起業したばかりや、新任実務担当者の場合は、戸惑うことが多いと思います。本記事で原則的な仕組みを押えましょう。

毎年、4~6月の3ヶ月の給与額の届出(定時決定)

社会保険料は、従業員が企業から受ける給与(社会保険では正式には「報酬」といいますが、本記事では給与と記載します)を基に計算します。給与は従業員ごとに異なりますし、残業等があると毎月の給与額も変動します。毎月その変動した給与に応じて計算するとなるとかなり手間がかかります。

そうした手間を簡素化するため社会保険では、給与についてはある一定幅の枠を決めて計算しています。枠内の給与であれば、同じ等級となり同じ社会保険料としています。等級ごとの仮の給与を決めるために、毎年一定時期に4~6月の給与額を届け出て、仮の給与の見直しをしているのです。

仮の給与のことを、「標準報酬月額」と言います。具体的には実際の保険料額表(例:東京都 きょうかい健保)をご覧下さい。表中の「報酬月額」は、4~6月の給与月額の平均額のことです。幅がありますね。この幅内であれば、同じ等級になり同じ「標準報酬月額」になるわけです。右に目を移していくと対応した保険料がいくらになるか確認することができます。

■届出時期
毎年7月1日から7月10日の間に届け出ます。窓口への届出以外に、郵送、磁気媒体や電子申請による届出もできるようになっています。

■届出先
加入している健康保険によって届出先が変わります。

  • 全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)の場合は、所轄年金事務所
  • 組合管掌健康保険(健康保険組合)の場合は、所轄年金事務所と健康保険組合

組合管掌健康保険では、厚生年金は年金事務所。健康保険では健康保険組合の2ヶ所になります。なお厚生年金基金に加入している企業の場合は、厚生年金基金にも届けが必要です。

■届出する給与額
毎年4月、5月、6月の3ヶ月の給与を届け出ます。給与といっても基本給もあれば各種手当等もありますね。企業によっては、食事、住宅、通勤定期券を現物支給していることもあったりします。何を届け出なければならないのでしょうか?次で確認してみましょう。
 

「労働の対償」としての給与を届け出!

基本給、手当以外に現物支給の通勤定期券なども届出ます

基本給、手当以外に現物支給の通勤定期券等も届出ます

労働の対償として支払われるものは全て届け出ることになっています。労働の対償であれば、前記の基本給、各種手当、現物支給の食事・住宅・通勤定期券等も全て届け出ることになっているのです(ただし、一定の条件あり)。対償というとピンときませんね。要は、純粋に仕事をしたことによる給与ということです。

次に記載したものは届け出る必要はありませんので注意しておきましょう。
  • 恩恵的に支給されるもの(結婚祝い金、病気見舞金等)
  • 臨時に受けるもの(大入り袋等)
  • 実費弁償的なもの(出張旅費等)
  • 保険給付として支給されるもの(健康保険の傷病手当金等)
  • 年3回以下の賞与等
見てみるとなるほど、給与というより任意的、恩恵的なものなので届出は必要ないのです。これらを基礎にして保険料が決まるのには、違和感がありますね。

■年3回以下の賞与には、別書式の届出あり!
ただし年3回以下の賞与等は注意してください。賞与を支給している企業では、年3回以下の支給としているケースが多いようです。支給した場合には、4~6月の給与額の届出とは別に、「賞与支払届」という書式の届出があります。支払った賞与額を届け出ることによって、支給した賞与額に応じた保険料を支払うことになっているのです。

このように、4~6月の給与額届出と賞与額の届出の2本立てによって、保険料が決まっていくのです。

次のページでは、年4回以上支給された賞与の取扱いの解説をしています。