いすみ鉄道の旧国鉄 観光列車

いすみ鉄道キハ52の観光列車

いすみ鉄道キハ52の観光列車

レトロなサボ(行き先表示板)

レトロなサボ(行き先表示板)

2011年4月29日(金)から、千葉県の第三セクターいすみ鉄道で観光急行列車が走り始めた。車両は往年の旧国鉄型ディーゼルカーであるキハ52形125号車。

JR西日本から譲り受けた年季の入った車両で、塗装もかつての懐かしい朱色とクリーム色のツートンカラーに塗り替えてのリバイバルデビューである。いすみ鉄道は、かつて国鉄木原線だったので、これは昭和の懐かしい鉄道情景を再現する列車である。

観光鉄道としての脱皮を図る千葉県のいすみ鉄道

いすみ鉄道を走るレールバス

普段いすみ鉄道を走るレールバス

いすみ鉄道は、JR外房線の大原から分岐し、房総の小江戸と言われる大多喜を経て上総中野に至る全長30kmたらずのローカル線だ。上総中野ではJR内房線五井から分岐する小湊鉄道と接続しているので、房総横断鉄道の一部を成してはいるが、接続列車の本数が少ないので、横断ルートは決して便利とはいえない。

いすみ鉄道沿線は、一般に知られるメジャーな観光地がないので、観光路線というよりは高校生の通学など地域輸送がメインである。しかし、ご多分に漏れず過疎化が進行し、赤字続きで何度も廃止が噂されてきた。

JR大糸線時代のキハ52-125

JR大糸線時代のキハ52-125

近年、鉄道の活性化を図るため、社長の公募も行い、新しい体制のもと、沿線に菜の花を育てたり、車両にムーミンのイラストを描いたりと集客に努めてきた。そして、このたび、JR西日本の大糸線で活躍し、惜しまれながら引退したキハ52を導入し、ノスタルジック路線で話題つくりをして、鉄道ファンを中心にアピールしようと試みたものである。

普段は、小ぶりのレールバスのみが1~2両で走るいすみ鉄道にとって、普通サイズのキハ52は、存在感のある車両だ。昭和40年頃には、全国の国鉄ローカル線の至るところで走っていたタイプのディーゼルカー(キハ20系と呼ばれるキハ52を含めた同系統の車種)は、普通列車を中心に運行されていたので、往時を知るものには身近で懐かしい存在であろう。かつては、全国のどこででも見られたローカル線の鉄道情景。のどかな田園地帯を走る列車というのは、今となっては逆に貴重な存在とも言える。

次ページで、今では見られない車内のノスタルジックな設備をご紹介。