今回は、被災地以外の従業員のメンタルヘルスマネジメントについて説明します。被災地の従業員向けの対策記事「半年経っても要注意 被災従業員のメンタルケア」と併せてお読みください。

被災地以外の従業員のストレス

被災地以外の従業員のストレスケアも重要

被災地以外の従業員のストレスケアも重要

被災地以外の従業員のストレスも、かってないほどに高まっています。継続する余震、連日の放射能漏れに関するテレビ報道。関東以北の従業員は、おしなべて精神的にまいっていると考えてよいでしょう。

震災当日、首都圏では多くの帰宅困難者が生まれ、帰宅支援センター(一時避難所)への宿泊を余儀なくされました。その時の体験が原因でPTSD(心的外傷後ストレス障害)となり、今でもその時の状況がフラッシュバックされるという人もいます。

被災地から遠く離れた場所にいる従業員であっても、家族や親戚の方が被災者になっている場合や、震災で大きな被害が出たというだけで不安に立ちすくんでしまっている人もいます。

またボランテアで被災地に出かけていき、大きなショックを受けて帰ってきた人もいます。今回の震災は、被災地以外の人々にとってもストレスの原因になっています。

従業員のストレス反応の具体例

大きな事故や災害に遭遇すると、人の心と体に大きな変化が起きます。ストレスは心と体に影響を与え、それが思考や行動の変化として現れてきます。これは自然の反応で、時間の経過とともに軽減していきます。具体的には次のようなストレス反応が生じます。

■心
  • 不安や恐怖
  • 無力感や無感覚感
  • 集中力の低下・落ち着かない
  • イライラ・怒り
  • 気分の高揚や落ち込み
  • 自責の念(自分を責める、被災者への申し訳なさ)

■体
  • 疲労・食欲不振・頭痛・吐き気・めまい
  • 不眠
  • 音に対する過剰反応

■思考
  • 思考がまとまらず、混乱する
  • 何でもネガティブに考える

■行動
  • 能率低下、集中力の欠如、ミスの増加
  • アルコール・たばこへの依存
  • 対人関係でのトラブル
  • 対人接触の回避
  • 仕事への過度の没頭

ストレス反応が長引いている理由

ストレス反応は時間とともに軽減していき、いずれは消滅します。ストレス反応が長引いている理由については、「震災後、メンタル不調を高める従業員への心のケア」で解説しています。

しかしストレス反応が長引いているのはそれだけではないのです。ストレスへの対処方法に問題がある場合も、ストレス反応は尾を引きます。

次のページでは、ストレスへの間違った対処方法について解説します。