今、最も勢いのある輸入車ブランド

アウディ80

1909年創業のアウディ、1907年創業のDKW、1900年創業のホルヒにヴァンダラーを加えた4社が1932年に団結したアウトウニオンAGがアウディのはじまり。80は1972年に初代が登場、1995年にA4へと進化するまで4世代に渡って生産された

ここ数年で最も勢いのある輸入車ブランドといえばアウディだ。

実は以前、もう20年以上も前の話になるけれど、アウディ車がブームになったことがあった。赤い80が、ちょっと高級なワーゲンとして、もしくはヤナセ顧客の適切な奥様お嬢様カーとして、女性に大ウケしたものだった。あれほどの熱い盛り上がりには欠けるぶん、こんどの人気はモデル限定的ではなく、一過性のものでもない。欧米の事情と同様に、M・ベンツとBMWに並び立つプレミアムブランドとして、日本でも認められつつあるということだろう。

アウディの歴史を紐解くことは難しい。よく知られているように、シンボルマークの4つの銀輪は、4つのブランド(アウディ、ホルヒ、DKW、ヴァンダラー)が合わさってできた会社であることを意味する。4つの自動車メーカーが連合した会社というわけで、戦前にはアウトウニオンと称していた。

欧州での支持が高い、上級&高性能モデル

アウディA8

2010年にモデルチェンジを果たした、フラッグシップサルーンのA8。フルLEDヘッドライトが特徴的なエクステリアをもつ。ホイールベースを130mm延長したロングも用意され、国内での価格は945万~1290万円となる

戦後、一度はダイムラー傘下となるも、'60年代半ばよりVWグループへ。プレミアムセグメントを担いつつ、VWと技術開発を上手く棲み分けさせながら、現在に至る。4輪駆動のクワトロをはじめ、ASF(アウディスペースフレーム)やFSI(直噴ターボエンジン)、DSG(デュアルクラッチシステム)など、アウディによる開発案件も多い。

ヨーロッパにおけるアウディのブランドイメージは、非常に良好である。現代的、クリーンでモダン、オールマイティで高性能というイメージはお馴染みだが、日本とは違って、上級モデル(A6以上のクラス)への支持が非常に高いのも特徴だ。特に最上級のA8は、アルミニウム製ASFを採用するなど、最先端イメージも濃厚で、アウトバーンを疾走するビジネスマンやセレブリティに圧倒的な支持をえている。ドライビングに情熱的なイタリア(特に北部)では、高性能仕様のSやRSの人気が、地元勢を差し置いてとても高い。

お客が殺到してもおかしくない

アウディR8

2007年に登場したアウディ初のミッドシップスポーツカー、R8。4.2リッターV8と5.2リッターV10を搭載、V10モデルは0-100km/h加速3.9秒、最高速度316km/hを誇る。スパイダーもラインナップされ、価格は1649万~2194万円

日本でも、「ビーエム、ベンツはもう飽きた、何か別の“いい物”はないの?」、なんてときに選ばれるプレミアム・オルターナティブ(代替案)な存在からそろそろ抜け出し、“アウディが欲しい”と言われる存在になりつつあると思う。単なるVWの高級車ではなく、独自のテクノロジー(クワトロなど)を現代的でクリーンなスタイリングとインテリアで包み込んだ都会派のプレミアムドイツ車として認められるようになった。スーパーカーR8やデザイン性にも優れたTTといったモデルも、イメージアップに貢献している。

もちろん、そのファッション性の高さのようなもの(モデル単体のみならず店舗CIやマーケティング戦略までを含む)の影響が非常に大きいわけで、それゆえクルマ選びに関して非常にセンシティブな人が選ぶブランドになった。そのことがまた、ブランド性を高める。現在進行形で同時代的、しかも上昇機運にあるブランドには、お客が殺到してもおかしくない。