新築マンションのパンフレットを見ると、間取りプランや構造、水回り設備などのページに加えて「セキュリティ」関連のコーナーが独立して設けられているケースが珍しくありません。それだけセキュリティに対する購入希望者のニーズが高いうえに、関連システムやサービスが充実し、セールスポイントになっている現状を表しているといえるでしょう。

では、中古マンションのセキュリティ事情はどうなっているでしょうか。もともとマンションは、窓や出入り口の多い一戸建てに比べて、鍵ひとつで戸締りできて管理がしやすいことがメリットの一つ。意外に早い時期から、セキュリティへの関心は強かったといえます。

もちろん、新築についているような最先端の機器は望みにくいですが、時代を追うごとに少しずつ進化してきました。いつ頃、どんなセキュリティ関連の設備やサービスが登場してきたか、追いかけてみましょう。

築20年でも、オートロックは珍しくない

セキュリティに関わる設備として、もっとも一般的なのは「オートロック」でしょう。古いものは、1970年代の終わりくらいから80年代前半にかけて登場しています。築30年前後でも付いている可能性があるわけです。ただし、その当時はまだまだ一部の高級マンションに限られていました。

オートロックの写真

オートロックを物件選びの必須条件に入れる買主は少なくない

オートロックの設置がマンションに普及し始めたのは、1990年前後のバブル最盛期の頃でしょう。マンションの価格が高騰して、新しい付加価値を載せることが求められていた面もあります。都心の億ションだけではなく、郊外の一般的なマンションにも付いていました。つまり、築20年くらいまで遡れば、オートロックは珍しくないといえるでしょう。

その後、音声対応のみのタイプからモニター付きへ、モニターがモノクロからカラーへ、さらに録画機能付きへ、という具合にどんどん進化してきました。使用するカギも、ICチップを埋め込んだ非接触タイプのキーやカードキーへ、あるいはICT(情報通信技術)を組み合わせて携帯電話で施開錠できるシステムなども登場しています。ここ10年以内の物件は、新築と遜色ないシステムが取り入れられているのではないでしょうか。

なお、オートロックは中古マンションに後付けすることもできます。都心の億ションなどでは、築年が古くても、大規模修繕に合わせてオートロック対応に更新するケースも見られます。ですから、築年数にとらわれず、個別にチェックしてみるといいでしょう。

ホームセキュリティ・システムも登場 

1990年代半ば頃になると、もともと高級住宅地の富裕層をターゲットにしていたホームセキュリティ・システムがマンションにも導入されるようになります。これは、警備保障会社と契約したサービスで、玄関やバルコニー側のサッシに取り付けた防犯センサーで侵入者を検知すると警備員が駆け付けるというもの。24時間体制で対応してくれるので安心感が高いようです。

セコムのステッカーの写真

ホームセキュリティ・システム、防犯カメラなど、次第にセキュリティは強化されつつある

2000年代の半ばになると、警備保障会社がマンション向けの割安なホームセキュリティ・サービスを始めたこともあり、急激に普及しつつあります。「SECOM」や「ALSOK」などのステッカーが建物外壁などに張り出してありますから、外観からセキュリティ体制をチェックすることも可能です。

また、2003~04年頃から防犯カメラも設置されるようになりました。敷地境界、駐車場、共用廊下などに複数のカメラを設置して常時監視しています。駐車場入り口には電動式のリングシャッターを設置。オートロックも、エントランスとエレベーターホールのダブルに、あるいはトリプルにと、次第にセキュリティ体制は厳重化しています。

なお、都心の超高級マンションでは「ゲートコミュニティ」(「ゲーテッドコミュニティ」ともいう)を謳っている物件もあります。敷地の外周を高いフェンスで囲い、出入り口を数か所に限定して、ガードマンがゲートで常時チェックするというものです。街全体をカバーする「タウンセキュリティ」という発想も生まれています。いよいよ日本にも欧米並みのシステムが浸透しつつあるようです。

みなさんの求める防犯レベルに応じて、さまざまな中古マンションを選べるようになっています。

次ページでは、管理体制の関係について考えます。>>