スプツニ子の由来

sputiniko

スプツニ子

ガイド:
スプツニ子!さん、はじめまして。舌をかみそうなので、スプ子さんでよろしいでしょうか?

スプ子:
はじめまして!

ガイド:
本名だったら怖いですが、スプツニ子!(Sputniko!)っていうお名前は、やはり旧ソビエト連邦の打ち上げロケット、Sputnikからですか? 由来は同じだと思いますが、Sigue Sigue Sputnikというのもありますけど……。

スプ子:
イギリスと日本のハーフなのですが、背が高く色白でロシア人のハーフに思われ、高校時代は「スプートニク」というニックネームで呼ばれていたんです。

ガイド:
すごくセンスいいニックネーム!!! ロシア人ってわかります。

スプ子:
当時から宇宙的なイメージもあったらしく。そのあとバンドのNeu!みたいに最後にビックリマークがある名前はカッコいいなと思って最後にビックリマーク、付けました。

Parakonpe 3000

ガイド:
すでにASCII.jpにて「美人すぎる理系アーティスト・スプツニ子さんはなぜ歌う?」という濃いインタヴュー記事が掲載されていますので、そのあたりも踏まえて更にスプ子さんの魅力に迫りたいと思います。今回は、DJ Codomoさんにご紹介頂いたのですが、彼とはどのような繋がりがあるのですか?

スプ子:
2007年からロンドンで自作曲をライヴしていたのですが、DVDアルバム『Parakonpe 3000』を出す事になり、知人に紹介されDJ Codomoさんに曲のミックス/アレンジをして頂きました。オシャレで面白くてひょろぽ~んとした感性を持った人で、すごく楽しく一緒に制作出来ました。今回制作した「生理マシーン、タカシの場合」の楽曲もコドモさんにアレンジをして頂きました。コドモさんなしに今のスプ子なし、ですよ!
parakonpe

Parakonpe 3000



01. 'Parakonpe 3000' Opening Animation
02. Google Song
03. Wakki Song
04. Mixi Song
05. Chinko Song
06. Child Producing Machine
07. Sputniko! TV 「新生人工知能児のための教育番組」
08. Sputniko! TV 「ロボットケンカはやめましょう!」
09. Bunny Tree
10. DJ SpecScratch
11. Tanto Tanto Mangiare
12. Skype Song
13. I Remember You
14. Chinko Song - Live version
15. Sputniko! Interview

ガイド:
takashi

生理マシーン、タカシの場合

「グーグルのうた」のように、僕は「Google your name」して、最初に見せて頂いたスプ子さんの動画は、「生理マシーン、タカシの場合」でした。そのおかげで、DJ Codomoさんに「えっ、スプ子さんって、女性?男性?」って聞いてしまいました(笑)。あっ、美人ですが、美少年も似合いますね、スプ子さん。

スプ子:
ありがとうございます(笑)。もしかしたら男かもしれませんよ。でも、男でも女でもないような存在ってなんだか面白いですよね。

「チンコの歌」はヒーリングミュージック?

ガイド:
その後、前述のASCIIのインタヴューで真っ先に紹介されていた「チンコの歌」を見ようと思ったら……「この動画はユーザーにより削除されました。」と。そうなると、意地でも見たくなり、ニコニコ動画の方でライヴ版を見せて頂きました。削除されたのは、何か大人の事情でもあったのでしょうか?

スプ子:
ニコニコ動画にファンがアップしたライヴ映像はありますが、YouTubeにあるミュージックビデオは規範関係で削除されています。あのミュージックビデオはBBCの性教育ビデオを編集して作られた傑作ショートフィルムで、本当に素晴らしいんですが、もうオンラインで見られなくて残念ですね。でもスプツニ子!DVDアルバムを観る人の中で生き生きと輝くんじゃないでしょうか。どうせ5、6年前まで、どのアーティストの曲もオンラインで見られなかったしね! 

ガイド:
DVD作品集にも、この「チンコの歌」はPV版とライヴ版が収録されており、世界を股にかけてこの曲を歌っているスプ子さんは凄いなぁ~と。Kraftwerkの反復の美学と初期衝動を感じる作品ですが、発表するにあたって抵抗はなかったですか? 今後「チンコの歌」のひとって言われるのはちょっと……とか。

スプ子:
「チンコの歌」の衝撃が強すぎる為に、はじめてスプ子を知る人に他の作品を観てもらえない危険が多くありました。だから今のようにDVDで観られるくらいがちょうど良いのかも、と。Kraftwerkとはいい所を付いてきますね!この曲を書いた時はStereolabの反復にハマっていました。かれらは同じフレーズを繰り返す曲が特徴的だけれど、どれも中毒性があって気持ち良い。そんなスタイルに憧れ、どれだけ「チンコ」というフレーズで曲をひっぱる事が出来るか実験しました。念仏的で、ヒーリングミュージックとして若い女の子達に愛聴されているようです。

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)

ガイド:
ご両親とも数学者で、ロンドン大学インペリアルカレッジ数学部を卒業されているわけですから、きっとご両親もスプ子さんも同じ道を歩むと思っていられたのでしょうね。ご両親はスプ子さんの作品についてなにか意見は持たれていますか?

スプ子:
彼らは私のやっている事をサッパリわからないと思う(笑)。ただ良くわからないながらも応援してくれているので両親は偉大です。大きい美術館に展示したり全国紙に取り上げられたりしているので「きっとそれなりに頑張っている」と思っているのではないかな? 学者も芸術家も、「パッション」みたい部分は似ているので、深いところで理解がある気がします。

ガイド:
ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)の大学院に入学し、大きくキャリアの方向性を転向されましたが、その理由は?

スプ子:
中学生の頃からプログラミングをしていて、モテないからMacに自分宛てラブレターを読んでもらったりしていて、ずっとテクノロジーと人との関係に興味があった。だから、テクノロジーの曲ばかり書いていました。理系の研究はひとつの分野をずっと突き詰める所があるけど、アートには幅広く勉強できる、という魅力があった。実は理系時代よりRCAに入った後の方が、理系の知識の幅が広がりました。

ガイド:
ここは学士ではなく、修士・博士号のみですよね。もう卒業されたのかと思いますが、この学校の魅力は? これを見て、私もRCAを目指したいという読者もいるかもしれませんので。

スプ子:
RCAは世界で一番先進的な考え方や作品が行き交っている環境。先生と衝突し新しい考えを打ち出す学生こそスターとして評価されました。世界最高峰の芸術大学院だからこそ、世界最高峰の「パンク」を誇ってた。行ける人は行った方がいいと思います。

ガイド:
普通、テクノ系に関わらず、ミュージシャンの場合、先ずはCDなどの音源を主体とし、映像はプロモーション的な使われ方がする事が多いですが、スプ子さんの場合、全て動画ですよね。しかも、ほとんどの作品を動画サイトに気前よく掲載しています。確かにスプ子さんの作品は映像表現でその真意が伝わる部分も大きいと思いますが、今後もあくまでも動画のみでの作品発表を考えられているのでしょうか?

スプ子:
動画のみという風に縛るつもりはありませんが、今の所は動画作品が一番スプツニ子!の表現に合っていると思っています。

コドモを作る機械(Child Producing Machine)

ガイド:
テクノポップってなんなんだろうと考えた時、それは単純にサウンドだけではなく、曲のコンセプトが重要だと考えています。そういう観点からテクノロジーやサイエンスが根底にあるスプ子さんの作品は、テクノポップ度が凄く高いです。同時に、「コドモを作る機械(Child Producing Machine)」等、スプ子さんの作品にはあえて人が避けがちなテーマに大らかに切り込んでいく潔さを感じます。何がそうさせるのでしょう?

スプ子:
私は新しい事しか歌いたくないからです。John Lennon、Sex Pistols、Joy Division、New Order、Radioheadなどのイギリス精神と音楽に触れて育った背景もあるけれど、作品はいつも挑戦的であれと思っているから。

ワッキーのうた(Wakki Song)

ガイド:
wakki

ワッキー

DVDの終盤にあるスプ子さんの解説を見て感心したのですが、「ワッキーのうた(Wakki Song)」で使用しているワッキー人形にはWiiが埋め込まれているんですね! ただワキ毛のうたを歌っていた訳ではなかったんだと……感心してしまいました。

スプ子:
そうですね!ワッキーのうたでは、Wiiリモコンを使ってワキを使って演奏するシンセサイザーを作りました。当時手や体の動きに反応するマヌケなピコピコメディアアートがスゴく流行っていて、皮肉で「ワキの下の動き」に反応する楽器を作った(笑)。

未来版女体盛り「寿司ボーグ☆ユカリ」

ガイド:
東京都現代美術館「トランスフォーメーション展」で2011年1月30日まで展示されていた3作品、「カラスボット☆ジェニー」「生理マシーン、タカシの場合」「寿司ボーグ☆ユカリ」についてお伺いします。この3作品、どれもフェティッシュな美しさに満ち溢れていますね。テクノなPierre et Gillesのような。反響はどうですか?

スプ子:
卒業してすぐ美術館で展示させて頂いたのはとてもラッキーでした。ロンドン拠点だったのでもちろん欧州で作品の反響があったのですが、日本では美術誌はもちろん、音楽誌、ファッション誌、スポーツ紙、全国紙、テレビ、渋谷街頭ビジョンまで一気に取り上げられて予想以上の反響でした。今年7月にニューヨーク近代美術館(MoMA)でも展示するので、それに向けて準備中です。

ガイド:
sushiborg

寿司ボーグ

MoMAですか!凄い。
「寿司ボーグ」というアイデア凄いです! 確かに回転寿司は今や日本以外にもありますが(ロンドンにもありましたよね)、これは何かにインスピレーションされたとか?

スプ子:
「Body as Shop - 店舗としての身体」について考えていて、まず思い浮かんだのが海外で悪名高き幻のジャパニーズカルチャー「女体盛り」。その未来版として女体回転寿司サイボーグが頭に浮かびました。それで作ってみたら、動いた。詳しい背景はサイトで解説しているので、どうぞ!

ガイド:
短編映画では、ユカリが殺人鬼と化し、サラリーマンを血みどろに……確かに寿司ボークは一度試してみたいですが、これを見ると……サラリーマンの股間にはいなり寿司のようなものが(笑)。

スプ子:
よく気づかれましたね! あの映画は色々なパロディー要素をこっそり入れていて自分では結構ギャグ映画かな、と思っていたんですが人に「ホラー」と言われ初めて「そうなのか!」と気づきました。隠しネタをもう1つバラすと、倒れたサラリーマンの一人に全身真っ黒の宇宙人がまざってるんです。未来だから。

ガイド:
chinborg

チンボーグ

「寿司ボーグ」だけではなく、「チンボーグ」も製作したんですよね。スプ子さんのサイボーグに対する熱い想いを感じます。今後も○○ボーグを作る予定はあるのでしょうか?

スプ子:
あるけど、詳しいことはひみつ(笑)。ただ、色々な動物とコミュニケーションしていきたいとは思っていますね。

PerfumeでDJ

ガイド:
スプ子さんはPerfume好きですよね。それも「リニアモーターガール」ぐらいから注目されていたとは、なんだか親近感を感じます。ロンドンのクラブでDJしまくったという事ですが、ロンドン子の反応はどうだったのですか?

スプ子:
良かったですよ! ロンドンのJ-POPコミュニティーは盛んだし、ファッション系の人達もJ-POPやK-POPをたまに流すと喜びます!

ガイド:
ありがとうごじます。これからもスプ子さんの活動に注目して行きたいと思います。
スプ子さんの動画は、テクノポップ定点観測でいくつか紹介しています。

【リンク】
テクノポップ定点観測~スプツニ子動画集
Sputniko! official blog
美人すぎる理系アーティスト・スプツニ子さんはなぜ歌う?
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