3.LDKの続き和室の利用
3階建ての二世帯住宅などで、LDKと個室のフロアが分かれてしまう場合などは、前記2つのような方法では川の字就寝スペースがLDKから遠くなりすぎる、という欠点があります。このときLDKに隣接した和室であれば、昼間はLDKから目が届く遊ぶスペースとして兼用でき、夜は寝て居るこどもの様子がわかりやすいので川の字就寝スペースとしても安心です。和室に押入れがあればふとんを収納できることも、有利な点のひとつです。リビングに隣接した続き和室がある間取りは昔から人気があります。元々は客間や、泊まる時の予備の寝室として考えられ、家族用の空間としてもリビングの延長としてたたみで寝転がれる部分として、また二台目のテレビのスペースとして人気のある間取りです。二世帯住宅の子世帯で面積が限られている場合、どうしても将来子供室とする部分に面積を割かれ、続き和室を広く取ることは難しいのですが、このように汎用性の高い予備室があると、川の字就寝のスペースとしても大変使いやすいものになります。
住宅の間取りには、子供室に机とベッドを置いたり、主寝室にツインベッドルームの様にベッドを並べたり、といった常識が定着しています。これにはかつて一戸建て住宅が子育て期の賃貸住まいを経て、子供室が必要になった時に建てられる、という時代があったことが影響していると思います。しかし子どもが小さいうちに家が建てられるのであれば、家の設計としてはその常識を疑い、くらし方をよく観察してその実態に合わせた家造りをしていく必要があるのではないかと思います。