2.子育て期家族の寝る時間のずれ
夫が別に寝る理由として、夫の生活リズムが遅くて妻や幼児期の子とのずれが大きいことが一つの要因として考えられます。以前「今どきの家族の生活時間」(2009/07/14公開)で夕食時間を指標にして幼児期の子が居ると妻と子の生活リズムが早くなり、夫の生活リズムがずれる傾向について書きましたが、寝る時間についても同じような傾向があります。図2は、生活リズムを調査した際に夫・妻それぞれの就寝時間を調べたものですが、23時前就寝率を指標にしてみると、幼児期の子を持つ妻だけが突出して23時前に寝る率が高いことがお分かり頂けると思います。幼児期の子を持つ妻の就寝時間は早く、親世帯世代であるリタイア期の夫婦が寝る時間とほぼ近くなっています。その結果夕食時間の場合と同じように、子世帯夫の生活リズムだけが遅くずれているのです。
【図2】夫・妻の就寝時間(専業主婦世帯・リタイア世帯の子の成長による変化):
23時前に寝る人の比率を指標にすると、妻の就寝時間は子が幼児期に突出して早くなることがわかる。夫の場合はその影響は小さい。親世帯の世代に当たるリタイア期になると夫妻ともに23時前就寝が増える。
「家族の生活時間」 2009年 旭化成ホームズ くらしノベーション研究所
図3は、図2の就寝時間のデータを整理して、「就寝時間帯が同じ比率」を出してみたものです。同じ時間帯(2時間ごと)に寝ているケースは子がいない「夫婦のみ」では78%ありますが、子が「幼児期」では半分以下の43%に急減してしまいます。子が成長するとこの比率は6割近くまで回復するのですが、それ以上の世代でも5-6割程度で、残りの4割は夫婦別寝ということになります。寝る時間がずれていても同じ場所にもぐりこんで寝ることもできるのですが、起きる時間も当然変わってくるので気になる人は別の場所で寝る、ということではないかと推測しています。
【図3】夫・妻の就寝時間のずれ(専業主婦世帯・リタイア世帯の子の成長による変化):
就寝時間のずれは子が幼児期に最大となり、2時間ごとに区分して同じ時間帯に寝ている夫婦の率は43%と半分以下になる。
「家族の生活時間」 2009年 旭化成ホームズ くらしノベーション研究所
川の字就寝のイメージとしては、ベッドよりもふとんの方が最初に思い浮かぶのですが実態はどうなのでしょうか。次ページでは、一般的に間取り図に描いてあるようなベッドでの生活が、実際にはどのくらいの比率で行われているのかを調べてみた結果を見てみましょう。