そのアクセサリー何?と思わず目を凝らしたくなる!

そのアクセサリー何?と思わず目を凝らしたくなる!

新作として発表されたのは、「pick a jewel」。
「その日、すてきだなあと思うものを、ひとつ装う。」をテーマに、例えばお散歩中に落ちていた木の実や、旅先でふと出会った花、家に残っているリボンやレースの切れ端、写真、紙切れ、切手など、なんでもアクセサリーとして装うことができる、ユニークで画期的(?!)なアイテムです。毎日変えてもいいし、季節感やそのときの気分で、ささやかな自分らしさとして表現することができるのです。
ピアスとペンダントの2種類あり、それぞれ先端に小さな小さなクリップが付いていて、好きなものを挟むことができます。クリップはなかなか強力で計算された強さのため、挟んだものが落ちることはそうありません。

クリップに挟めば、なんだってアクセサリーになってしまいます。

クリップに挟めば、なんだってアクセサリーになってしまいます。

贈り物としても、その人の個性やセンスが表れて楽しい。例えば彼女にダイヤモンドが買えない男性なら、クリップに自分のできる精一杯を挟んでプレゼントしてもいいかもしれません。ダイヤモンドの絵を描いた紙を挟んじゃったりしても、決して憎めませんよね。
この新作を目にしたとき、「なんていいアイディア!これを作った人はきっと他にも面白いことを考えているに違いない。」とfiftに急遽興味津々。さっそく連絡して、アトリエを訪問させてもらおうと思ったところ、「あー、まだアトリエないんですよ。今探しているところで。」とのゆるい返事。聞けば今年の9月に独立したばかりで、それまでは会社員をしながら、その傍らでクリエイティブな活動を行っていたそうです。ではとりあえず、吉祥寺のカフェで待ち合わせして、話を聞くことに。

fiftは五十嵐勝成さん、五十嵐麻美さん(夫妻)によるクリエイティブオフィス。
この日現れたのは麻美さんでした。二人は学生時代の同士で、元々は建築を学んでいたそうです。2006年のミラノサローネでは、anyanyというグループに属して、野外展示を開催しました。オランダの蚤の市で椅子やテーブルなどアンティーク家具を調達し、それらを現地ミラノで組み合わせてジャングルジムを制作。サローネメイン会場のひとつSUPERSTUDIO前の路上駐車スペースにトラックで乗りつけ、そのトラック上で勝手に展示していたそうです。それが大きな反響を呼び、メディアにも掲載されるように。
「面白半分でやっちゃったのですが、観に来た人の反応がすごく良かったんです。その当時の仲間がつながって、現在novelaxというグループでも活動しています」。
うーん、やはり昔から、面白いことをどかんとやっちゃう人々だったようです。

ちなみにnovelaxとは、セルフプロダクションによるプロダクトデザイナーの集合体で、自らが主催して、展示会や販売のプロジェクトを行っています。今年のデザインウィーク期間中も、novelaxが中心となり計35組のクリエイター仲間とともに五反田のビルを借りて、500点以上の作品が並ぶクリエイターマーケットを開催しました。

こんな話を笑いを交えながら聞いていると、なんとも愉快な面白がりやさんに感じてきましたが・・・まさにその通りなのかもしれません。面白いんじゃない?!、という小さなきっかけをじわじわと研ぎ澄ませて、コツコツと作品に反映させているのです。
彼らのコンセプトは「余白のあるクリエイション」。
最後の仕上げは、それを手にした人にゆだねて、作品を完成させています。手にした相手も一緒に作品作りに参加できてしまうのです。しかもショートケーキのイチゴのように、一番美味しい部分を、ぽーんと相手に譲ってくれちゃうのです。

壁に架かる絵画・・・と思ったらティッシュ!

壁に架かる絵画・・・と思ったらティッシュ!彼らの作品「eninal」です。

余白が表現されている彼らの代表的作品のひとつが上の写真「eninal(エニナル)」。この作品をきっかけに、fiftとしての活動を開始するのですが、eninalが誕生したエピソードがまたゆるくていい感じ。
「ある日、夫(勝成さん)が夜中にすごく酔っ払って帰ってきて、何気なくティッシュを見たとたん、恐ろしく造形的に映ったらしいんです。寝ている私(麻美さん)はたたき起こされて、ティッシュの素晴らしい美しさについて朝まで延々と語られました」。
ティッシュは一枚一枚引き出すたびに表情が変わります。これもそれぞれの人の手にゆだねられたアート。なんてことない生活用品だけれど、その無意識で自然で、常に変化する姿を美しく表現できないかと思ったとき、eninalのアイディアが生まれたそうです。知人が企画したコンテンポラリーアートの展覧会で本物の絵画と並べて展示していたら、面白い試みだと評判になり、その後、美術館のミュージアムショップなどからオファーが来て、販売することになりました。

使って飾れるインテリア eninal

使って飾れるインテリア eninal

fiftの活動は多岐に渡り、プロダクトだけではありません。
「自分達が日々思っていること、伝えたいことを表現する手段のひとつとしてプロダクトがあるのですが、それだけに限定せず、いろいろな方法を多方面に探っていきたい思っています」。
立体やWEBでのコミュニケーション、イベントの企画など、具体的に目に見えるものだけでなく、その考え方や導き方などを思いがけないアイディアから組み立てていくこともデザインのひとつ。人のちょっとした気づきや面白い発想を、自然に導き出してくれるようなオリジナルのしくみや手法を、今後はもっと様々な角度から生み出していきたいそうです。
野外マーケットにて。fiftのチーム五十嵐。

野外マーケットにて。fiftの五十嵐夫妻。



fift
http://fift.jp/

pick a jewelは、novelaxのオンラインストアで発売中。
http://store.novelax.jp/


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