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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

大阪・京橋バー「ザ・モナーク」釜井拡氏(2ページ目)

かつて牡鹿をラベルに描いたザ・モナークというブレンデッドスコッチがあった。そのモナークを店名に冠した大阪・京橋のバーを紹介する。バーテンダー釜井拡氏のカクテルは旨い。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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癒しのモナークになれる

カウンター

モナークのカウンター

釜ちゃんのギムレット(¥1,000)が好きだ。甘酸のせつなさがいい。わたしはギムレットとかサイドカーといったカクテルで、せつない味わいをつくり出すバーテンダーを好む。
モナークのボトルを眺めたあとに、せつない香味をゆっくり堪能するのも最高の時間。ただ言葉は勝手に逆を行く。浸り過ぎた時を徐々に消し去るために、馬鹿話を繰り広げるのだろう。
ウイスキーとカクテルのスイッチの切り替えで、さまざまな心持ちを味わえる。これがバーのいいところ。

明るい、とにかく明るいバーテンダーで、いつも陽気な気分にしてくれる。でも表に出る態度とは違い、彼の芯の部分は几帳面でナイーブだと思う。彼のカクテルは繊細な香味を奏でる。緊張感のある素敵な味だ。
ある夜、それに気づいた。釜ちゃんに見送られていい気分で店の外に出た時、美しいピラミッド型に成形された盛り塩が目に入った。その時、なんて几帳面な男なのだろうと驚いた。
樽

店内には樽が置かれている

馬鹿なわたしに付き合ってくれる明るさ、そして繊細な香味。彼の独特の癒しの仕方なんだろう。帰り道、心まで満たされたな、と実感し、感謝する。彼が老いた時には、癒しのモナークのようにカウンターに立っているんじゃなかろうか。
店前の盛り塩を見て、釜ちゃんの接客を受けながら酒を飲んでみていただきたい。癒されるから。ちなみに人気カクテルのひとつに自家製ジンジャー・シロップを使ったモスコー・ミュールがある。

Bar The Monarch

大阪市都島区片町2-7-25 アンシャンテビル1階
tel.06-6358-8210
18:00~1:00(平日、祝日) 日休
チャージ¥500、ウイスキー¥1,000~、カクテル¥1,000~

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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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