買ったほうが、今なら総額1000万円以上もトクになる?

生活の拠点として住まいを構えるには、「買う」か「借りる」かの二者択一しかありません。だからこそ、「購入」と「賃貸」のどちらを選ぶかが、永遠のテーマといわれるのです。
選択の視点はいろいろありますが、やはり「どちらのほうがトクなのか」という資金面での比較がもっとも興味のあるところでしょう。

図1賃貸と購入の総支払額その1

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以前にも、このコーナーで比較検討をしたことがあります。2年半近く前の2008年6月4日に掲載した「中古マンション購入と賃貸、どちらがお得?」です。この時点では、住宅ローンの返済期間と同じ35年間の総支出額を比べると、賃貸より購入のほうが500万円以上も多いという結果でした。損得では、賃貸に軍配が上がったわけです。36年目以降の状況を考慮に入れると、最終的には立場が逆転し、購入に有利になる可能性が高いことも示しています。

図1の物件概要

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今回は、その後の市況や経済情勢の変化を織り込んで、改めて比較してみましょう。しかも、実際に市場に出ていた物件を取り上げて、リアルな数字で検討したいと思います。まったく同じ中古マンションが、最初は賃貸で募集されていたものの、持ち主の事情が変わって売却に切り替えられたケースです。生活環境や住み心地などの条件は変わりませんから、資金面に絞って公平に比較できます。

結論から先にお伝えしましょう。「購入のほうが1300万円以上もトク!」です。
次に詳細な内容を紹介します。

月々の負担も、買ったほうが大幅に軽い

対象とした物件は、東京都江東区にある2LDKの中古マンションです。専有面積は約56平米、築年は12年。当初、1ヵ月 14万9000円の家賃で賃貸住宅として募集されていました。その後、3100万円で売却されています。この物件を買った場合と借りた場合に、35年間の総支払額がどうなるかを比較してみました。

購入の場合、頭金は価格の約1割に当たる300万円。残り2800万円が借入です。購入時には、登記費用や仲介手数料などの諸費用が150万円強かかります。頭金と合わせると、自己資金として450万円くらい用意しなければなりません。賃貸でも初期費用がかかりますが、買うときよりも大幅に少ない金額です(※注)。その他、詳細は前掲の【物件1の概要】をご覧ください。

※注:実際に賃貸住宅に入居する場合の初期費用は、敷金2カ月+礼金1ヵ月+仲介手数料1ヵ月分+前家賃1ヵ月で、合計で家賃の5か月分(約75万円)ですが、図1の試算では、退去時に戻ってくる敷金、賃料に含める前家賃は差し引いているため、礼金と仲介手数料の2か月分のみ(約30万円)を計上。

図2月々の負担比較

 

購入した場合の住宅ローンはフラット35で、金利はこの10月時点の2.4%を採用しました。全期間固定なので返済額は最後ま で変わりません。35年返済で計算すると、毎月返済額は約9万9000円です。ボーナス払いはありません。この段階では、家賃より6万円以上も軽い負担なります。
ただし、購入すると固定資産税などの税金、建物のメンテナンスにかかわる修繕積立金があります。賃貸でも共益費があります。これらの経費を含めて、購入と賃貸の月額負担を比べたのが図2です。

結果は、購入が約12万4000円、賃貸が16万円弱。なんと約3万5000円も、購入したほうが負担は軽くなるのです。
これをローン返済が終わる35年間のトータルで比較すると、購入が5651万円、賃貸が6961万円。差額が1310万円となりました。月々で計算しても、トータルで計算しても、圧倒的に購入のほうがトクになることがわかります。

次は、都心部の物件で比較します。>>