フランス全体の関心事である年金問題

国の代名詞になってしまっているかのようなフランスのスト。小さなストは日常茶飯事ですが、10月現在起きている今回のストは国民の生活を決める年金問題とあって、世間の関心も高く、かなり大規模で事態の収拾も予測不可能となっています。

ことの発端は2010年9月15日に国民議会(下院)を通過した年金改正法。その内容は、定年であり、年金受給を開始できる年齢を60歳から62歳に、年金満額受給開始年齢を65歳から67歳へそれぞれ2歳ずつ引き上げるというもの。「寿命が伸びた」ことを考慮して……という言い分があるものの、この法案により慢性的な年金財源不足を解消するという政府の狙いがあります。

デモ

大規模なデモ行進は午後から夕方まで続く

これに反発しているのが労組と野党。そして先週からは「定年が延びることによりただでさえ解消されていない若年層の雇用機会が更に悪化する」ということで高校生もデモに参加しはじめ、一部の(高校生ではない)若者が暴徒化するという事態にまで発展……。国民の80%がこの法案に反対しており、政府がこの法案を撤回しない限り抗議活動は続くと見られています。

 

ストの影響が交通に……

そして更に悪いことに製油所もストを開始したため、あちこちのスタンドでガソリン不足の事態が。すでにガソリンスタンドの前で長い行列ができており、これから車でフランスを移動する予定の人にとっては、かなり厳しい状況となっています。

それに加え空の便も、9日(火)現在、シャルル・ド・ゴール空港(CDG)と日本の各都市を結ぶ直行便は問題なく運行されていますが、CDG、オルリーの各空港発着便が30~50%制限されています。パリからフランスの各地方またはヨーロッパ各都市への便を利用する予定の人は航空会社またはパリ航空のサイトで確認を。

今後ですが、ます19日(火)にフランス全土で大規模デモが行われ、21日(木)には上院議会がある予定で、バカンスが始まる今週末前のこの期間が今後の動きを左右しそうです。

追加情報:10月22日(金)現在、フランス政府の譲歩はなく、デモ・ストの継続が決定しました。10月28日(木)と11月6日(土)に大規模なデモが行われる予定です。

気になるパリの状況は? 旅行は大丈夫?

街の状況ですが、一部の郵便局が閉鎖したりはしているもののカフェやお店などは通常営業しています。が、デモ行進の日は通りが完全に通行止めとなるので(デモの日時や場所は下記のCGTのサイトでその都度要確認)、バスやタクシー、また徒歩での移動が困難になります。

パリ中心地では暴動らしき動きは今のところ確認されていませんが、市内でも怪我人が出てきており、またデモなどによる交通の混乱に影響を受けることはほぼ間違いない状態です。パリ近郊の町ナンテールや地方都市リヨンでは若者と警察が衝突したり、ルマンの小学校が火事になったりと危険な状態も確認されています。

モンパルナス駅

sncfの各駅でも混乱が見られる

旅行者の関心事である交通状況について、詳細は毎日更新される各交通機関のサイトをチェックする必要がありますが、概ね以下のような状況です。TGVを予約している場合、時刻の変更や払い戻しなどに関しては各出発駅の窓口または電話で問い合わせを。

追加情報:新たな問題として、製油所がストに入ったため、全国的にガソリン不足の事態が起きています。今後は特に車、タクシー、バスでの移動が非常に困難になると予測されています。

パリのメトロ・バスratpのサイト(仏語)
メトロ、バス、トラムは通常運行。ただしRER-Aは2/3、RER-Bは2/1。

国鉄SNCFのサイト(仏語・英語)
TGV、ロンドンへのユーロスター、ベルギー・オランダ・ドイツへのタリスなど
TGVは1/2以上、パリ近郊列車Transilienは1/2、地方線TERは1/2。

フランス労組CGTのサイト(仏語)
「La Carte」(地図)をクリックするとデモの場所が把握できます。デモ行進周辺は大変な混雑と混乱が予想されるので、特に旅行者は極力近づかないように。