年金

ライフプランと老後資金準備(4)ポートフォリオ作成(2ページ目)

「ライフプランと老後資金準備」の4回目は、ポートフォリオを組むためのポイントとその後のポートフォリオのメンテナンスについてご案内します。事例を交えた実践的なポートフォリオ理論をみていきましょう。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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アセットクラスで分類する金融商品

トップ2

少額の資金でも効果的なポートフォリオを組むコツは?

はじめに元本確保型商品をみていきましょう。元本確保型の商品は、満期まで保有すると投資した元本が保証される商品です。定期預金や定額貯金などの預貯金だけでなく、個人向け国債などの国債も元本確保型商品に分類されます。

国内・海外の債券及び国内・海外の株式は、それぞれ単独の銘柄を市場で購入することができますが、個人の資産で個別銘柄の株式や債券を購入しようとしても、種類が限られてしまいます。個人の資産で効率よくアセットアロケーションを構成するには、投資信託を利用するとよいでしょう。投資信託はさまざまな分類方法がありますが、投資目的による分類をみると投資信託を構成するアセットクラスやアセットアロケーションが確認できます。

リスクを低く抑えるためにアセットクラスを債券のみとしたい場合は、「公社債投資信託」を選択するとよいでしょう。公社債投資信託は、投資対象が債券のみで、株式に一切投資を行わない投資信託です。MMFやMRFといった投資信託が、代表的な公社債投資信託です。公社債投資信託は、投資対象を国内のみ、海外のみ、国内と海外とするものがそれぞれ販売されています。特に、海外の債券に投資する商品は、新興国を投資対象に選択して、債券でもハイリスクハイリターンな商品が販売されています。自分の運用スタイルにより、運用対象を確認して選択するとよいでしょう。

より高い運用利回りを追求する場合は、アセットクラスに株式と選択しますが、投資信託の「株式投資信託」は、「必ず株式に投資する投資信託」ではなく、「株式に投資可能な投資信託」を意味します。したがって、株式投資信託に分類されている投資信託でも必ず運用対象に株式が含まれるとは限らないので、目論見書等で運用対象をしっかり確認することがポイントです。

また、株式投資信託は個人投資家では購入できない非上場の株式に投資をしたり、新興国の株式に投資するなどより高いリターンを追求する商品も販売されています。高いリターンが期待できる商品はリスクも高くなるので、自分の運用スタイルに適した商品を選択しましょう。

投資信託は、公社債投資信託・株式投資信託とも「アクティブ型」と「パッシブ(インデックス)型」に分類される商品が販売されています。株式市場や債券市場には相場の動きを表す相場指標(例:日経平均株価、TOPIX、NOMURA-BPIなど)があります。投資信託は特定の相場指標を「ベンチマーク(目標)」に設定し、ベンチマークを上回る運用を目指す「アクティブ型」と、ベンチマークに連動する運用を目指す「パッシブ(インデックス)型」に分類することができます。パッシブ(インデックス)型に比べてアクティブ型は、ハイリスクハイリターンの傾向がみられるので、商品の選択を行うときはどちらのタイプか確認しておきましょう。

これらのポイントに注意しながら商品を選択し、自分の運用スタイルに合ったポートフォリオを作ってみましょう
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