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一人暮らしの暖房器具おすすめは?メリット・デメリット

一人暮らしの暖房器具というと「もうエアコンがあるから大丈夫」と思うかもしれません。でも、それ以外に暖房を用意することで節約や快適さにつながることもあります。地域や部屋の広さ、ライフスタイルなどを考慮しながら、選んでみましょう。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

暖房器具は、地域や部屋の広さ、ライフスタイルなどにかなったものを選ぶことが大事です。それぞれの暖房器具のメリットやデメリットなど、自分の部屋に合ったものを選ぶためのヒントをお届けします。
一人暮らしの暖房器具おすすめ

エアコンだけで十分という部屋もあります。でも、「電気代が高い」「エアコンだけじゃ寒い」というときは?一人暮らしの暖房器具選びのポイントを紹介


※値段の記載がありますが、あくまで目安です。機能やメーカーによって異なりますので、ご自身でよくご確認の上、お買い求めください。
 

すでにエアコンが部屋についているけれど……

エアコンを使った1ヶ月の電気代は7000円。それをガスファンヒーターに代えたら、電気代が4000円弱になった経験があります。ガス代は1500円ほど上がりましたが、光熱費はだいたい半分ちょっとに抑えられたことになります。

暖房器具というと「エアコンがあれば、十分じゃないの?」と思うかもしれません。もちろんエアコンだけで足りる人いますが、すでに設置されているものは旧式だったり、機能性が高くないものということも考えられます。

エアコンをつけない時期と比べて、極端に電気代がかかる場合や、部屋にいる時間が短いにも関わらず、電気代が高額になる場合は、暖房器具を見直してみるのがおすすめです。また、他の暖房器具と併用し、より効率よく部屋を暖めるのもひとつの手です。
 

暖房器具の特性を見極めよう

暖房器具は「部屋全体を暖めるもの」と「部屋や身体の一部を暖めるもの」に大きく二種類に分けられます。

エアコンやファンヒーターなどは部屋全体を暖めるもの。主暖房として使うもので、ワンルームのような一人暮らし向けの部屋であれば、いずれかひとつあれば、足りることが多いです。ただし、部屋の広さや造り、地域や個人差によっては、スポット的な暖房器具を併用するといいでしょう。
一人暮らしの暖房器具 おすすめ・選び方

あなたの部屋にはどんな暖房器具があると快適に過ごせるでしょう。部屋の広さや地域、ライフスタイルから考えてみましょう

また、電気ストーブやこたつなどは部屋や身体の一部を暖めるもの。 いずれも照射されている方向や、触れている部分を中心に温度が上がり、部屋全体は暖まらないため、「主暖房と併用して使いたい」「寝る前までの短時間だけ使いたい」「主暖房が行き届かないところに使いたい」といった補助的なもの、スポット的なものとして使われることが多いです。
 

部屋全体を温める暖房器具

「部屋全体を温める暖房器具」は一部屋にひとつあればいい暖房器具です。「これだけでは寒い」「居室以外のキッチンやバスルーム等で短時間使いたい」といった場合は、「部屋や身体の一部を温める暖房器具」で暖かさを補っていくといいでしょう。

■エアコン
  • 夏も冬も使える : 他の暖房器具と違い、夏にも使えるのはエアコンだけ。部屋が狭い一人暮らしにとっては、モノが増えない点もメリットです。
  •  初期投資がかからない場合も : 最初からエアコンが設置されていることも多く、初期投資がかかりません。
  •  最新式は省エネ、旧式は非省エネ : 古いタイプは消費電力が大きく、他の暖房器具を買った方が経済的なことも。最新のものはガスや石油より省エネになることもあります。
  • × すぐには暖まりにくい : 動かし始めてから、部屋全体が暖まるまでには少し時間がかかります。寒冷地や、とにかくすぐに暖まりたいという人には不向き。
  • × 乾燥しやすい : エアコン内部で空気を暖めて、それを吹き出すので、湿度が低くなり、乾燥しやすくなります。
  • × 足元が冷えやすい : エアコンは上から吹き下ろしますが、暖かい空気は上へ上がるため、足元が冷えることも。特に古いタイプのエアコンでは循環が悪く、顔や頭のあたりばかり暑くなることもあります。
価格: 4万円程度~(6畳用)
エアコン

アイリスオーヤマ エアコン 6畳用 冷暖房 室外機セットモデル 画像出典:Amazon


■石油ファンヒーター 
 すぐに暖まる : パワーがあるため、部屋全体がすぐに暖まり、特に寒い地域で多く利用されています。
〇 移動させることができる : 電源は必要ですが、使いたい場所に移動させて使うことができます。
 石油の値段に左右される : 石油の値段は大きく変動します。高騰したときには、エアコンよりも高くつくことがあります。
 賃貸住宅では禁止されていることも : 賃貸住宅の契約上、火事等の防止のため、石油を使った暖房器具は使えないという規定がされていることもあります。購入前に確認を。
× エアコンに比べて、事故の危険が : 使用方法によっては、火傷や一酸化炭素中毒などの事故が起こるケースもあります。定期的に換気するなど、使用の際には、十分に注意を払う必要があります。
× 給油が面倒 : 定期的に灯油を給油しなくてはいけません。灯油の購入や保管の手間がかかります。
× ニオイが気になることも : 軽減されてきてはいますが、点火・消火のときに独特のニオイがあります。
× 片付けるのが大変: 使用しない時期には灯油の処理をしておく必要があります。きちんと手入れをしておかないと、長く使えなくなります。
価格:1万5千円前後~(木造9畳・コンクリート12畳の場合)
石油ファンヒーター

アラジン 石油ファンヒーター 画像出典:Amazon

■ガスファンヒーター

 すぐに暖まる : 部屋全体がすぐに暖まります。
 都市ガスなら経済的、プロパンなら高額に:ガスファンヒーターは電気と比べて経済的と言われていますが、地域によってガス料金には大きな差があります。プロパンを使っている場合は高額になりがちなので、他の暖房器具を検討するのがおすすめ。
 賃貸住宅では禁止されていることも : 賃貸住宅の契約上、火事等の防止のため、ガスを使った暖房器具は使えないという規定がされていることもあります。購入前に確認を。
× ガス栓がないと設置できない : ガスが使用できない部屋、また暖房を使いたい場所とガス栓が離れている場合は使えません。ただし、ホース等の工夫で離れた部屋でも設置できることもありますので、ガス会社に相談を。
価格:2万円程度~(木造11畳・コンクリート15畳の場合)
ガスファンヒーター

ノーリツ ガスファンヒーター 都市ガス用   画像出典:Amazon


■オイルヒーター  

 空気を汚さず、心地よいあたたかさ : 他の暖房器具と違い、温風を出して暖めるのではなく、容器内の難燃性の油を電気で暖め、循環させるため、空気を汚さず、自然で穏やかな暖かさが部屋全体にじんわり広がります。ホコリを舞い上げることもないので、空気を汚しません。また、温風が当たる場所だけが極端に暑いといったこともありません。
 音が静か : 温風を排出するものではないので、ほとんど運転音がしません。
 デザインがオシャレ : インテリアに馴染みやすい、レトロなデザインを好む人も多いです。
 暖かさに不足があることも : 一気に暖めることができず、広さや建物の断熱性によっては、暖かさが十分ではないこともあります。使用の際に定められた広さや建物の構造(木造・鉄筋など)などを守らないと、性能を活かせないことも。
 電気代が高くなることも : 最近のものは省エネ化が計られていますが、最新型のエアコンに比べると、消費電力が高く、電気代が高くなることがあります。
× すぐには暖まらない : 部屋全体にじんわりと熱が広がるため、ファンヒーターのようには、すぐに部屋が暖まりません。
価格:1万5千円程度~(6~8畳用)
 
オイルヒーター

DeLonghi オイル・ラジエターヒーター サーマルカットフィン8枚 画像出典:Amazon

 

部屋や身体の一部を温める暖房器具

これひとつでは部屋全体は暖りませんが、足りない部分に温かさを補うことができる暖房器具です。使用したい場所に持ち運んで使ったり、寒さに応じて主暖房にプラスして使うものとなります。

ハロゲンヒーターやカーボンヒーター、セラミックヒーター、パネルヒーターなどは総称として電気ストーブと呼ばれることもあり、いずれも電気を使って暖めることから、その特徴は似ています。ただし、形や値段、体感する暖かさには差があるので、購入するときには店舗で比べてみるといいでしょう。

また、その暖房器具がどのくらい電気代がかかかるはカタログ等に記載されている消費電力をチェックすることで計算できます。『“電気暖房”の電気代と賢い使い方』に詳しく紹介されていますので、併せてご覧ください。

■電気ストーブ(遠赤外線ヒーター)
昔から馴染みのある電気ストーブは大きさ・価格に幅がありますが、小型で軽いものも多く、値段も手頃。すぐに暖かさを感じられるので、短時間だけ別の場所でで使いたいときなどに移動させやすく便利です。

遠赤外線効果も高く、身体の芯まで暖めますが、室温は上がりきらないため、少し離れると寒さを感じることも。短時間ではエアコン等とあまり差はありませんが、長時間使い続ける場合は、電気代が高くつくこともあります。
価格: 2000円程度~
電気ストーブ

山善 あしもとあったか 電気ストーブ 400W 画像出典:Amazon

■ハロゲンヒーター 
ハロゲンランプから発生される放射熱によって、電源を入れると、瞬間的にぱっと暖かさを感じられるのがメリットです。電気ストーブと特長は似ており、補助的な暖房器具として使うのに適しています。

ハロゲンヒーターで気になる点として挙げられるのは、熱源として使われるハロゲンランプの眩しさ。寝室で使っていたり目に入る位置に置いていると、気になるかもしれません。
価格:3000円程度~
ハロゲンヒーター

TEKNOS スリムハロゲンヒーター300W コードフック付 画像出典:Amazon


■カーボンヒーター
カーボンヒーターもハロゲンヒーターのようにすぐに暖まる補助的な暖房として使われることが多いですが、遠赤外線効果が高く、身体の芯からぽかぽかと暖まるように感じるのが人気の理由です。電気ストーブやハロゲンヒーターよりも低い消費電力でも寒さを感じにくく、電気代も安く抑えられる傾向にあります。

デザインも縦長スリムなものが多いので、インテリアの邪魔をせず、収納スペースもあまり取りません。
価格:8000円程度~
 
カーボンヒーター

山善 速暖カーボンヒーター&遠赤外線シーズヒーター 画像出典:Amazon

■グラファイトヒーター
グラファイトと呼ばれる黒鉛を発熱体として使っているヒーターで、特徴は立ち上がりの早さです。ハロゲンヒーターやカーボンヒーターも立ち上がりが早いと言われていますが、それよりも優れていて、スイッチをつけたらすぐに温かさを感じられます。遠赤外線効果も高く、寒い場所から戻ってきたときにすぐに使えて、一気に温まれる暖房器具です。
価格:10000円程度~

グラファイトヒーター

アラジン 遠赤グラファイトヒーター 画像出典:Amazon


■パネルヒーター
パネルと呼ばれる平たい板状のもので電熱を覆った薄型の暖房がパネルヒーターです。表面がパネルで覆われているので、触っても火傷をしにくく、温風が出ないので、音が静かです。

薄型なので、トイレや洗面所、テーブルの下など、狭い場所でも使いやすいのが便利。部屋全体を暖めるパワーのある機種もありますが、長時間使い続ける場合は、電気代が高くつくこともあります。
価格:6000円程度~
パネルヒーター

遠赤外線デスクヒーター 省エネパネルヒーター 画像出典:Amazon


■セラミックヒーター 
空気を取り込んで、それを内部で暖め、温風を吹き出すセラミックヒーター。すぐに暖かくなる点は同じですが、その感じ方は他のものとは違います。また、触れても火傷の危険がなく安全です。

さらに、特徴的なのが加湿機能を備えている機種があること。エアコンのように温風が出てくると、室内が乾燥しがちですが、それを補う機能があります。その分、他の電気ストーブよりもスペースを取るものもありますが、加湿器を別に設置しようと考えている人にとってはひとつにまとまるので、省スペースと考えることも。

ただし、消費電力はやや高めです。主暖房と併用して使うとなると、電気代がかなり高くなることも考えられます。
価格:ヒーターのみ 5000円程度~、加湿機能付 10000円程度~
セラミックヒーター

シャープ プラズマクラスター搭載 加湿セラミックファンヒーター  画像出典:Amazon


■こたつ 
室内の温度が低くても、こたつ布団の中に潜り込んでしまえば、これだけでも十分に暖かさを感じられます。こたつだけなら電気代もあまりかかりませんし、地域や建物にもよりますが、それ以外の暖房なしで生活しているという一人暮らしの話も聞きます。

ただし、こたつのデメリットは場所を取ること。夏の間はこたつ布団をはずしてテーブルとして使うことも考えられますが、布団はどこかに仕舞わなくてはいけません。また、その心地よい暖かさにこたつから抜けられなくなって、フットワークが悪くなってしまうなっていうのもよくある話ですので、ご注意を。
価格:5000円程度~
こたつ

山善 カジュアルこたつ(75cm正方形)   画像出典:Amazon


■ホットカーペット 
主暖房にエアコンを使っているときなど、足元だけが寒いと感じることがあります。そんなときの補助的暖房としてホットカーペットはおすすめです。1畳程度のごく小さいスペースのものや、暖まる範囲を切り替えられるタイプもあるので、消費電力が少なく、一人暮らしにも使い勝手がいいでしょう。

ホットカーペットの上にこたつ布団をかけて使えば、その中はしっかりと暖まるので、こたつ代わりとしても使えます。
価格:5000円程度~(2畳用)
電気カーペット

LIFEJOY 軽くて丈夫 日本製 電気カーペット 2畳 画像提供:Amazon

 

暖房器具購入の前に注意したいこと

■灯油やガスを使うなら、契約書をチェック
賃貸住宅の場合、契約上灯油やガスの使用が禁止されていることがあります。まずは契約書をよく確認しましょう。勝手に使うのは、絶対に止めてください。

■契約アンペア数をチェック
熱を発する暖房器具は、電化製品の中でも消費電力が大きいものが多いので、電気容量が足りるかを確認しましょう。
自分の部屋の契約アンペア数を知るためには、毎月電力会社から届く検針票を確認します。アンペア数を変更したい場合は、電力会社に連絡をしますが、建物の設備の状況によっては、上げられない場合もあります。大家さん、もしくは管理不会社に相談してみましょう。また、契約アンペア数を上げれば、基本料金も上がります。

■コンセントの位置をチェック
一人暮らしの部屋では、コンセントの数が少ないことも。消費電力が高い暖房器具のような家電を、延長コードで無理やり伸ばしたり、タコ足配線でつなぐのは危険です。使いたい場所にコンセントがあるか、確認をしてから購入してください。
一人暮らしの暖房器具 注意点

暖房器具を使うときにタコ足配線はとっても危険。絶対にやめましょう


暖房を購入する前には、まず「部屋全体を暖めたいのか」「部屋や身体の一部だけ暖まればいいのか」を確認しましょう。必要な場所に適切な暖房を備えれば、節約につながったり、暮らしの快適さがアップすることもあります。

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