犬のしつけのプロ。それがドッグトレーナーや訓練士さんたち。しつけについて学びたい、日頃の悩みを相談してみたい。そんな時に強い味方になってくれます。自分にぴったりのトレーナーを、さぁ、どうやって探しましょうか?

しつけの考え方も大きく変化

オスワリ
何気ないオスワリのポーズ。実は、犬を落ち着かせるのにも役立ちます。
ご存知のように日本の犬社会においては、一昔前に比べていろいろなことが変化してきています。フードのこと、医療、ケア、しつけ……犬との関わり方はもちろんのこと、犬に対する意識そのものが大きく変革してきており、まさに黎明期とも言える時代を迎えています。

特に活発な動きを見せているのがしつけに対する考え方と、そのトレーニング方法。比例するように、関連のスクールやトレーナーの数も増えてきています。どこに通ったらいいのか、どのトレーナーに習ったらいいのか、迷ってしまいますよねぇ。訓練士、トレーナー、インストラクターなど、名称もいくつもあって、どこがどう違うのか?と思う人もいるかもしれません。ここでは「トレーナー」という名称で統一して話を進めたいと思います。

ドッグトレーナーとしての資格

どうしてこのように名称がいろいろあるのでしょう? トレーナーに関して、現在のところ国家試験のような統一された資格があるわけではないということが理由の一つでしょう。各団体によって発行されている資格がもとになっているわけですが、国内において最も歴史のあるものと言えば、ジャパンケネルクラブ(JKC)や日本警察犬協会などの公認の訓練士資格。

ジャパンケネルクラブの場合は「訓練士補」「訓練練士」「訓練教士」「訓練範士」「訓練師範」という5つのランクに分かれており、訓練士補はJKC公認のトリマーを養成する機関で課程を修了した人が得られるものです。それぞれに年齢や経験、実績など、必要とされる条件を満たした人が受験できる仕組みです。日本警察犬協会の場合も「三等訓練士」「二等訓練士」「一等訓練士」「一等訓練士正」「一等訓練士長」と、5つのランクに分かれています。

近年、犬に関する団体・協会などの数も増え、独自のトレーナー資格を発行しているところが多くなってきました。複数の団体の資格をもっているトレーナーもいますし、海外で学び、海外の団体の資格を持つトレーナーもいます。中には独学でトレーニングを修得し、資格はもたずにトレーナーとして活躍している人も少数ですが存在します。



しつけ教室、ドッグトレーナー選びのポイント

アジリティーを楽しむ
アジリティーなど、将来的にやってみたいものがあるなら、それに強いトレーナーやスクールを選ぶのもいいだろう。
一概には言えませんが、訓練士と呼ばれる人達は一般的なしつけはもちろんのこと、アジリティーなどのスポーツや訓練競技会、警察犬、災害救助犬など、より専門的なトレーニングにも長けている人と言っていいでしょう。一方、トレーナー、インストラクターというと、ごく普通の家庭犬としての生活に必要なしつけに重きを置いた人といった感じです。どちらにしても知識と経験、そして犬への愛情が必要な職業です。

しつけを習う場所(方法)としてもスクールや訓練所に出向いて習う、ペットショップやカルチャースクールなどで行われるしつけ教室に参加する、出張トレーニングを依頼する、などがありますので、自分の希望や環境に合ったトレーナーやスタイルを選ぶのがいいと思います。

しつけ教室やトレーナーを選ぶ際のポイントをいくつかあげてみましょう。

  1. できれば犬を迎える前にしつけ教室やトレーナーについてある程度の情報を仕入れておく。実際に犬と暮らしている飼い主さん達からの口コミ情報は有用。
     
  2. 自分が何を望んでいるのかを考える。子犬の社会化を重視したいのか、アジリティーなどのスポーツや各種競技会などにも挑戦してみたいのか、困った癖について相談したいのかなど。トレーナーによっては得意分野がある。アジリティーの得意なトレーナーであればスポーツドッグとしてのフィジカル、またはメンタル面のケアなど教えてもらえることもある。
     
  3. できれば何人(何ヶ所)かにコンタクトをとり、トレーニングに対する考え方など話を聞いてみる。現在ではイギリス式、オーストラリア式などその独自性を主張するトレーナーやスクールも増えており、少しずつ考え方やトレーニング方法に違いがあるので、どういう考え方をもとに、どんなトレーニング方法を使っているのかなど、よく話を聞いて自分が納得できる人を選ぶ。
     
  4. 人柄は大切。犬に対する態度や、人に対する応対の仕方などもチェック。
     
  5. なるべくトレーニングの様子を見学させてもらう。スクールの場合は衛生管理はどうかなどもチェックを。
     
  6. トレーナーの資格について。発行している団体などについても少し情報を得てみる。団体の考え方や主張していることから、そのトレーナーの考え方、トレーニング方法などがちらりと見えてくることもあり。
     
  7. 知識と経験が豊富で、犬への愛情がたっぷりな人を選ぶ。知識からだけでは得られないのが経験。犬種の数が多く、個性も豊かな犬達。経験があってこそ対処できるものもたくさんある。
     
  8. 理論に偏りすぎていないこと。頭でっかちでは犬も自分も窮屈。理論もテクニックもバランスがとれているのが望ましい。
     
  9. 費用が明確で、あまりに高額過ぎないこと。
     
  10. スクール形式の場合でも、その場で聞きたいこと、教えて欲しいことがあるもの。ある程度、マン・ツー・マンの時間が確保できる内容が望ましい。
     
  11. 動物取扱業の登録がきちんとなされていること。


その他のワンポイント

最後に、以下のようなこともポイントになります。

  1. 特性や気質から、犬種によっては扱い慣れていないと手を焼くこともままある。自分の子と同じ犬種を数多く扱っているトレーナーであるとよりよい。
     
  2. 信頼できるトレーナーが見つかったら、なるべく同じ人(もしくはスクール)で通したほうが妙な癖がつきにくい。考え方やトレーニング方法がそれぞれ違うのに、トレーニングがうまくいかないからところころトレーナーを替えることによって犬に妙な癖がついたり、問題行動などを抱えていた場合には直るどころか、余計ひどくなってしまうとケースもある。
     
  3. しつけ以前に、社会化がうまくできているかどうかがしつけにも左右する。社会化についてもしっかり考えているトレーナーやスクールを選ぶ。


毎年各地で行われている訓練競技会や犬イベントでのしつけ教室などは、数多くのトレーナーに会える場所でもあります。見学がてら、そうしたところに足を運んでみるのもいいのではないでしょうか。
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。