犬を飼うことが決まったら、さて、子犬をどこから入手するか? ブリーダー、ペットショップ、里親など、入手先はいくつかありますので、それぞれの特徴や、入手する時の注意点などについてご説明しましょう。

ブリーダー

シェットランド・シープドッグの子犬
欲しい犬種が決まっているのであれば、その犬種に詳しいブリーダーから入手するのも一つの方法。
すでに欲しい犬種が決まっている場合、その犬種を繁殖しているブリーダーから入手するのが一番の早道と言えます。犬の専門雑誌などにブリーダーの広告が掲載されていますし、ネットから検索することもできます。

広告やHPなどは、どんなジャンルのものでも一見よさげに書かれているもの。写真やHPの作り、誇大広告などに惑わされないよう実際に足を運び、自分の目で見て、話を聞き、そして判断することが何より肝要です。ブリーダーと言ってもピンからキリ。その犬種を愛し、真摯に繁殖に取り組んでいる人もいるかと思えば、まるで繁殖工場のごとき、犬を商売の種としか考えていないのでは?と思えるような人もいるからです。以下に、ポイントとなるところを記しておきますので、チェックしてみてください。

  1. 犬達の生活場所が清潔に保たれているか
    犬舎が不衛生であったり、犬達が妙に汚れたままであったりするのは、病気予防に対する意識が低いと思われても仕方ないでしょう。
     
  2. 子犬ばかりでなく、母犬や高齢犬の世話も行き届いているか
    悲しいことですが、子犬が産めなくなった母犬や、高齢となった犬の世話がぞんざいになっているようなブリーダーも中にはいます。こうした人は本来ブリーダーとは呼べないと思いますが。
     
  3. 犬に対する知識はもちろん、その犬種についての知識が豊富か
    犬種によっては、より気をつけて世話をしたいようなこともありますので、そうしたアドバイスがきちんとできるか。こだわりのあるブリーダーですと、同じ犬種を長く愛するものです。が、ときに流行だからと扱う犬種をころころ替えるような人もいます。こうした人はあまりお勧めできません。
     
  4. マイナスの情報もきちんと話してくれるか
    人間も犬も完璧なものは存在しません。長所もあれば、短所もあるもの。あまりにいいことしか話さないというのは、ガイドとしては少々信用を欠きます。その犬種の欠点や、遺伝性疾患などについても必要な情報はきちんと伝えてくれる人かは大事です。
     
  5. 子犬の社会化に取り組んでいるか
    生後3週齢~生後3ヶ月くらいまでは、周囲の環境、人や他の動物などさまざまなものに対する適応能力を身につける、子犬にとって最も大切な社会化適期となります。この時期の育て方が、後の成長や性格形成に大きく影響しますので、社会化に真面目に取り組んでいるブリーダーがベストです。
     
  6. 後の相談に気軽に乗ってくれるか
    特に初めての子犬育ては、わからないことや悩みもつきもの。そうした相談に、気軽に乗ってくれる人だとなおいいですね。
     
  7. 動物取扱業の登録を受けているか
    2006年6月から、改正「動物の愛護及び管理に関する法律」により、ブリーダーは動物取扱業としての登録と、動物取扱責任者の配置が義務付けられています。


ペットショップ

柴犬の子犬
ペットショップには可愛い子犬がたくさん。衝動買いする前にチェックを。
巷に多くあるペットショップも千差万別。「可愛い~」と衝動買いする前に、以下のようなことをチェックしてみましょう。

  1. 子犬はもちろん、子犬の生活場所、店内などが清潔に保たれているか
    ペットショップを始め、ブリーダーやトレーナー、ペットシッターなど動物取扱業者とみなされるところは、法律的には、一日一回以上の清掃をすることが義務付けられています。
     
  2. あまりに幼齢の子犬を売っていないか
    健康面、社会化の面からいっても、あまりに幼い子犬を売ることには不安があります。法律的にも幼齢動物の販売は制限されています。ちなみに、「環境省中央環境審議会動物愛護部会第21回参考資料1-1」によると、2006年度に行われた環境省・全国ペット小売業協会アンケート調査の結果、販売店による犬の販売日齢の平均は、60.1日齢となっています。
     
  3. スタッフが、犬や犬種についての知識が豊富か
    ペットショップの中にも、大型店から小規模なお店、ブリーダー直営店などがあります。ブリーダー直営店に代表されるように、特定の少数の犬種を得意とし、扱っているようなところもあります。どこであるにせよ、質問に適切に答えが返ってくるか。日頃、疑問に思っていることなど聞いてみましょう。
     
  4. マイナスの情報もきちんと話してくれるか
    ブリーダーと同じです。売りたいがために、いい話ばかりを連発するのはちょっと不安。
     
  5. 自分に合った犬種を勧めてくれるか
    家族構成や、飼いたい目的などをちゃんと聞いてくれ、それに合った犬種を薦めてくれるか?というのは大事です。
     
  6. 子犬の社会化に取り組んでいるか
    これもブリーダーと同じです。中には、子犬同士を遊ばせたりする時間を設けているお店もあります。子犬の社会化について、どういう考えをもち、どう取り組んでいるのかスタッフに聞いてみるのもいいでしょう。
     
  7. 子犬の入手先はどこか
    これはなかなか聞きづらいかもしれませんが、せめて親犬はどんな犬なのか?というようなことを聞いて、ある程度の答えが返ってくるお店のほうが安心できると思います。
     
  8. 生命保証制度はどうか
    わりとトラブルになるのが、子犬を家に連れて帰ったのはいいものの、すぐに亡くなってしまったというようなケース。生命保証がしっかり組まれているかはチェックです。
     
  9. 登録業者である標識や名札が掲示されているか
    先に出てきた「動物の愛護及び管理に関する法律」により、動物取扱業の登録がなされていることを示す標識、そして名札の掲示が義務付けられています。(*新・登録への切り替え、またはその取得がなされた場合にのみ義務付け/環境省発行パンフレットより)
     
  10. 子犬に関する情報を文書で渡してくれるか
    これも上記の法律により、子犬の病歴やワクチン接種歴、その他飼育に関する情報などを文書にしてお客さんに渡すことが義務付けられました。渡してくれないところは、要注意かも。


里親募集

ミックス犬
子犬ばかりでなく、成犬を譲り受けるのも一つの選択肢。里親を待つ犬達は多いのだから。
  1. 保健所や動物愛護センターから入手
    世間には、飼育放棄されたり、飼い主をなくした犬、新しい飼い主を待つ犬達がたくさんいます。環境省発表の2007度における犬の殺処分数は98,556頭。年々減ってきてはいるものの、まだ多くの犬達が寿命をまっとうできずに命を落としている現状です。保健所や動物愛護センター、そして一般の保護団体などには、引き取られた犬達が明日が見えないままに里親を待ち続けています。行政の収容施設に引き取られると、殺処分まではほんの数日の猶予しかありません。

    子犬をブリーダーなどから入手するのもいいのですが、こうした犬達の存在も忘れないでください。そして、子犬からでなくても、成犬から迎えることも充分に可能なのです。みんな同じ「犬」。選択肢の一つとして考えてみてください。

    各自治体の収容施設では、そうした犬達の譲渡会も行っています。そこから犬を譲り受けるには、ある程度の条件が必要なのですが、以下に東京都動物愛護相談センターの例を挙げてみましょう。

    譲渡を受けるための条件
    1. 譲渡前に講習会を受講している人 
    2. 東京在住で、成人であること 
    3. 犬を飼うことを家族全員が賛成していること 
    4. 最後まで責任をもって飼い続けることができる人 
    5. 不妊去勢手術などの繁殖制限措置が確実にできる人 
    6. 集合住宅や賃貸住宅に住んでいる場合は、ペットの飼育が許可されていること

    各施設によって、譲渡条件には若干の違いがあります。興味がある方は、それぞれの施設に問い合わせてみてください。
     
  2. 一般の保護団体から入手
    一般の保護団体から入手する場合には、それぞれの団体によって本当に飼えるのかどうか、ある程度のチェックがあり、飼うための条件についてのお話もあると思います。保護された子達は、多くがわけあり。それについてもきちんと話してくれるところがいいでしょう。いろいろな事情を受け止めてくれる人に飼い主になって頂きたいですね。


飼い主としての義務

最後に、飼い主としてやらなければならないことについてお話しておきましょう。

狂犬病予防法により、「犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合にあっては、生後90日を経過した日)から30日以内に厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあっては区長。以下同じ)に犬の登録を申請しなければならない」となっています。

また、年に1回、狂犬病の予防接種が義務付けられ(接種時期は毎年4月1日~6月30日の間)、生後91日齢以降の犬を初めて連れて来た時は、その日から30日以内に最初の接種を受け、以後年1回の接種をします(ということは、生後90日齢までの子犬はまだ接種しなくていいということ)。ただし、前の年の3月2日~5月31日までの間にすでに接種を受けている場合は、30日以内の接種が免除され、以降、年に1回の接種となります。ただし、狂犬病予防接種は個体によってはショックを起こしたりするケースもあり、高齢犬や何らかの病気をもっているために接種できないこともあるでしょう。そうした場合、動物病院に相談をすると「狂犬病予防注射猶予証明書」というものを発行してもらえますので、それを自治体に提出すると接種が免除されます。

登録をすることによって「鑑札」が、予防接種を受けることで「注射済票」が交付されます。法律的には、この両方ともを犬に付けておくことが義務付けられていますが、実際には付けていないケースが多いようですね。鑑札は、犬版の住民票みたいなもの。迷子になった時などにも役に立ちますので、引き出しにしまいっぱなしにしませんように。

ちなみに予防接種は、その時期に自治体ごとに集合注射も行われていますが、動物病院で接種ができます。登録手続きも代行してくれるところが多いですから、動物病院で一度お尋ねください。飼い主としての管理義務も果たし、幸せなドッグライフをスタートさせてくださいね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。