信頼できる先生を捜しましょう
信頼できる先生を捜しましょう
信頼できる先生を捜しましょう
猫を飼うと決めた瞬間から探し始めて頂きたいのは、信頼できる動物病院です。猫という動物は、たとえどんなに管理が徹底しているブリーダーさんから来たとしても、環境が変わってストレスが加わればそれだけで病気になることがあります。

生きものと暮らす上で絶対に避けられないことが病気、ケガ、そしていつか来るお別れの時……。それぞれのときに、必ずお世話になるのが獣医さん。では、どんな動物病院を選べばよいでしょう。ここでは、信頼できる獣医師の選び方・探し方、動物病院に行くときの注意や先生との付き合い方、また猫を病院嫌いにしないコツなどをご紹介します。

病気になったら行く、だけでないのが動物病院

動物病院は、動物を飼っている人だけが行く場所でしょうか? 実は動物病院には、動物を飼う前に相談に行っても構わないのです。これから新たに動物との生活を希望する人は、自分の生活に適した動物についての相談・飼い方・しつけ・食事・手入れ・必要な生活用品・健康管理法などのアドバイスを動物病院で受けることができます。現代の動物病院は病気やケガをしたら連れて行く場所というだけでなく、ワクチンなどの予防医学を含めて猫を健康的に育てるためのアドバイザーでもあります。

近年は専門的な分野(皮膚科専門・眼科専門といったような)に特化した動物病院も増えてきていますが、一般的な動物病院の最大のメリットは、ひとりの獣医師がその猫の一生における総合的な健康管理を行える点にあります。

 


 

動物病院・信頼できる獣医師の見極め方

信頼できる主治医を見つけるのはかなり難しいと思われますが、できれば下記のようなポイントを満たしている動物病院が望ましいでしょう。
  1. 獣医師・スタッフ共に動物に対して深い愛情と、生命を扱う自覚と使命感を持っていて猫の扱いになれている
  2. 病院は明るく清潔である
  3. 最新の設備を整えていて、最低限でも血液検査(生化学)は院内でできる
  4. 病院まで20分以内で行くことができる
  5. 緊急時、時間外の対応をしてくれる
  6. 病気や検査、薬に対する質問に対し、面倒くさがらずわかりやすく答えてくれる
  7. 料金が明瞭会計で、領収書に明細が記載されている
  8. 手指・器具・診察台などを毎回必ず消毒している
  9. 注射器は使い捨てにして、注射針の管理などがきちんとされている
  10. 猫の体重を量ってから薬を出す
  11. ワクチンの証明書にワクチンのロットナンバーシールが貼られている
  12. 学会に出席するなど、新しい知識を吸収しようとする努力が見られる
  13. 院内に新しい薬や、フードのパンフレットなどが掲示されている
  14. 猫の行動学・習性などについての知識があり、ブリーダーなどの経験者から学ぼうとする努力が見られること(なんといっても飼い主さんに優る観察者はいないわけですから、飼い主さんに敬意を払ってくださる先生が望ましいと思います。もちろん飼い主さんにも努力が必要ですが)
  15. 自分の手に負えない病気だとわかったら、専門の病院を紹介してくれる

主治医としての動物病院は、できるだけ近場の方が便利でしょう。しかし緊急時主治医に連絡が取れなかったら駆け込める救急病院や、眼科や皮膚科など専門知識が必要なときに連れて行ける病院など、複数の病院をチェックしておくことをお勧めします。

よい動物病院・先生と出会う方法

運や縁という言葉で片づけたくはありませんが、それもひとつの要素だと思います。でも一番確かなのは、先輩の猫友達や近所で猫を飼っている人に評判の良い獣医さんを教えてもらうことです。近場で見つかればそれに越したことはありませんが、猫友達が遠くに住んでいる場合は、猫友達の主治医先生に自分の住んでいる地域の先生を紹介していただくという手もあります。同じ大学の出身者や、学会で顔を合わせるなどの先生の交友関係、同業者の推薦ほど確かなものはないでしょう。

相談できる人がいないときは、ネットの口コミ情報やタウンページでご近所の動物病院を探してみましょう。そして健康診断を受けに猫を連れて行ってみます。自分の目で院内の様子を見て、待合室でほかの患畜の飼い主からその先生の情報を聞いて、診察中の猫の扱い方をみる。腕のよい先生かどうかはすぐにわからなくても、猫の扱い方をみればその先生が猫に慣れているか? そうでないかはわかるでしょう。あなたがもしこの先生は「いいかもしれない」と思えたのなら、次はワクチンをお願いしてみましょう。

そしてもし信頼できそうな先生が見つかったら、さて、今度あなた自身が先生と仲良くつき合える飼い主さんになってください。

 


 

動物病院に行く時の飼い主のマナー

動物病院に猫を連れて行く場合に、飼い主さん側もこれだけは守らなければという約束事があります。

  1. 猫をキャリーに入れましょう
    診察を受けに行くときは、猫をキャリーケースや、もしキャリーケースがなければ洗濯用のネットに入れるなど、猫が飛び出さないようにして連れて行くのが最低限のマナーです。

    ちょっとした物音や話し声でもパニックを起こすのが猫。もし飼い主さんの腕から飛び出した猫が、運悪く開いたドアの向こうに飛び出したら捕まえることは不可能! 外に飛び出さなくても、キャリーに入れていない猫がそこにいるだけで他の患畜さん迷惑です。診察を受けるその瞬間まで、特に待合室では猫を外に出さないようご注意ください。

    ハーネスやリードを付けているから大丈夫、と安心している飼い主さんも見かけますが、病院は病気の動物が集まるところです。自分の可愛い猫にノミやダニ、他の病気を移したくなかったら、他の患畜さんと接触させないように注意してください。

    どんなに他の猫や犬が可愛くても、触ることで感染する病気で通院している患蓄もいます。素手で触らないように。もし触った場合は、自分の猫を触る前に手を洗いましょう。
  2. 何を質問されても答えられるように用意しておきましょう
    猫が「お腹が痛いので病院へ連れて行って」と言うわけがないのですから、飼い主さんはその猫の状態をきっちり把握し、「いつ」「どんな状態」になって病院に連れてきたのか説明する必要があります。病院ですぐに受け答えできるように、以下チェック項目をメモ書きしていくと診察の手助けになるでしょう。

    ■具合が悪くなったのはいつから?
    具合が悪くなったと気付いたのはいつですか? もし外出している間に何か起こったなら、何時に出かけて何時に戻って気付いたか、気付いたときの症状は?

    ■どんなふうに?
    吐く場合
    いつ頃、何回ぐらい、どんな状態ものを? もし持っていけるのならサランラップなどで吐いたものをくるんで持参してください。

    下痢の場合
    いつ頃、何回ぐらい、どんな状態のものを? 下痢をしている場合も、便を持参したほうが診断に役立ちます。

    ぐったりしている場合
    最後に食事をしたのは? 何をどのぐらい食べたのか? 水を飲んだのはいつ? オシッコはいつも通り出ていますか? 量は? 色は?

    連れて行く病院がかかりつけの先生でない場合は、ワクチンの記録も答えられるようにしておきましょう。食べているフード(メーカー)1日何回、どのような形で与えているかなども必要な情報となるでしょう。

    大概はそれほどの重病でなく、先生も診断すればおおよその病名はわかるでしょうが、飼い主さんの観察に優るものはありません。日頃から猫の行動を注意して覚えておいて、いつもと違う様子が少しでもあればそれを伝えましょう。何気ない飼い主さんの観察力が診断の手助けになることもあります。
  3. うちの子(猫)の性格を伝えましょう
    飼い主にはなんでもないと思っても、猫には大きな驚異!と感じる瞬間があります。飼い主にとってはどんなに可愛い、よい子でも、もしかしたらはじめての先生には非常に凶暴な猫に豹変するかもしれません。いつもだったら、触られたり抱っこされても平気な子でも、病院に行くのは猫の状態がよくないとき。もし家で一度でもパニックを起こしたことがあるならば、それを伝えて先生に心の準備をしていただきましょう。家ではどんなに良い子でも、診察室では暴れることがあります。
  4. 治療の最中に質問したり、話しかけるのはやめましょう
    ある程度治療が一段落して、先生の方から話してくだされば、そのときわからないことを質問するのはかまわないでしょう。でも、診察中は先生も色々な症例を考えている最中かも知れません。もし、どうしても疑問に思うことがあって、そのとき質問したいならば、「今、お話伺ってもよろしいですか?」と都合を尋ねる気配りが欲しいです。
  5. わからないことはきちんと聞き返しましょう
    もし面倒くさがったり、曖昧な返答しか返ってこない場合は信頼関係が築けない先生かも知れません。人間同士ですから「合う」「合わない」があると思います。先生の方に命を預かっているという自覚がみられない場合、主治医としてお願いするのは考えものです。後で後悔を残さないために、そこでの治療を続けるかどうか今一度考えてください。
  6. メモ魔になりましょう
    そのときの猫の体重や心拍数、そして薬が出た場合は、何のための薬か、何という名前の薬か聞いてメモに残し、自分自身と猫のための知識にしてください。ただし、何回動物病院に通って様々な病気の治療に立ち会ったとしても、あなたはあくまで素人。専門の勉強を積んだ獣医師とは違うと自覚してください。
  7. 獣医師の指示は守りましょう
    病状が落ち着いたからといって出された薬を最後まで飲ませなかったり、前にもらった薬はこの症状のときに飲ませればいいなどと判断し勝手に薬を与えるなどもってのほか。多頭で猫を飼っていて、別の猫と同じような症状になったからといって、治療を受けた猫の薬を与えるのはやめましょう。

診断はあくまで獣医師に任せましょう。そのためにも信頼できる先生を探すための努力をしてください。薬の飲ませ方など、どんなことでも不安に思うことがあれば先生に聞きましょう。先生とは気軽に質問ができる関係を築きましょう。

 


 

診察料金について

動物病院は自由価格となっていますので、同じメーカーのワクチンを接種しても2,500円から8,000円と差があります。値段が高いのにはそれなりの理由があるとは思いますが、値段が高いからよい病院とは限りません。診察料金が納得できるかどうかは、飼い主さん次第です。

猫を動物病院好きにする方法

猫の性格によって非常に難しい子もいますが、病気になってから、ケガをしたから病院に行くと、猫は痛いこと、イヤなことをされる場所としての記憶しか残りません。病院側の受け入れ態勢が整っていれば、健康状態に問題がないときにも病院に連れて行き、先生や看護師さんに触ってもらいましょう。病院に行ったけど何も痛いことをされなかったと覚えさせておくのです。

病院に行くと猫よりも緊張してしまう飼い主さんが多いように感じます。飼い主さんがリラックスして、病院で先生やスタッフと気軽に対話できるようになれば、その雰囲気は猫にも伝わるでしょう。

この他、病院に行くときはキャリーケースに入れますが、そのキャリーケースにも日頃から馴らしておきたいです。扉を開けっ放しにしたキャリーケースを部屋の中に置いて、猫がそこを自分のベッドのひとつとして使えるようにするなど工夫してみてください。

人間であれ、動物であれ、お医者さんという職業はサービス業ではないかな?とわたしは思っています。技術的にどんなに優れたものを持っていても、患者さん(動物の場合は飼い主さん)とコミュニケーションが図れないようでは困ります。インフォームドコンセントという言葉をよく聞かれると思いますが、獣医さんは「ものがいえない」「言葉を理解できない」動物に代わり飼い主さんにきちんと病状を説明し、今後の治療展開を話し、飼い主さんが理解できるようにしてくれる必要があるのではないでしょうか。愛猫のために、是非信頼できる主治医を見つけてください。

【関連記事】
愛猫の健康チェックと健康診断
猫の去勢と避妊
老猫・高齢猫のサイン
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。