お留守番もふたりだと安心
お留守番もふたりだと安心
仕事で長時間お留守になる家庭でも 、仲良しの猫同士で留守番していると思うと安心できます。なにより、猫同士が仲良くグルーミングし合ったり、抱き合って眠っている姿を見られることは、至福の幸せ。

猫は1頭だけで飼う方がよいのか、それとも複数で飼った方が幸せなのかしら? それは猫の性質や住環境、面倒をみる人間の数、あなたが猫とどんな風に暮らしていきたいかで、まったく違ってきます。

ここでは、猫を多頭飼育にする際に気を付けていただきたい考えてみたいと思います。

多頭飼いできる生活環境?

犬と違い毎日散歩の必要がなく、トイレの掃除を怠らなければ猫自体はほとんどニオイがない動物なので、同居する人間からすると複数頭になっても、それほど手間が増えるわけではありません。しかし、トイレの個数は猫の数プラス1が理想とされていますので、掃除・チェックの回数を増やさなくてはいけません。

猫が3頭いれば食事やトイレなどの消耗品費が3倍になるかというと、そこまで出費がかさむわけでもありません。ドライフードなどは大きな袋で購入した方が割安ですし、缶詰などは1個あけたものを使い切ることができるので、むしろ効率的かも知れません。ただし、動物病院にかかる費用は猫の数だけ必要となりますので覚悟を。

もしマンションなどの集合住宅でしたら、飼育頭数が限られているかもしれませんので契約書を確認してください。家族全員が賛成しているか、それぞれの猫に同じだけの愛情を注げるかなども、よく話し合ってください。そして先住猫(最初から飼っている方の猫)が、新人猫を受け入れてくれるタイプかどうかも考えてみましょう。

これらがクリアできないと思われるのであれば、無理に多頭飼いをしなくてもよいでしょう。これまで以上に同居猫に愛情を注いあげてください。



先住猫は、新人猫を受け入れられる性格・タイプですか?

猫が増える時に一番問題になるのは、先住の猫の性質・性格です。わたしの持論ですが、猫には3つのタイプがいます。

  1. 猫が好きな猫 
  2. 人間(ほかの動物)が好きな猫 
  3. 自分だけが好きな猫

先住猫が「猫が好きな猫」であれば、少々猫が増えてもトラブルは少ないでしょう。この場合は、新しく入ってくる猫も同じタイプであることが条件です。

でも、「人間が好きな猫」だったら? 猫はとても嫉妬深い動物。新しく仲間入りした猫に大切な同居人を横取りされたような気分になって、新人猫をいじめて追いつめてみたり、今までしたことがなかったベットやソファでの粗相などなどトラブルが発生するかも知れません。表面上はじっと我慢して、新人猫を受け入れているように見えても、ストレスをため込んで膀胱炎などの病気になってしまうこともあります。

「自分だけが好きな猫」の場合、新人さんの性格によって簡単に受け入れられることもあれば、その反対も。新人さんが「人間が好き」「自分だけが好き」であればトラブルは少ないですが、「猫が好きな猫」だったら? 先住猫を追い回し、くっついて遊ぼうと誘いますが、これは猫が嫌いな猫にとっては大きなストレス! こちらもストレスで病気になったり、自分の身体を過度に舐めて、舐めハゲを作ったりなどということもあるので、要注意です。

同居猫が増えたせいで、猫の性格が変わってみえることがあります。今まではベタベタ後をついて回ってきたのに、新人さんが来てからすっかりクールな猫になってしまったとか、反対に、とてもクールな性格だと思っていた先住猫が急に超甘えん坊に変身。なんてこともよく見かけられます。どちらがその猫本来の性質だったかはわかりませんが、猫もそれなりに精神状態のバランスを取ろうとしているのではないかと思います。



あなたが猫との生活で望むことは?

あなたが猫とベタベタの甘い蜜月生活をお望みだったら、単頭飼育をお勧めします。猫が1頭であれば、猫の愛情の対象は同居人だけです。猫とは適度な距離感を持って、お互いが家の中をシェアして暮らすスタイルをお望みでしたら、猫にも気の合う仲間がいた方が良いでしょう。

優先権は先住猫に

猫の習性として、先にその場所にいたものがすべてにおいて優先権を持ちます。非常に性質の弱い猫は別ですが、先住が新人より年下でも先住猫に優先権があるので、同居人も新しい猫に対しては二番手として対応するのがベストです。ご飯は先住さんから与えて、名前を呼ぶのも可愛がるのも先住さんを優先してください。新人さんが幼い子猫だったりすると、同居人の関心はそちらに向けられがちですが、何をするのもまず先住猫を優先、今まで以上に先住猫を可愛がってください。

次に入れるのはオスがよいか?メスがよいか?

去勢・不妊手術が済んでいる猫の場合ですが、先住猫がオスの場合は、オスでもメスでも良いでしょう。新人さんが幼い子猫の場合、あまり性別にこだわらなくてもよいでしょう。

しかし、先住猫がメスの場合はオスの方が無難かも知れません。メス猫の中には、同性に対して非常に強いライバル心を抱く猫がいます。一般的にはメス猫の方がおとなしいから飼いやすいと思われるようですが、実は嫉妬深く、警戒心が強く、気まぐれでワガママなのがメス猫の基本的性質。「それって、猫らしくていいじゃない」と理解されている方にはメス猫がお勧めです。一般的に、オス猫の方がいつまでも無邪気に遊んでくれて、あまり細かいことに左右されない大らかな甘えん坊さんが多いので、仲良しになるのが早いかも知れません。

健康状態や年齢は?

先住猫、新人猫ともにワクチンや駆虫、ウイルスチェックなど健康状態に問題がないと思われるタイミングで引き合わせましょう。猫は感染症に弱い動物ですし、ストレスでも病気になりますので、健康チェックはいつも以上に頻繁に!

7歳以上の高齢猫の家に元気いっぱいの子猫が来ると、そのパワーについていけず、先住さんは子猫を避けて引きこもってしまうことがあります。複数飼いを望むのであれば、あまり年齢差を開けない方が無難でしょう。



仲良しになってもらうための方法

多頭飼いの注意ポイントがわかったところで、次に先住さんと新入りさんに仲良しになってもらうための方法をみていきましょう。

  1. 最低2週間は様子をみましょう
    新人さんはケージに入れて、先住さんと対面させるのが一番無難です。初対面の猫同士がフ~シャァ~と毛を逆立てて唸り合うのは、当然の行動。「ものすごく怒ったので、相性が悪いんだわ」と決めつけずに、最低2週間は様子をみましょう。「あれだけ怒っていたのに、いつから仲良しになったの?」と劇的に関係が変化する瞬間があります。ただ、それが2日後か2週間後か、もしくはそれ以上時間が必要なのかは誰にもわかりません。先住猫が長い期間一人っ子だった場合は、自分が猫ということを忘れていて受け入れるのに時間がかかるかも知れません。

    ケージ越しの反応を見て問題ないなと思っても、2週間程度は同居人が留守の間はケージか別の部屋に隔離して、猫だけで留守番をさせないように。
     
  2. 両方の猫の爪を切っておきましょう
    少しだけお互いに慣れてきても、遊びがエキサイトすると猫パンチや猫キックの応酬の激しさに驚かれるかも知れません。本気でケンカする猫同士はいきなり取っ組み合いはしません。どちらかが幼い子猫であれば、その子猫を殺すほど痛めつけることは絶対にありませんが、ある程度の月齢以上ですと過信しない方がいいでしょう。ケンカをしていると思っても、少し過激な遊びかも知れないので、どちらかが降参して追いつめられるまでは猫同士に任せましょう。人間が介入すると、仲良しになるまでの時間が延びてしまうことがあります。
     
  3. お互いのニオイを混ぜちゃいましょう
    猫はニオイで情報を読み取り、また自分のニオイをとても大切にする動物です。先住さんが使っているベッドを新人さんのケージの中に入れ、新人さんの身体をこすったタオルや毛布を、先住さんのベッドに紛れ込ませます。トイレの砂も両方を混ぜます。こうして、お互いのニオイを混ぜていくことで、仲良しになれる時間を短縮できます。同時期に同じシャンプーを使って両方を洗うと自分のニオイが消えてしまうので、受け入れが早まる傾向が高いです。
     
  4. 猫にはそれぞれ自分だけの空間が必要
    どれだけ仲良しになっても、猫にはパーソナルスペース、自分だけの空間、誰にも邪魔されたくない時間が必要です。部屋の隅、ソファの下など、何かあった時に孤独感に浸れるスペースを用意してあげてください。



4頭以上の超多頭の場合

わたし自身の経験ですが、3頭から4頭になった瞬間、猫のために使う時間が増えた!と実感しました。3頭まではほとんど変わらないと思えた食事の支度やトイレ掃除が、4頭になった途端「うちって、猫が多いんだ」に変わりました。4頭以上飼いたいと思う方は、覚悟が必要ですよ。

超多頭になった時の一番の問題は縄張り争いです。先にも書いた猫のパーソナルスペースが、猫が増えることにより侵略されます。そうすると、それまで仲良しに見えた先住猫同士にもトラブルが発生し、粗相などの問題行動が増える傾向が高くなります。縄張り意識の強い先住さんがいるご家庭では、あまり猫の数を増やさないのが無難です。広い家だったり、1階、2階、3階と猫が他の猫と顔を合わさなくても済む空間があれば、超多頭でもやりくりできる可能性が高いです。

超多頭になると、自分だけが好きな猫(人に依存しないタイプ)、猫が好きな猫は同居人と距離を取り始めるので、少数の時は抱っこ好きだったのに最近はあんまり喜ばないわ~という関係になってしまうかもしれません。

猫を複数飼いたい場合、一番いい方法は?

ここまで、先住猫がいる場合の多頭飼育について考えてきましたが、これから猫を複数で飼ってみたいという方は、最初から仲良しの猫同士を一緒に迎え入れるのが一番トラブルが少ない良い方法です。先住の優先権争いも起きませんし、新しい環境に移っても仲良しが一緒ということで環境変化によるストレスが少なく、馴れやすいです。これから新しく猫を迎え入れる予定の方は、是非最初から仲良し2頭で飼うことを検討してみてください。

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