特別養護老人ホーム・特養とは……要介護度3~5・介護施設のなかでも狭き門

介護を受ける高齢者

介護施設の中でも非常に人気が高い「特別養護老人ホーム」。待機者は全国で数十万人と言われています

一般に「特養」と言われる特別養護老人ホーム。介護保険法では「介護老人福祉施設」という名称で呼ばれ、介護保険の施設サービスの1つとして定められています。

原則として、要介護度3~5と認定されており、なおかつ在宅介護が困難な人に対して日常生活の介護や機能訓練、レクリエーションといったサービスを提供しています。

2018年、厚生労働省が発表した「介護サービス施設・事業所調査結果の概況」によると、特別養護老人ホームの数は約7,900。ただ非常に人気が高いため、待機者数は全国で数十万人と言われており、申し込みをしてから入所するまで何年も待つことも珍しくありません。

以前は申し込み順の入所だったのですが、現在は介護の優先度順となっており、要介護度、認知症などの有無、介護者の状況などを総合的に判断し、地方自治体や施設が定めた入所基準に基づいて、緊急度の高い人から入所することになっています。

ただし待機者がゼロという地域もあるので、最初から諦めず、まずは問い合わせをしてみるのがよいでしょう。

多くの特別養護老人ホームができないケアも……痰吸引・胃ろう・経管栄養等

特別養護老人ホームで提供される医療面のサービスは、健康管理や保健衛生が中心。医療的ケアに対応していないところが大半です。

そのため、痰の吸引や水分や栄養をチューブで胃に入れる胃ろう、じょくそう(床ずれ)、鼻などから流動食を投与する経管栄養、尿管カテーテル、酸素吸入といった医療措置が必要な人は入所を断られる場合もあります。何年もの間、在宅で入所できるのを待ち続け、いざ順番が来たのに入所できないといったことも起きる可能性があるわけです。
 

特養で退去になるケース……医療措置が必要になった場合や3カ月以上の入院など

また、入所中に状態が変わって医療措置が必要となった場合、状況によっては退去を命じられることもあります。加えて、病気などで医療機関への入院が3カ月以上におよんだ場合も退去しなければなりません。
 

特養の費用負担の増加の背景……増えるユニットケアと上昇するホテルコスト

「4人程度の相部屋である代わり、低額で入所できる」というイメージの強い特別養護老人ホームですが、現在では新規に建設する場合はプライバシーが保てる個室(ユニットケア)しか認められていません。その分のコスト増は、居住費と食費をあわせた「ホテルコスト」として、利用者が負担することになっています。

従来型の特養では1カ月あたり7~8万円で済んでいた費用が、ユニットケア型の特養では20万円を超えるようなケースも珍しくありません。
 

特別養護老人ホームの対象者・費用・申込先

■対象者
要介護3以上だが、実際には重度の人優先。
※認知症など、理由によっては要介護1~2でも入居できる場合あり

■必要な費用
介護保険施設サービス費の1~3割(所得による)、居住費、食費、その他雑費。

■情報入手&申込先
どんな施設があるかについては、地域包括支援センターまたは市区町村の福祉担当窓口へ。申し込みは直接施設に行うか、市区町村の福祉担当窓口へ。
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