要介護になる原因1位の病気は「認知症」

認知症などでの要介護

骨折などのケガや脳卒中で介護が必要になることは少なくありませんが、最も多いのは認知症が原因での介護です


厚生労働省の「平成28年 国民生活基礎調査の概況」によると、要介護となる原因の1位が認知症となっています。認知症になるとどんな症状が現れ、どんな介護が必要になるのでしょうか?
 

認知症の主な症状……中核症状と周辺症状

認知症になると、「中核症状」と呼ばれる次のような症状が現れます。
  • 記憶障害……物忘れが激しくなる
  • 見当識障害……日時、場所、人がわからなくなる
  • 判断力の低下……状況に合わせた判断ができなくなる
この中核症状に伴い、人によって次のような「周辺症状」が現れます。
  • 妄想……「通帳を盗まれた」などの物取られ妄想、「食事に毒を入れられる」などの被害妄想
  • 幻覚……あるはずのないものが見えたり聞こえたりする
  • 不安……今までできていたことができなくなることによる不安や焦燥
  • 依存……一人になると落ち着かなくなり、常に家族の後ろをついて回る
  • 徘かい……よくわからない目的で歩き回る
  • 攻撃的行動……ささいなことで怒って暴言を吐いたり暴力をふるう
  • 睡眠障害……夜間の不眠、日中のうたた寝など
  • 介護拒否……入浴や着替えなどを嫌がる
  • 異食……食べられない物を口に入れてしまう
  • 抑うつ……気分が落ち込み、何もしたくなくなる
これらの症状が頻繁に現れるようになると、一人で生活することは非常に困難です。普段から安全な暮らしを維持できるように見守り・声かけが必要となります。また、買い物をしたり、料理を作ったり、家事を行ったりすることも難しくなるので、そうした生活面での支援も欠かせません。

認知症とは、正常であった脳の働きが、病気によって持続的に低下した状態のことです。原因となる病気はさまざまですが、多くは「アルツハイマー型」と「脳血管性」のいずれかか、その合併症です。最初は、ただの物忘れとの区別がつきにくいですが、少しでも怪しいなと思ったら、精神科や神経科など専門医の診断を受けましょう。

多くの身体の病気と同様に、適切な睡眠や食生活、適度な運動を行うことで発病の確率を下げられます。また、「老人会に参加する」「一日一品はお婆ちゃんがおかずを作る」など、社会との関わりを持ち続けたり、家族内で何らかの役割を果たすことも認知症の予防に繋がります。

認知症については、「認知症についての基礎知識」でも詳しく解説しましたので、あわせてご覧ください。
 

高齢者うつの症状・介護が必要となる理由

介護が必要となる原因の上位には入っていませんが、認知症とよく似た症状を示す病気として、高齢者うつが挙げられます。

高齢者うつとは、その名の通り高齢者に見られる「うつ」です。体力の衰え、病気への不安、退職などに伴う役割の喪失、配偶者や友人との死別といった「社会的な孤立」や「喪失感」が原因となり、やる気の喪失や気分の落ち込み、判断力の低下といった症状が現れます。

こうなると、声かけなどによって不安や苛立ちをやわらげることが必要となります。また一般のうつ病と同様、周囲が本人に無理をさせたり、焦らすような言動を行うと悪化してしまうので、まずは温かい目で見守り、なるべく早く専門医の診断を受けましょう。

この病気は、女性の患者が男性の倍以上もいると言われており、女性ホルモンの影響、生活環境や家庭を守ろうとする意識の強さが原因ではないかと考えられています。詳しくは以下の専門サイトなどをあわせてご覧ください。

■参考
高齢者とうつ病(なかおクリニック)

介護予防のために知っておくべきこと」に戻る。

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