療養食・食事療法/生活習慣病・メタボ対策の療養食・食事療法

血液ドロドロ?血管が詰まる血栓を予防する食事法

【管理栄養士・RDが解説】動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの原因になる血管の詰まり。心筋梗塞や脳卒中を起こしたことがない人は予防のために、すでに起こしてしまった人は再発防止のために、よい食生活を心がけましょう。血管、血液の健康維持に効果的な食事のポイントを解説します。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

血管や血液の健康状態は食生活でも変わる

男性

動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など血管が詰まることで起こる病気は様々。日頃の食生活のちょっとした心がけが予防に有効です

動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など血管が詰まることによる病気は色々あります。まだ心筋梗塞や脳梗塞をまだ起こしていない人にも、すでに起こしてしまった人にもお勧めの食事法です。

ちなみに、血管が詰まる食事例には、朝食に菓子パンやトースト、昼食にハンバーガー、おにぎり、サンドイッチと清涼飲料水、おやつにポテトチップやクッキー、夕飯に丼、麺もの、インスタントフードにアルコールなどです。血管を健康にする食べ物が含まれていない食事の代表的な例です。

後述の食事法は、低塩、豊富な野菜・果物、雑穀類、十分なカルシウム、体に良い脂質の摂取が基本となっています。血管が詰まっている人は、血圧管理と体重管理も必要となるでしょう。

脳卒中などで、飲み込みが上手に出来なくなってしまった人は、専門家による食事プランの作成が必要です。自己流で食事をすると、上手く飲み込めなかった食べ物が肺に入って、肺炎などを起こして深刻な状況になることもあります。ムセてなくても気管に食べ物が入ることもあるので注意しましょう。

血管をしなやかにするにために増やすべき食べ物

■たっぷりの野菜と果物
たっぷりの野菜と果物を食べてカリウムで血圧をコントロールをしましょう。バナナ、みかん、さつまいも、かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなどがお勧め。腎臓疾患のある人はカリウム制限がある場合もあるので要注意。血栓塞栓症の治療や予防のために服薬している人は、ビタミンKの管理が必要なことがあるので、医療者に相談して下さい。

■1日に20~30gの食物繊維の摂取を目指す
食物繊維をたっぷり含む食品は野菜、果物、豆、根菜類、雑穀類などです。果物は1日2種、根菜・野菜料理は3~4種、1日1食は雑穀(麦飯、玄米やホールグレインのパン)を目指しましょう。豆料理も意識して摂取しましょう。

■日本人には嬉しい魚の健康効果
魚には脂質異常症を改善する脂質が含まれます。週に2~3回は青魚を食べるといいようです。特に、さんま、あじ、さけ、ぶり、いわし、まぐろなどがお勧めです。

■カルシウムは十分に
乳製品からもカルシウム、カリウムをしっかり摂取しましょう。適度のカルシウム摂取は血圧のコントロールに役立ちます。乳製品を取らない人は、小魚、小松菜、枝豆、豆腐、豆乳、チンゲン菜などから摂取しましょう。

朝食に、ヨーグルト、果物、雑穀パン、昼食に、麦ごはん、焼き魚、野菜炒め、夕食に、雑穀ご飯、肉料理、野菜や根菜類の煮物、などが献立例です。

血管をしなやかにするために制限すべき食事

■脂のとりすぎには注意
飽和脂肪酸の摂り過ぎはカロリーオーバーにつながりやすので注意しましょう。飽和脂肪酸を多く含む食品には、牛ばら肉、豚ばら肉、皮付きの鶏肉、ベーコン、ソーセージなどの脂肪の多い肉、牛乳、クリーム、バター、ラード、ココナッツなどがあります。一般的に、体にやさしいと言われている油には、オリーブ油、キャノーラ油、大豆油などがあります。体重管理が必要な人は、種類に関わらず、あまり取り過ぎないように気をつけたいものです。

■トランス脂肪酸は避ける
トランス脂肪酸は外食やファーストフードの揚げ物、クラッカー、ポテトチップスなどのスナック菓子、ショートニングやマーガリンを材料にしている食品に含まれます。トランス脂肪酸は、脂質異常症を含む、多くの病気との関連性が示唆されています。

■コレステロールの多い食品は食べすぎなければ大丈夫
コレステロールが高い食品には卵黄、うなぎ、レバー、ししゃも、いくらなどがあります。1日1個くらいの卵なら問題はありません。ししゃもやいくらなどの食品や卵黄を沢山使った焼き菓子を頻繁に食べる人意外は、あまり神経質にならなくても大丈夫なようです。

■果糖ぶどう糖液糖(異性化糖、ハイフルクトース・コーンシロップ)を減らす
清涼飲料水によく含まれている果糖ぶどう糖液糖は、脂質異常症や尿酸値を上げることが報告されています。体重が正常で肥満がない人でも、摂取を減らしたいものです。

■アルコールは適量を
アルコールを飲む人は飲み過ぎないように注意しましょう。男性の場合はビール2缶、女性ならビール1缶内に抑えましょう。

■塩分に注意
食卓で塩分の入った調味料を料理に加えないようにしましょう。

■外食での塩分対策
外食で食べる食事は塩分が高いことが多いので、可能なら塩控えめで料理をするように頼んでみましょう。汁物や漬物などを残す努力もしましょう。

詰まった血管を放置せずに、自分の健康はできることから自分でコントロールするようにしましょう。
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