「酒は百薬の長」「酒は飲んでも飲まれるな」「冷酒と親の意見は後で効く」――。お酒にまつわる諺(ことわざ)には、その効用を説くもの、飲みすぎを戒めるもの、飲み方を教えるものなど、たくさんの種類があります。

多くの人が体験しているように、飲酒には気持ちをほぐす効果があります。適度なお酒は豊かな性行為を導くための潤滑油としても働きます。しかし、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」。お酒は飲み方次第で性行為に対する薬にもなれば毒にもなります。

普段よりもお酒を飲む機会が増える年末年始。お酒とED(勃起不全・勃起障害)との関係を探ってみましょう。

飲酒には酸化ストレスを減らす効果が 

飲酒には気持ちをリラックスさせる効果があります。仕事帰りの居酒屋が賑わうのはお酒の力で解放的な気分を味わいたい人たちが多いことの証(あかし)でしょう。

お酒にはこのように、気分を和らげる効果ばかりでなく、EDを招く「酸化ストレス」を減らす利点があるといわれています。

EDはさまざまな理由で陰茎の血管に血液がうまく流れなくなることで起こる一種の血管障害ですから、血管を傷つける酸化ストレスは大敵です。

簡単にいうと、飲酒によって活性化した「アルコールデヒドロゲナーゼ」という酵素が活性酸素を分解し、酸化ストレスを減らします。酸化ストレスが減れば、血管の損傷も減るので「適度な飲酒はED予防につながる」という説もあるほどです。

度を越すと性欲が抑えられる? 

度を越した飲酒はEDを招く原因になることも

度を越した飲酒はEDを招く原因になることも

少量のお酒は大脳の働きを抑えることで、社会的な価値観や羞恥心などを取り除いてくれる効果があります。それによって、お酒の力がなくてはできないような大胆で積極的な性行為を可能にします。

ところが、飲みすぎてしまった場合には、大脳に対して過度の抑制が働き、性的な興奮まで抑え込まれてしまいます。その状態が行き過ぎると、陰茎が勃起しないという状態に陥ってしまうことがあるのです。

このように、アルコールは性行為に対してプラスに働く場合とマイナスに働いてしまう場合とがあります。

たくさん飲んだときにうまくいかなかっただけなら、大した問題ではありません。しかし、その失敗が心の傷となり、また失敗するのではないかという不安から心因性のEDに発展してしまうケースもあるのです。

こうなると、深酒はEDの立派な原因であるといえます。

飲酒後のED治療薬は効くの? 

「百薬の長」であるお酒が場合によってはEDの原因にもなるという延長線の話として、お酒とED治療薬との関係にも触れておきましょう。

ガイドのクリニックでは「ED治療薬を飲む前にたくさん飲酒したので、あまり効かなかった」という患者さんの訴えを聞くことがよくあります。

このような患者さんの場合は薬が効かないのではなく、アルコールの影響が現れているだけのことが多いのです。過度のアルコールはEDになる薬のようなものなのです。その証拠に、アルコールを控えると薬の効果がはっきり現れることはよくあります。

軽くお酒を飲んだ状態では、気分がリラックスするので、ED治療薬の効果にもプラスの潤滑油として働きます。

シアリス、バイアグラ、レビトラ等のED治療薬は勃起を助ける薬です。前提として大脳が性的に興奮していなければ勃起しません。過度のアルコールによって大脳の興奮が抑制されてしまえば、たとえ薬を飲んでも勃起しないことは珍しくありません。

自分の適量に応じた少しの飲酒なら、先に述べたようにプラスに働きまさすが、いずれにしても、飲みすぎは禁物と心得ましょう。

やはり「過ぎたるは及ばざるがごとし」 

適度な飲酒は豊かな性行為を導く潤滑油

適度な飲酒は豊かな性行為を導く潤滑油

これまで見てきたように、少量のアルコールであれば、健康上もED治療薬を服用する上でも大きな問題はありません。

ただし、アルコールは血管を広げる作用があるため、アルコールとED治療薬との相乗作用により、普段よりも低血圧等の副作用が起こりやすくなる可能性はあります。従って、過度の飲酒は避けたほうがよいでしょう。

また、深酒をすると脳の性的興奮が高まらないという事態を招くこともあります。前項で紹介したように、ED治療薬を飲んでも効かなかったという人の原因が、アルコールの飲みすぎであることはよくあります。

せっかくの「潤滑油」も過剰では本来の役目を十分に果たすことはできません。やはり「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

性行為前の飲酒はムードを高め、気分を和らげる程度の少量にとどめておくことが賢明でしょう。

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