生まれてから今日までの長い付き合いであるにもかかわらず、知っているようで知らなかったり、勘違いしていたりするのが、わがムスコのことではないでしょうか。

今回は、排尿器官としてではなく、性行為に不可欠な器官としての「ムスコ」にまつわる豆知識をED(勃起障害・勃起不全)との関連性も交えながら紹介しましょう。

大切なのは形状よりも勃起力

形状の差は性的能力とは無関係

形状の差は性的能力とは無関係

性器に関する悩みで昔から多いのは大きさや長さ、太さなど、主としてサイズに関係する問題です。人の顔が一人ひとり違うように、陰茎の形状もさまざまです。

形状の差は個人の性的能力とはなんの関係もありません。性器を増大させることを謳(うた)った怪しげな整形手術もありますが、生まれ持った背丈の大小が変えられないように、本来は、陰茎の形状を後から変えることはできません。

性行為において大切なのは陰茎の大きさや長さ、太さではなく、きちんと勃起できるかどうかです。その上で、パートナーを心身ともに満たしてあげられるような優しさで愛を確かめ合うことができれば、充実した性生活を送ることができるはずです。

亀頭は“やわかたい”モノ

『「リンゴの硬さ」は健康な男の証?』で勃起時の陰茎の硬さを身近な食べ物に置き換えてEDの目安とする自己診断法を紹介しました。その後「勃起しても亀頭が硬くならないのはEDのせいではないか」という相談がガイドのクリニックに寄せられました。

無論、これは大きな勘違いです。思い込みからくる誤解で、決してEDの症状ではありません。年齢に関係なく、亀頭はもともと勃起時でもそれほど硬くはありません。そのあたりのニュアンスを漫画家の柳沢きみおさんは『形式結婚』という作品で「亀頭はやわかたいモノ」と表現しています。

この「やわかたさ」は亀頭部と「シャフト」の部分とが解剖学的に見て違うからです。ED治療薬は「シャフト」の血管に作用するので、亀頭部を必要以上に硬くはしません。もし、亀頭がカチカチだと、パートナーは痛くて耐えられず、性交どころではなくなります。

亀頭はやわかたいクッションの役目を果たしているのです。挿入には「シャフト」部のある程度の硬さが必要です。その硬さを保つ力が衰え、勃起が続かなくなるのがEDです。亀頭は勃起時もある程度柔らかくて当たり前。心配するのはナンセンスです。

包茎がEDの遠因になることも

男性は多かれ少なかれ、見栄っ張りです。ですから、陰茎の形状を他人と比べることのできる機会があると、見た目を気にしがち。

生まれたときには包皮で覆われている亀頭が思春期を過ぎても露出しない「包茎」に関する悩みは昔から上位を占めています。普段は外から見えないだけに、その状態が否応なくさらされる銭湯などでは、ついつい前を隠す人もいるようです。

包茎のうちでも、包皮を手で後退させれば簡単に亀頭部を露出させられる仮性包茎は心配ありませんが、まったく後退させられない真性包茎や後退させた包皮が戻らなくなるカントン包茎は手術を要します。

包茎は亀頭が包皮に覆われているため不衛生になりやすく、泌尿器科系の病気を招くこともあります。また、外部からの刺激に弱いため、早漏になりやすいのも特徴です。

包茎とEDとの間に直接的な因果関係はありませんが、真性包茎やカントン包茎の場合、性交時の困難さがストレスとなって、EDを引き起こす可能性はあるかもしれません。

血管が緩んでいられる状態を

ムスコ
勃起の維持にはゆったりした気分が大切

勃起の維持にはゆったりした気分が大切

がその存在感を強く訴える勃起は陰茎(海綿体)の血管が緩み、拡張したところに多くの血液が流れ込むことで起きます。いわば、充血状態です。

その際、血管を拡張させる働きに関係するのが一酸化窒素(NO)です。性的な刺激を受けて神経から分泌されたNOは血管を広げます。緩んだ血管に血液が流れ込むことで勃起が起こります。

勃起すると、NOは血管そのものから放出され、勃起を維持します。半面、NOの分泌量が減ると、陰茎は充血せず、勃起の維持が難しい状態に陥ってEDになります。
NOを減らすのが陰茎海綿体にあるPDE-5という酵素です。バイアグラ等のED治療薬は、この勃起を萎えさせるPDE-5という酵素を邪魔する作用があり、それで勃起状態を維持するものでPDE-5阻害剤ともいわれる薬剤です。

勃起を維持するためには、常に筋肉や血管が緩んでいるリラックスした状態を保つように努めることが大切です。緊張やストレスも勃起の大敵で、気分がゆったりしていることも勃起には大きなプラスになるのです。

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