ショッピング好きの方!買物中毒にはご用心
ショッピング好きの方!買物中毒にはご用心
「男はギャンブルを好み、女性はショッピング好き」。これは世の常といいましょうか、現代の趣向の傾向をある程度表現しています。

確かにデパートは女性売場がメインですし、競馬場へ足を運ぶのは男が多いですね。でも、世の男性の方! 「よくもまあ、一日、デパートで時間をつぶせるなあ!」と思われている人はいませんか?女性も、「よくもわざわざ、競馬場に行って、馬に金を賭けて、結局、全部すって、バカみたい!」と思っている方もおられるでしょう。

とにかく、男には男の、女には女の気晴らしというか、楽しみがあります。でも、こうした楽しみが日々の暮らしのスパイスである間は心の病気で取り上げるような事ではありませんが、時には、単なる気晴らしを通り越して、ギャンブル、ショッピングが人生のすべてとなってしまう場合があります。依存症、中毒、呼び名はいろいろありますが、止めようにも止められなくなり、コントロール不能になった状態です。こうした事は、もちろん、大多数の人には関係ありません。しかし、心がある種の状態になると、ギャンブル、ショッピングの魔力にとりつかれやすくなります。


どういう人がなりやすい?

一般に、依存に陥りやすい人は心に問題があり、抱えている問題には以下のようなものがあります。
  • 心が不安定で、気分が落ち込みがち
  • 孤独で、絶望感が強い
  • 劣等感を強く感じる
  • 日々の生活でストレスが大きい
  • 成長期に親が離婚したり、亡くなられた
  • 児童虐待を受け、心が傷ついている

ケーススタディ

依存にいたる過程には人それぞれの歴史があります。ここでは、ギャンブル依存の例をあげてみます。

30代の男性。事業で成功し、経済的には裕福です。ある時、馬券をふと買ったところ、大当たりで、その時の高揚感が頭から離れなくなりました。以後、馬券に大金をつぎ込むようになり、大きく儲けたり、失ったりを繰り返し、競馬にのめりこむようになったのです。やがて、仕事で地方に行った時、競馬場に立ち寄ったら、パニック発作が起きてしまい、すぐさま、飛行機で戻り、精神科を受診されました。そこで、パニック発作の治療を受けたのですが、病院にいらしたのは数回だけで、結局、ギャンブル依存に対処することはできませんでした。

実際、ギャンブル依存(ショッピング依存もそうですが)の方はなかなか精神科にいらっしゃいませんし、ご本人に治そうという決意がないと、治療は困難です。

次に一旦、依存になると、どうして抜け出すのが困難か、また、依存から抜け出すにはどうしたら良いかを述べます。


どうして依存から抜け出すのは困難?

一旦、依存が完成してしまうと、そこから抜け出すのは困難です。なぜなら、依存の背後にある心の不安感、抑うつを解決するために、ギャンブルやショッピングが必要不可欠となってしまうからです。

ギャンブルをする際のスリルや興奮、ショッピングの際の気分の高揚感が、一時的に、心の不安感を取り除き、うつな気分を癒します。しかし、しばらくすると、再び、心は不安定になり、それを解決するために、また、ギャンブル、ショッピングといった具合に悪循環が続いていきます。


依存から抜け出すにはどうしたらよいの?

依存から抜け出すには専門家の力が必要ですが、どうしてもやめるという確固たる決意が一番大切です
依存から抜け出すには専門家の力が必要ですが、どうしてもやめるという確固たる決意が一番大切です
こうした依存が続くと、家族の信頼関係にヒビが入りますし、経済的にも多額の借金を背負うなど、人生の崖っぷちに追い込まれます。なんとかして、依存から抜け出す必要があります。

依存から抜け出す手段としては、ギャンブルやショッピングに溺れてしまった背後にある心の不安感や気分の落ち込みをお薬を用いて軽減させます。そして、心理療法のカウンセリングを受け、依存の原因となっている心の問題を理解します。また、紹介してもらったり、インターネットで検索などして、自助グループに参加するのも良いと思います。そこでは、自分の体験を分かち合い、互いに支え合って、依存からの回復を目指します。ただ、何と言っても、成功への鍵は、本人が依存の現状を把握し、何としても止める必要があると認識することです。


家族としてできる事は?

家族で楽しい時間を過ごせれば、何かに依存する必要はなくなるでしょう
家族で楽しい時間を過ごせれば、何かに依存する必要はなくなるでしょう
家族としてもできる事がいくつかあります。例えば、夫がギャンブルに溺れるようになったとします。妻としてできることは、まず、今のままでは夫婦の生活が成り立たなくなるので、ギャンブルをやめるように説得します。次に、いつからギャンブルをするようになったのか、また、そうなった原因は何かを理解するよう試みましょう。そして、止める事が出来るように手助けしていきます。例えば、ギャンブルをする代わりに、一緒にカラオケに行ったり、映画に行ったりといった具合です。

また、妻がショッピング中毒になった背景に、夫が仕事にかかりきりで妻にあまり構わないといったような時には、夫は妻と一緒に過ごす時間を作り、愛情を示すのが大切だと思います。

ところで、心に不安感が生じたり、気分が落ち込んだ場合、対処の仕方は人それぞれ、例えば、カラオケに行ったり、ジムに行ったり…などあると思います。

では、心が特に傷ついてしまったり、劣等感を強く感じたりした時は、どうでしょう? 一生懸命、勉強をしたり、仕事に精を出して、良い結果を生む人は少なくありません。問題となるのは、ギャンブルやショッピング依存といった悪い方向へ向かってしまう場合です。いつでも正しい道を歩むのが理想ですが、たとえ、道を踏みはずしても、また、正しい道に戻れるようにありたいものです。