婦人病・女性の病気/無月経・生理不順・不正出血・過多月経

どこからが過多月経?月経血の正常・異常の見分け方

【医師が解説】「月経血の量が多い」状態は、医学的には「過多月経」といいます。「生理の血の普通の量がわからない」という方もいるかと思います。レバーのような塊でも少量なら大丈夫なことがほとんど。個人差があるので難しいところですが、今回は大体の目安を解説します。

山田 恵子

執筆者:山田 恵子

医師 / 女性の健康ガイド

月経血の量ってどのくらいが正常なの?

横になる女性

月経血って、どのくらいの量が多いの?

よく、「生理の量が多くなったらお医者さんに相談してください」なんてフレーズが雑誌やネットでありますが、それではどれくらいの量なら「多い」といえるのでしょうか。

ちなみに、「月経血の量が多い」という状態は、専門用語では「過多月経」といいます。個人差があるので難しいところですが、今回は大体の目安を考えてみましょう。
 

個人差も大きい月経血量

花王の調査によると、1度の月経期間の経血量は平均82.5g。多い日で1日30g(大さじ約2杯)、期間中全部合わせて50~100g程度といわれています。一方で、基礎体温計測推進研究会によると、正常な月経血量は20~140gと発表されています。

この2つからもかなり月経血の量にばらつきがあるとわかるでしょう。月経血の量の「正常」を考えるのは、個人差もあって非常に難しいのです。まして、ナプキンが吸収した血液量を自分で推測するのも現実的にはとても難しいと思います。では、どうすればいいのでしょう?
 

月経血が多いかどうかのセルフチェック法

大体の目安として、下記の項目に当てはまる場合は月経血が多すぎると考えてよいと思います。
  • ナプキンを1時間ごとに替えなければならない
  • 量が気になって外出できない
  • 月経血に大きい血の塊が混じっている


月経血は血のように見えますが、実は色々なものを含んでいます。本質的には、妊娠が成立しなかった子宮内膜が、酵素の働きで出血を伴って剥がれ落ちたもの。ですから指先くらいの大きさのレバーのような塊は、ちょっとなら別に心配する必要はありません。でも、あまりに大きい塊は注意が必要です。

上記のチェックに当てはまる人で、状態が続く場合は、1度婦人科を受診することをオススメします。

ちなみに年単位でだんだん月経血の量が多くなる場合は、子宮内膜症、子宮筋腫などの病気が隠れていることも。また、あまりに月経血量が多いと、悪い病気が潜んでいなくても貧血症状が出てしまいますのでご注意を。

余談ですが、1日に「2ml」の血がなくなるだけで、貧血になるといわれています。たった2mlずつでも毎日血液を失うと意外とバカにならないのです。出血が長く続くと、だるさや息切れなど不調の原因になるので、いずれにしても月経血量があまりに多い場合は気をつけるようにしましょう。過多月経についてさらに詳しく知りたい方は、「過多月経、月経困難症の新しい治療法」を併せてご覧下さい。

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