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二世帯住宅で暮らす/二世帯住宅で暮らす関連コラム

震度6の地震を経験したガイドが綴る 新潟中越地震・体験レポート(2ページ目)

滞在したていた長岡市の震度は6弱。地震発生から4日間、長岡市で過した記録を、ここに残したいと思います。

提供:旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
松本 吉彦

執筆者:松本 吉彦

二世帯住宅で暮らすガイド

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地震発生後2日目【10/24(日)】

義父は、慢性の病気で常時酸素を吸入している。その酸素吸入器のポンプは停電になると動かなくなる。携帯用の酸素ボンベに切り替えていたが、残量が少なくなっていた。予備のボンベがもう1本あるが、朝までもたないかもしれないと言う事がわかり、緊張する。病人がこの環境に長くいては悪化する心配がある。すぐには電気の復旧は見込めないので入院するしかないと判断した。明け方を待ち、救急車を呼ぶ。救急車は福島からの応援であった。今回のような大地震の時、翌日にこうして応援にきてくれることに感謝した。

再び食料調達をするために、近所のコンビニへ出向く。買えるものは菓子パンとジュースばかり。唯一駅前のスーパーで、サンドイッチやお茶が買えた。町内の方の連絡では、炊き出しの朝食がいただけるとの話であったが、結局夕方になってパンが各自に1枚配給されただけらしい。

私達は、電気も復旧せず余震も怖いので避難所に行く事を考えた。だが家族の中には、家が危ないと解っていても、家の側から離れたくないという気持ちもあり、なかなか決断がつなかい。家や土地に対する思い入れは人それぞれ。何でも合理的にことを運べば良いという訳ではない。非常事態だからこそ、精神的なことと物理的な状況のバランスをはかりながらの判断が必要と感じた。

近くの避難所がどこだか不明。また、避難所が停電や耐震性が不安では困ると思案していたら、親戚の家がある地域の避難所が、昨年完成したばかりの設備の整った小学校であり、そのエリアは停電していない事が解り、そこに避難することにした。


避難所生活が始まった

坂之上小学校についてみると、RCラーメン構造の立派な建物。新しく清潔で、暖房設備の整った学校だった。入り口で受付を済ませ、1人1枚ずつの毛布と、家族毎に1枚の薄い断熱シートを貸してもらう。(これらは退出するとき各自で持ち帰るよう言われる。)

まず、空いているスペースに陣取りのごとくシートと毛布を敷く。一つの部屋にいくつもの家族が間をあまり空けずにごろ寝する。避難所の中は教室や体育館、廊下、玄関、階段下など様々な場所に人がいた。小さな子供がいる家族、高齢者のみの家族、単身、外国の人、病人を抱えた家族、中には痴呆や知的障害の方もいる。ペットを連れた家族(ペットは室内に入れない)は、玄関の土間にシートを広げている人もいた。非常事態とはいえ、いろいろな事情に対し特別な配慮が必要だと感じた。

2日目の朝食は、避難所でも行き渡らなかったらしい。夕食のとき『朝食をもらえなかった方から先に配布します。その後、他の方に配布するので待っていてください。』と繰り返し説明していた。24日に配布された食料は1人1個の冷たいハンバーガー。飲み物無し。コンビニやスーパーは2日目から買い物ができるが、お湯を注げばよいもの、おにぎりお弁当類の棚は空っぽ。日頃の備蓄が必要と痛感した。

時々テレビをつけニュースを見て被害状況、インフラ復旧状況の情報を得る。東京への交通手段がなく、帰るに帰れず避難生活を続けることとなる。

みんな疲れて気持ちが落ち込むなか、避難所となった学校職員や世話役をしている方々が、明るくやさしい話し方で連絡事項を放送していたり、避難してきた人達のために良く働いて下さっていた。保健室には医者と看護師が待機し、体調の悪い人を診察していた。皆さんご自身も被災者の方であるのに、本当に頭が下がり感謝する。

ひきつづき地震発生後3日目の様子へ

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