文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
同居をすれば「お互いの生活が筒抜けになるのでは?」「相手世帯からいろいろ言われるのでは?」と不安を持つ方も多いと思います。現に、良かれと思ってしたことが、かえってトラブルの原因になることも...。そんな状態を避けるためのキーワードが
『相互不干渉』です。「えっ!それではちょっと冷たすぎるんじゃない?」と思う方も多いかと思います。そこで今回は、何故『不干渉』が良いのかについて、入居宅の調査データを元に解説していきます。
親世帯と子世帯ではライフステージが違う
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各世帯・1日の生活時間
資料提供:二世帯住宅研究所
たとえ実の親子とは言え、それぞれに家庭を持つ身です。例えば「子世帯」は、子育て真っ最中の働きざかり。片や「親世帯」は、子育てが一段落し熟年を迎えたところ。このようにライフステージが違えば、生活のリズムが合わないのは当然のことです。まして、親世帯が仕事をリタイアした場合には、ズレが一層大きくなります。
右の表をご覧下さい。親世帯は朝は早く起き、夜は早く寝ます。それに対し、子世帯・ご主人は、仕事で夜遅くに帰ってくるので、食事も就寝も遅くなりがちです。このように世代が変われば、1日の中でも、起床・就寝・食事時間という生活時間が異なります。
さらに「休日でも生活リズムを崩さない親世帯」と「休日は朝寝坊をする子世帯」、「月に一度は近場の温泉へ出かけている親世帯」と「夏休みにまとめて長期旅行に行く子世帯」というように、休日や余暇の過ごし方が違うため、1週間・1カ月・1年単位のスケジュールも違ってくることが多いのではないでしょうか?
では、この違いをどう埋めていけば良いのでしょう?>>次ページへ