文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
いままでもご紹介してきましたが、二世帯同居を成功させるポイントは「世帯間に距離を置いてお互いのプライバシーを尊重し合うこと」にあります。しかし、狭い日本で大きな家を建てることは、なかなか難しいもの。そこで、おすすめしたいのが、3階建て二世帯住宅。物理的な面はもちろん、精神的な面でも「プラス1層のゆとり」が様々なメリットをもたらしてくれます。そんなメリットについて、いろいろな視点から検証したいと思います。あわせて、3階建て二世帯住宅のプランニングのポイントもご紹介!「うちは土地が狭いから...」と二世帯住宅をあきらめていた方も、是非参考にしてみて下さい。
3階建ては2階建てより広い!
当たり前のことなのですが、同じ敷地でも広い面積がとれるのが、3階建て住宅最大のメリットです。実際に首都圏で3階建て住宅にお住まいの200名の方々に「3階建て住宅を建築した理由」をうかがった結果が、以下のグラフです。資料提供:二世帯住宅研究所 |
ご覧の通り「現在の敷地でより広い居住スペースを確保したい」という方が86.5%と圧倒的でした。また「二世帯で住むため」「車庫のスペースをとりたい」など広さに関する理由が多くあげられています。このように、多くの人が「広さ」を求めて3階建て住宅を建築しています。しかし、3階建てのメリットは「広さ」だけではないのです。
3階建てにして快適度がアップ
3階建て住宅で暮らす方々を対象に、実際住んでみての感想をお伺いしたところ、「日当りがよくなった」「風通しがよくなった」と多くの方が回答しています。また「見晴らしがよくなった」という声が高いことも注目すべき点です。これは住んでみてはじめてわかったメリットといえそうです。この他にも、「家族ひとりひとりのプライバシーが尊重される」「趣味や娯楽のためのスペースが増えた」とおっしゃる方も多く、快適度がアップしているようすが伺えます。これらの声から、3階建て住宅は、そのゆったりとした居住空間だけでなく、さんさんと降りそそぐ太陽の光や、さわやかな風、そしてすばらしい眺望も、魅力のひとつと言えるのです。
とは言え、やはり3階建てとなると、上下の移動が多くなるため負担は増します。上階と下階のメリット・デメリットをきちんと踏まえておきたいものですね。
【参考記事】親世帯と子世帯どっちが上階?
次ページでは、二世帯住宅にとってのメリットについて、もう少し詳しく整理してみましょう。