疲労回復法/冷え・むくみ・だるさ予防法・回復法

1日の疲れを解消する「疲労タイプ別」入浴法

汚れだけでなく、疲れもスッキリ! お風呂は心身をリラックスさせてくれ、疲労回復やストレス解消に最適な場所です。一言で疲れと言っても、体の疲れ、心の疲れ、不眠による疲れなど様々。今の疲れのタイプをセルフチェックして、疲れにあわせた入浴法を試してみてはいかがでしょうか。

執筆者:吉鶴 亜紀子

1日の疲れはお風呂ですっきり解消!

湯船に浸かる女性

疲れているときこそ、ゆっくり湯船に浸かってみては……?

お風呂は心と体をリラックスさせ、疲労を回復させるのに最適な場所。お疲れ気味の方は、毎日のバスタイムを上手に利用しない手はありません。毎日簡単にできて、経済的。お風呂で疲れをうまく落とす方法をご紹介します。
 

入浴の3つの疲労回復効果とは

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ひと手間加えるだけで、いつものお風呂が癒し空間に!
入浴はなぜ疲労回復に効果があるのでしょうか? まずは入浴の効果をみてみましょう。入浴の効果は「静水圧」「温熱」「浮力」の3つです。

■血行やリンパの流れを促進する「静水圧効果」
静水圧は、お風呂の中で体にかかる水圧のこと。静水圧により心臓の動きが活発になって、血行やリンパの流れがよくなり、マッサージ効果が生まれます。むくみも解消するので、立ちっぱなしで足に疲れが溜まっているときにもお勧め。ただし、静水圧により心臓に負荷を掛けやすいので、みぞおちより下だけ入る半身浴にしましょう。

■自律神経に働きかける「温熱効果」
温かいお湯(42℃以上)だと交感神経が働き、新陳代謝が促進されます。その結果、疲労物質の排出を助け、汗をかいて老廃物も排泄されるので体の疲労が回復されます。ぬるめお湯(38~41℃)だと、副交感神経が働きリラックスするので、心の疲労回復に効果があります。

■ゆりかごのような気分でリラックスできる「浮力効果」
お風呂の中では体重が1/9ほどになると言われています。体が浮くので浴槽の中で力を抜けば、ふわふわと体が浮いてリラックスする効果があり、心の疲労を回復させることができます。

この3つの効果を生かして入浴すれば、簡単に1日分の疲れをリセットすることができるのです。その日の疲れはその日のうちに解消しましょう。

次に、今感じている疲労のタイプもセルフチェックしてみましょう。
 

疲労タイプのセルフチェック法

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1日中同じ姿勢でパソコンをしていると血行が悪くなり、肩こりや首のこり、目の疲れが多くなります
体の疲労・心の疲労・睡眠不足など、疲労は人によって、そして日によってさまざま。その時々の疲れに合わせた入浴方法を試してみるといいですね。まずは、今のあなたの疲れのタイプをセルフチェックしてみてください。

Aタイプ
□激しい運動をした
□いつもよりたくさん歩いた
□1日中ごろごろしていて頭がすっきりしない
□筋肉痛がひどい

Bタイプ
□ストレスを感じている
□イライラすることが多い
□憂鬱な気分だ
□頭がぼーっとして集中力がない

Cタイプ
□朝の目覚めが悪い
□昼間に眠気を感じる
□寝つくまでに1時間以上かかる
□夜中や早朝に目が覚める

Dタイプ
□仕事は座りっぱなしか立ちっぱなしだ
□肩こりがある
□目の疲れや頭痛がある
□長時間冷房の効いているところにいる

1番多くチェックのついたものが、あなたの現在の疲労タイプです。以下を確認してみましょう。

■Aが多い人……体の疲れが大。疲労物質を早く取り除く入浴法を試してみましょう。
■Bが多い人……心の疲れが大。リラックス効果を高める入浴法を試してみましょう。
■Cが多い人……睡眠不足や睡眠障害で疲労。ぐっすり眠れる入浴方法を試してみましょう。
■Dが多い人……パソコンを使ったり長時間同じ姿勢をしている人に多い、肩こりや首のこりの症状があります。血行をよくする入浴法を試してみましょう。

最後に、疲労タイプにあわせたお湯の温度や入浴時間などを解説します。
 

疲労のタイプに合わせた疲労回復入浴法

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その日のうちに疲れを解消して、次の日の朝はすっきりと目覚めましょう!
■Aタイプ 体の疲れを回復させる入浴法
  • 湯温  43℃前後
  • 時間  10分
  • 効果  疲労物質を取り除き、筋肉の疲れをときほぐします。汗をかいて老廃物を排泄させる効果もあるので、体の疲れを取り除くことが出来るでしょう。
  • 方法  熱いお風呂は体の表面だけ温まりやすいので、みぞおちより下だけ入る半身浴がお勧め。半身浴だと、心臓に負荷が掛からないので長めに入浴できます。頭上の換気をしないとのぼせやすいので注意。

■Bタイプ 心の疲れを回復させる入浴法
  • 湯温  39~40℃
  • 時間  20分
  • 効果  副交感神経の機能が高まります。末梢血管の血行をさかんにして、頭に集中しがちな血液を分散し、緊張が解消、リラックス効果もあるので、心の疲れを癒すことができます。脈拍も緩やかになり眠りにつきやすい状態に。
  • 方法  入浴中は全身の力を抜いてリラックス。決してストレスの原因となっているものを考えないようにします。目をつぶり浮力を感じながら手足を少しずつ動かしてみましょう。「リラックスしている」などプラスのイメージのことを考えます。ヒーリング音楽やアロマオイル・入浴剤を使っても効果がUP。ときには明かりを落として、アロマキャンドルなどを利用して入るのもいいでしょう。

■Cタイプ 寝つきを良くする・眠りの質を高める入浴法
  • 湯温  38℃
  • 時間  25~30分
  • 効果  仕事中など忙しくしている時は、交感神経優位の緊張状態にあります。入浴で副交感神経を働かせることで眠りの質がUP。人は体温が下がり始めると眠気を催し、下がりが早い人ほど眠りにつきやすいとも言われています。入浴で体温を上げて熱を放散させる準備をしましょう。
  • 方法  就寝の約1時間以上前の半身浴がお勧め。汗が出るので入浴前後にしっかりと水分補給をしましょう。好きな匂いや色がついた入浴剤もリラックス効果を高めます。入浴後はコーヒーやタバコなどの刺激物を避けて、湯冷めしないようにして床につきましょう。
■Dタイプ 肩こり・首のこりをとる入浴法
  • 湯温  41~42℃
  • 時間  20~30分
  • 効果  血行をよくして新陳代謝を高めます。その結果、首や肩の疲労物質を取り除くことができます
  • 方法  浴槽が長い場合には、浴槽のふちに首を乗せて、首に頭の重みがかからないようにする寝浴がお勧め。ストレッチで筋肉をほぐしましょう。首をすくめるように肩を持ち上げて一気に力を抜いてみたり、首をゆっくり回したりしましょう。肩に温かいタオルを乗せて入るのも効果があります。

体調の悪い日の高温入浴や長湯は体に負担となりますので十分に注意してくださいね。入浴剤やアロマキャンドルなどを使うと、さらにお風呂タイムが楽しめます。自分にあった入浴法で、快適なリフレッシュ時間を!

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