文章:山口 由紀(All About「二世帯住宅で暮らす 」旧ガイド)
今回は、親との同居をスタートしたのですが、最終的に別居...という結論になってしまった実例をご紹介したいと思います。この実例は、完全同居の計画で設計されています。はたして、どのようなことが失敗の原因となったのでしょうか。子世帯ご主人に振り返って頂きました。

 

三者の要望は充分に出しつくした満足の新居完成!

手下邸外観
デザイナーズ物件のようにモダンで素敵な新居。新しい生活に期待して二世帯同居がスタートしました。
家族構成の変化によりお母様が一人暮らしになるため、お住まいだった土地に、息子夫婦と同居できる家を新しく建てようということで、同居の計画がスタートしました。

設計は、親戚の建築士が担当。計画段階で、土地の広さ・採光・通風や資金などの制約条件により、妥協しなくてはならない点はいくつかありましたが、施主であるAさんご夫婦やお母様も、それぞれご自分の希望を充分に伝えられたと満足しつつ、建築計画は進んでいきます。最終的な新居の間取りは、
  • 1階 玄関+寝室2つ+風呂
  • 2階 LDK
  • 3階 予備室
となりました。日当たりの良い2階を仕切らず、ひとつの広々としたリビングダイニングとし、皆がくつろぐスペースに。お母様の年齢や体力を考慮し、1・2階での行き来で生活が済むように、寝室と浴室は1階にまとめるよう配慮しました。また、プライベートスペースは、日当たりなどの条件が悪い1階にまとめてしまう方が得策と考え、両者の寝室を1階で計画。3階は日当たりが良いのですが、斜線規制で天井が斜めになるため、予備室として活用することに。また、当初2つにしようとしていたキッチンは、スペースの問題と、子世帯奥様が働いているという状況を踏まえて、2人立って作業ができるL字型の広々とした大きいキッチン1箇所で決めました。

そして数ヵ月後、無事にデザイナーズ物件のようにモダンで素敵な新居が完成しました。完成時は、大満足だったとAさんは当時を振り返ります。お姑さんと同居の経験があるお母様も、お嫁さんとは仲良く楽しく暮らしていけると、誰もが新しい生活に期待して同居がスタートしました。

しかし、大満足でスタートしたはずの同居でしたが、実際に生活を始めてみると...次ページではその内容をみていきましょう。