祖父母から学ぶしつけの大切さ
続きまして、祖父母からよく言われたことについて聞いた結果です。同居形態により、べったり同居の場合は生活指導項目の割合が高く、別居の場合は「他人に親切」「約束遵守」などのモラル項目が高いという傾向が見られました。Q:祖父母から、つぎのようなことを言われたことがありますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
しかし、同居形態に関わらず「あいさつをする」は最も多く、祖父母の孫に対する最も普遍的なしつけといえるようです。また、「無駄遣いをしない」「他人に迷惑をかけない」「うそをつかない」など、人間としての基本的な行動規範を示してくれているのが伺えます。
二世帯住宅研究所の書き込みより
●40代男性 子供の頃はうるさいと思っていたような「音を出して食べない」「箸の使い方」なども、自分が子供を持ってみると、どれもためになることが多いものですね。 ●40代女性 旅先の温泉で浴槽に入る前に身体を流す時、後から入ってきた若い女性は立ったまま桶のお湯を身体にかけていました。すぐ近くにいた私にもしぶきが・・・。その時、幼い頃祖母と一緒にお風呂に入ったときのことを思い出しました。元気いっぱいお湯をかける私に祖母が「周りの人にかからないように、しゃがんでお湯をかけなさい、まったくしつけがなってない・・」と。その時は「小言」を言われたような気がしていましたが、そういうことをちゃんと言ってもらうことって大事なことだな、と今になって思うのでした。 |
もちろん両親もしつけは日々しているものですが、一世代上のモラルに比べると、少しずつ甘くなっていたり、ついつい目をつぶってしまうものです。また、直接親に言われるより、祖父母から言われる方がワンクッションあって素直に聞けるという声も聞かれます。モラル低下が叫ばれている日本の将来にとって、祖父母の時代のちょっと厳しいモラルをしっかり伝えてもらえるのは、良いことなのですね。
交流頻度で子どもの意識も変化する!
祖父母との交流で、子ども(孫)達が受ける良い点に注目してきましたが、逆もまた真なりです。以下のグラフをご覧下さい。高齢社会における負担の認知について聞いた結果です。Q:将来はお年寄りが増えて若い人たちが減っていきます。そのため「お年寄りの世話やその生活を支えるため、若い人たちの負担が重くなってくる」という話を聞いたことがありますか? |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
若干の差ではありますが、身近に祖父母が居る子どもほど、高齢社会の負担についての理解が進んでいます。やはり、高齢者に接する機会が多いほど、実感として理解ができるのかもしれませんね。たとえ同居でなくても、機会あるごとに祖父母と交流をすることは、子どもが高齢社会に対して意識を持つ、良いきっかけとなると言えそうです。これからますます高齢化が進む日本にとって、子ども達が、それをちゃんと認識してくれることは、祖父母にとっては喜ばしいことではないでしょうか?
いかがでしょうか?この他にも「同居に対する意識」や「祖父母の介護に対する意識」など、祖父母と会う機会の多い子・少ない子によって、その結果が異なるという傾向もでています。実際に会って一緒に時間を共有することに勝るコミュニケーションはありません!夏休みは、子ども達と祖父母がゆっくり交流をはかれる、良い機会です。是非、祖父母・親・子どもでの三世代交流を楽しんで下さい。
【参考記事】どう違う?祖父母との交流が多い子少ない子