「近居」は住宅購入時のハードルが高い
同じ敷地内に住む「二世帯住宅」と違い、「近居」は土地・家屋を探すのが大変と言うハードルも...。 |
これに対し、土地・家屋を共有しながらの居住形態である「二世帯住宅」は、その苦労はかなり軽減されます。例えば、親の土地で建て替えるのであればもちろん、もし新しい土地での新築であっても、土地・家屋はひとつで済むわけです。当然、ふたつの土地にふたつの家屋を所有するより、コスト面でも経済的になるはずです。
このような背景を踏まえると「二世帯住宅」は、現在の「近居」ニーズを上手く反映できる住まい方であると言えるのではないでしょうか。では「二世帯住宅」と「近居」の違いについて、少し詳しく見ていきましょう。
「二世帯住宅」は「近居」を兼ねる!
「近居」と「二世帯住宅」に差がでる要素と言えば、その独立度でしょう。共用部分が多い二世帯住宅であれば、近居のような独立度は望めませんが、全てが別々で設計されている「完全独立二世帯住宅」であれば、先にあげた「近居」のメリットが全て享受できると言っても過言ではないはずです。それだけでなく、同じ敷地に住むことで得られるプラスの効果があります。では、その効果をご紹介しましょう。■気配
「近居」と「二世帯住宅」の一番の違いは“気配”を感じるか否か。近居であればどんなに近くに住んでいても、気配までは感じることはありません。しかし、同じ敷地に住む二世帯住宅であれば、いろいろな気配で気づくことがあるのです。例えば、相手世帯の音や臭い、電気が点いた消えたとかで「今日も変わり無く暮らしているな」と様子が解るのも、二世帯住宅ならではの安心感と言われます。また、同じ敷地内に人が居れば、片方の世帯が留守でも不審者は近寄りにくく、防犯上も安心です。このように、ちょっとした変化に気がつく“気配”を感じられることが、同じ敷地内の良さと言えます。
■生活面での助け合い
「近居」とは言え、よほど近くでなければ、雨だからと言って洗濯物を取り込むなどは無理でしょう。急に届く宅配便を預かったり、預かってもらったりするのも同様です。また、長期で留守にする時などは、庭木の日々の世話までしてもらうのはなかなか難しいかもしれません。しかし、同じ敷地に建つ「二世帯住宅」であれば、このようなレベルでの助け合いも充分可能となるのです。
■子育て&介護
「近居」でも、お互いの面倒をみてもらうことは可能です。しかし、たとえ1時間圏内とは言え、交通機関を使うとなると、訪ねていくのはお互い大変になるものではないでしょうか?特に子どもが行き来するとなると、徒歩圏が前提です。この点においても「二世帯住宅」は、同じ建物での住み分けとなるため、移動の負担が少なく、お互い支援をしてもらいやすい環境だと言えます。
このように「近居」の利点である独立性を維持しつつ、日々の生活での安心感や利便性も高い「二世帯住宅」は、まさに「近居」を兼ねていると思いませんか?
60代・50代と、世代が若くなるほど、自分のペースで生活したいと言う要望が高まる傾向があると言われます。このような世代にとって、全ての生活を一緒にしてしまう「同居」ではなく、近くに住む「近居」が支持されるのは当然の傾向と言えます。さらに、少子高齢化が進めば、介護や子育てにおいて、ますます家族の協力が必要となります。そんな現代に「二世帯住宅」は合致する住まい方ではないでしょうか。
【参考サイト】
国土交通省・報道資料より
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