洗練された大人の街であり、繁華街の代名詞ともなっている「銀座」。そんな銀座という都会の真ん中で、ミツバチが飼われているのをご存知でしょうか? 収穫されたハチミツは、「銀座産ハチミツ」として、銀座の一流のお店で商品化され、話題を呼んでいます。ミツバチを通じて銀座の街で「地産地消」を実践されているNPO法人「銀座ミツバチププロジェクト」の事務局 高安和男さんと、田中淳夫さんにお話を伺いました。

都会の真ん中「銀座」でミツバチを飼う?

ミツバチ
東京の真ん中「銀座」で養蜂されているとは!? パリのオペラ座みたいです。
「銀座ミツバチプロジェクト」とは、銀座の街の活性化を目的とする「銀座食学塾」「銀座の街研究会」が中心となって企画・運営しているプロジェクトです。

ミツバチの飼育を通じて、銀座の環境と生態系を感じるとともに、採れたハチミツ等を活かし銀座の街の文化として高めることを目的に、銀座にあるビル屋上(地上45m)でミツバチを飼育されています。

銀座で「地産地消」を実践

田中・高安
「銀座ミツバチプロジェクト」の事務局 高安和夫さん(左)と、田中淳夫さん(右)
 そもそも銀座という都会の真ん中で養蜂、ミツバチを飼うことになったのはどういう経緯なのですか?

田中 私が世話役をしています「銀座の街研究会」では、江戸時代から残る街割とそこで織り成す歴史や情報発信によってブランド化された「銀座」という街を研究し、守るべきところと新しい時代に対応して変わる部分を見極め、この街の可能性や新しい価値を生み出す力を引き出していきたいという目的で、空間や食文化など、様々なテーマで研究会を実施していました。

その中で、特に「食」のテーマでは、さらに深める場が必要なのではないかということで、高安さんのお世話で「銀座 食学塾」が2004年にスタートしたのです。

高安 今の時代「食」に関する情報は溢れるほどあるのですが、どうしても情報が偏ったりしがちです。例えば「食の安全性」についても、生産や流通、消費、それぞれの立場で考え方は異なります。そこで情報を求める人が、客観的で正しい情報を得て、正しい判断ができるようにすることが必要なのではないかと考えまして、「銀座 食学塾」を設立しました。

「銀座 食学塾」では2ケ月に1度、土や農からかけ離れた都心の銀座で、「食」に関連した、「農業」、「健康」、「食育・農育」、「食の国際化」などのテーマについて、生産者や消費者が出会い、意見交換するコミュニケーションの場です。

これまでも無農薬の田んぼ作り体験など、生産者と消費者をつなぐイベントは実施してきたのですが、これはあくまでも都心の人を産地につれていくものです。そこで私たちは、銀座で生産し、銀座の職人がモノを作り、銀座に来てくださる方に食べてもらう。そんな銀座ならではの「地産地消」を実現してみたいと考えるようになりました。

米や野菜では、生産量として不可能ですし、そこでミツバチが採取するハチミツなら可能性が高いのではないかということで、養蜂家であり東京農業大学客員教授の藤原誠太さんの指導のもと、「銀座の街研究会」と「銀座食学塾」のメンバーが中心となり「銀座ミツバチプロジェクト」プロジェクトはスタートしました。その後、街の皆様にも参加いただきメンバーは増えました。今年2月には、東京都よりNPOの認証を受け、NPOとして再スタートを切りました。